LINEヤフーの検索連動型ショッピング広告(SSA)とは?Yahoo! JAPANの検索結果に表示

LINEヤフーの検索連動型ショッピング広告とは?

検索連動型ショッピング広告(Shopping Search Ads:SSA)とはYahoo! JAPAN の検索結果に表示されるクリック課金型(CPC課金)の広告です。LINEヤフー社から2023年12月に開始することが発表され、2024年1月より順次配信されています。

スマートフォンのコマース検索モジュール最上部に表示され、入札単価は5~80,000円の間で設定可能です。また、同じ掲載面にYahoo! JAPAN 商品情報掲載がありますが、こちらは成果報酬型(CPA課金)で広告運用の必要がありません。SSAには商品画像の左上に”スポンサー”の表記が行われるため、違いは一目瞭然です。

検索連動型ショッピング広告

コマース検索モジュール内の特徴として、最上部または2本目にクリックが集中する傾向にあります。最上部または2本目のクリック比率は約61%と非常に高いことがLINEヤフー社の調査から明らかになっているのです。SSAの活用により最上部に商品を表示することで、認知の獲得に大きく貢献するでしょう。

SSAと商品情報掲載のイメージ

SSAの利用メリット

SSAによって得られるメリットについて、ユーザーと広告主それぞれから見ていきます。

ユーザー

  • 商品ごとに情報が整理されていて探しやすい
  • 重視するポイントに応じた商品比較が簡単
  • クリックする前に商品価格や送料がわかる

広告主

  • 表示領域に適した表現で従来の検索広告よりも高い訴求効果を発揮できる
  • コマース検索モジュールの最上部で訴求したい商品をアピールできる
  • 商品の詳細ページに直接送客が可能

SSAの掲載イメージ

SSAの表示イメージと入稿時の必須・任意項目は下記のとおりです。

SSA表示イメージ
No.入稿
必須/任意
表示項目詳細
1必須商品画像画像内テキスト不可
2任意ブランド「ブランド+商品名」で最大2行表示
末尾が「…」省略される場合あり
3必須商品名
4必須商品価格通常価格またはセール価格が設定可能
5任意商品配送情報商品が「送料無料」の場合に表示
6任意商品種別予約商品 / ふるさと納税品に
該当する商品のみ表示
7任意セラー名「セラー名 - ショップ名の略称」という
形式で2行以内で表示
8必須ショップ名の略称(※)
9-インフォメーションアイコン広告表示に関する説明
10-広告バッチ商品画像左上に「スポンサー」表記
※:ショップ名の略称は、LINE Merchant Systemの登録内容が反映されます。その他項目は商品フィードで登録された内容が反映されます。

出稿可能な広告主/商品

SSAに広告出稿が可能な事業者は自社ECサイトを運営している事業者に限られています。Yahoo!ショッピングやAmazon、楽天市場のようなECモール本体による掲載は可能とされていますが、そのECモールに出店/出品している事業者は広告出稿ができません。

SSA及び商品情報掲載には一部掲載ができない商品・サービスがあります。出稿の準備を行う前に下記の表を確認しましょう。

対象商品・サービス商品情報掲載
※1・2
SSA
※2
中古商品 ※3
アルコール飲料 ※4
薬機法などの広告表示規制及び個別の掲載基準があるもの
CD、音楽ソフト
DVD、映像ソフト
書籍、電子書籍(本、雑誌、コミック)
ゲームソフト
自動車、オートバイ
生体販売(ペット、昆虫など)
物販に該当しないもの音楽、イベントなどのチケット
ギフト券
各種レンタルサービス(カーリース含む)
その他各種サービス(冠婚葬祭、修理・
リフォーム、クリーニング・掃除など)
※1:掲載可「◯」となっている商品・サービスにおいても、法令違反または違反の恐れがあるものは掲載できません。
※2:広告掲載基準を遵守していたとしても、上記表で「✕」になっている商品やサービスは掲載できません。 広告掲載基準:https://ads-help.yahoo-net.jp/s/guideline-editorial?language=ja
※3:中古商品については、法人販売の場合のみ商品情報掲載に掲載できますが、SSAでは掲載できません。
※4:商品情報のリンク先のサイトに「お酒、飲酒は20歳になってから」などの文言の明記が必要です。掲載開始後に新たにアルコール飲料の取り扱いを開始する場合は、事前に申請が必要になります。詳細はLINEヤフー社の営業担当者まで。

SSAの掲載に必要な4つのステップ

SSAに広告を掲載するために必要な4つのステップを順番に解説していきます。

アカウント作成

まず、Yahoo!広告とLINE Merchant System(LMS)のアカウントを開設します。Yahoo!広告は広告管理ツールからマイクライアントセンター(MCC)アカウント・SSAアカウントを作成しましょう。アカウント作成時は「検索広告(ショッピング)」を選択してください。1つのSSAアカウント内でSSAと商品情報掲載が利用可能です。アカウント作成に伴い、約5営業日ほど審査が行われます。

