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はじめに
物販系のEC市場は成長が続いており、経済産業省の調査によると、2020年の物販系分野のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模の成長率は前年比21.7%でした。BtoC-EC市場規模の大幅な拡大に伴い、ECサイトを運営してさらなる売上拡大を目指す企業が増えています。そして広告では、Googleショッピング広告やCriteoダイナミックリターゲティング、Facebookダイナミック広告などに代表されるデータフィード広告(以下、フィード広告)の活用も進んでいます。
一方でフィード広告の運用には、一定の課題を持つ企業のECサイト担当者も少なくありません。本記事では、フィード広告の自動改善ツールを提供する筆者より、運用における課題と解決法についてご紹介します。
参考:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省
Googleショッピング広告経由で売れている商品はわずか17%。商品単位の広告最適化が改善のカギ
フィード広告を運用している企業のECサイト担当者からよく聞かれる課題として、フィード広告の数値目標は達成していても「商品別の広告改善まで手が回っていない」「売れ筋商品の対策をしたいが、どのような施策をしたら良いかわからない」「売りたい商品が売れていない」などがあります。このような課題は自社内で広告運用チームがいる企業だけでなく、運用を広告会社に委託している企業からも挙がっています。
また、商品カテゴリや点数が多い企業、広告予算が大きい企業など、大規模なECサイトを運営している企業ほどこのような課題感を持っている傾向があるのです。これらの「商品単位の広告改善」を漠然と課題に感じている企業が実際に対応すべきかどうかについて、筆者としては「広告経由の売上拡大を狙いたいのであればやるべきである」と回答します。
まず、商品単位の広告改善をすべきである理由として、従来のフィード広告で行われがちな「全商品を1つのキャンペーン内に入稿して媒体の最適化に任せる」ことにより、売れる商品が限られているにも関わらず、予算が平等にかかっている点が挙げられます。
例えば、実際に消費者が商品を手に取って買い物ができる実店舗では、商品点数やサイズ・色などのバリエーション数も集客の武器になりますし、店内レイアウトを調整して特定の商品を打ち出してアピールすることもできます。
対してECサイトでは検索性が重視されるため、ユーザーはキーワード検索やSNSなどの口コミを経由して買い物をすることが前提となり、人気商品が売れやすい傾向にあります。ユーザーの購買行動に沿って商品単位で配信強化するなどといった改善をせず、すべてのフィード広告を1キャンペーンで配信をしていると、当然ながら売れない商品の広告も配信され、費用対効果は悪化してしまいます。
当社がGoogleスマートショッピングキャンペーンを利用している50社のデータを独自調査したところ、「平均17%の商品でしかCVが発生していない」という結果が出ており、広告経由で売れる商品はほんの一部であることがわかります。広告予算には限りがある上に、そもそもショッピング広告は購買直前のユーザーに刺さりやすい広告手法です。現状の予算を変えずに広告経由の売上拡大を狙うのであれば、売れ筋商品を中心に広告配信を強化するべきでしょう。

フィード広告の効果を高めるためには、商品単位で予算配分の最適化を行うことが重要です。費用対効果に応じてキャンペーンを分けて広告配信を行い、売れる商品に予算をかけ、売れない・売りたくない商品の予算をおさえるといった調整をかけていく必要があります。これは、Googleも成果を出すために推奨している方法です。
費用対効果に応じたキャンペーン分類と広告配信で、売上約2倍成長
実際に、商品単位での予算調整を行うことでどの程度の売上拡大が見込めるかを、当社がGoogleショッピング広告(スマートショッピングキャンペーンを導入済みのECサイト)にて検証したところ、導入企業の85%以上で広告の費用対効果が改善し、広告予算を増やすことなく広告経由の売上が増加しました。
具体的には、国内に200店舗以上を展開する雑貨ECサイトでは広告経由の売上が2倍以上に成長し、その後も費用対効果を維持しながら徐々に広告予算を増やしたことで、予算規模が当初から4倍まで拡大した例もあります。これらの実例から考えても、EC担当者の課題であるフィード広告の改善には十分な余地があり、対応していく必要があると筆者は考えています。

しかし、商品単位での広告改善の大きなデメリットとして、非常に多くの工数がかかることが挙げられます。「商品単位のデータを抽出→分析→施策を立案→実行して振り返る」という一連の作業が必要となるため、商品点数が500や1,000以上になると、そもそもデータをダウンロードし分析するための加工を施すだけでも一苦労です。さらに、在庫データや顧客データといった広告以外のデータも合わせての分析を定期的に対応するとなると、人力での集計対応は難しいでしょう。そのため、多くのECサイト運営企業や支援会社では、商品単位での分析等は上位10商品まで、など区切りを決めて実施している場合が多いのが現状です。
商品点数の少ないECサイトであれば人力での対応も可能ですし、大手ECサイトなどでは自社内で自動化システムを開発して対応している企業もあります。また、商品点数の多いECサイトを持ち、商品単位のデータの可視化から分析、施策立案、実行までのいずれかのステップで課題を感じている企業であれば、フィード広告の自動最適化を行うツールを導入することもおすすめです。
売れる商品に予算をかけてさらに売上を増やすということは、購入直前のユーザーにアプローチしやすく、販促の役割が強いWeb広告が得意な領域です。またWeb広告は自動化も推進しやすい領域であるため、自動化することで業務負担の軽減も実現できます。広告予算は売れ筋商品の売上最大化にかけつつ、業務の自動化によって浮いた時間は「売れない商品をどう売るか?」などのアプローチを考える時間に費やすと良いでしょう。商品設計やECサイトの商品掲載の改善など、Web広告以外の施策に注力することはCVを獲得する上でも重要です。限られている広告予算を有効に使い、ショッピング広告の自動最適化で購買直前のユーザーに効率よくアプローチすることが売上の最大化を図るポイントです。
まとめ
ECサイトで広告経由の売上増加を目指すには、従来のフィード広告で行われがちな「全商品を1つのキャンペーン内に入稿して媒体の最適化に任せる」という広告配信から「キャンペーンを複数に分け、商品単位で予算を調整する」ことが重要です。しかし、商品単位で予算を調整するには、商品単位のデータ抽出や分析、施策立案、実行をする必要があり、手間と時間がかかるため、単品通販や商品点数の少ないECであれば人力や委託で対応できる場合もありますが、多品種ECであればツール導入による自動化を検討されると良いでしょう。
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