Yahoo!広告のアカウント開設はこちらから
https://www.lycbiz.com/jp/service/yahoo-ads/

次に、LINEヤフー社の営業担当者へ、アカウント情報を提供します。その後、アカウント発行完了メールが届くのでLINE Business IDを取得し、LMSへのログイン、規約同意の流れとなっています。LMSの利用が可能になるまで約3日間は見ておくとよいでしょう。

商品情報の登録

商品フィードを作成し、LMSから商品情報の受信設定を行います。

  1. 新規掲載情報の登録
  2. 商品フィードの準備
  3. 商品フィードの登録
  4. 商品受信設定

新規掲載情報の商品自体は3日程度で完了しますが、広告主側で行うフィードの準備・登録作業には平均して約1か月程度必要とのことです。

商品情報掲載の設定

LMSとYahoo!広告アカウントを連携し、CVタグの設置完了後、商品情報掲載の配信が開始されます。LMSからアカウント連携申請を行い、Yahoo!広告の広告管理ツールのMCCアカウント内で申請内容を承認後、SSAのCVタグ設置を行います。LINEヤフー社にてCVタグの実績確認に約3日、配信開始作業に3日程度要します。無事掲載が開始されるとLMSからメールが届きます。

SSA配信設定

Yahoo!広告の管理ツールでキャンペーンなどの広告配信設定をし、審査完了後に広告の配信が開始されます。SSAはキーワードの入稿は必要ありません。キャンペーンおよび各グループは下記の内容を設定可能です。

  1. キャンペーン
    1日の予算
    配信設定
    除外キーワード設定
    曜日・時間帯設定
  2. 広告グループ
    配信設定
    除外キーワード設定
    上限入札単価(すべての商品グループ)
    性別・年齢ターゲティング
  3. 商品グループ
    分割する商品属性を設定
    入札価格設定

審査が無事終了すると、広告が配信されます。キャンペーンなどの作成から配信開始まで最大10日かかるとのことです。

商品情報掲載の成果報酬

商品情報掲載は掲載商品にクリックが発生し、最終的に商品が購入された場合に課金が発生します。購入された商品価格に対してカテゴリー別の料率が適用されます。掲載商品のクリックから30日以内がコンバージョン計測期間です。また、クリックされた商品が購入に至ってから45日以内は注文取り消し期間となり、キャンセルなどが起きなければ成果対象となります。なお、同一商品が複数回購入される場合はその都度成果対象となり、商品情報掲載経由のクリックから他の商品が購入された場合は課金が行われません。

成果報酬の料率を決めるカテゴリーは商品登録時にシステムで自動判定されますが、手動で変更することも可能です。具体的な料率については下記の表をご覧ください。

カテゴリー料率
ファッション衣類5.0%
ファッション雑貨
ベビー、キッズ、マタニティ4.0%
食品
ダイエット、健康
化粧品、美容、ヘアケア
DIY、工具
家具、インテリア
キッチン、生活用品
文具、楽器、趣味
ペット用品、生物
スポーツ
アウトドア、釣り、旅行用品
本、雑誌、コミック3.0%
レンタル、各種サービス
ゲーム、おもちゃ
パソコン2.0%
スマホ、タブレット
テレビ、オーディオ、カメラ
家電
自動車、オートバイ、自転車
CD、音楽ソフト、チケット
DVD、映像ソフト
商品情報掲載 利用料金について:https://www.lycbiz.com/sites/default/files/media/jp/terms-and-policies/pdf/yahoo/yahoo_product_showcase_fee.pdf

商品情報掲載・SSAの運用ポイント

商品名と検索クエリの一致率

ユーザーが検索時に、商品情報を理解しやすい商品名であることが大切です。「送料無料」「最安値」「限定価格」などの商品名以外の情報はフィード設定時になるべく取り除くことが望ましいでしょう。

広告のトラッキング

SSAでトラッキングを行う場合、商品フィード項目の「広告用URL」にトラッキング用のURLパラメータの付与を行うか、Yahoo!広告のURLオプション機能の利用が必要です。なお、商品情報掲載で主に利用される商品フィード項目の「商品URL」はトラッキング用のURLパラメータを付与できません。利用を希望する場合、LINEヤフー社の営業担当者に連絡する必要があります。

商品フィードの任意項目の設定

商品フィード設定時に、必須項目以外の設定が推奨されています。特にユーザーがメーカー名やブランド、色などで商品の絞り込み検索などを行う場合、条件設定が商品情報掲載やSSAにも適用されます。

まとめ:高い費用対効果が期待か

2024年1月より配信が開始されたばかりのSSA。日本国内では根強い人気のYahoo! JAPANの検索結果にショッピング広告を表示できるのはEC事業者にとって魅力的なメニューかと思います。記事の公開時点で、まだまだSSAが表示されていないビッグワードがたくさんあることからも、競合が少ない中で高い費用対効果で広告を配信するチャンスかも知れません。

以下、Xでの反応

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