
「指名検索」と聞くと、企業名やサービス名で検索されることを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、「指名検索」は、商品名や型番といった、ECサイトにおいても検索されるとても重要なキーワードなのです。
本記事では、「指名検索」の重要性、そして「指名検索」対策の仕方までご紹介します。
この記事の目次
「指名検索」とは?
まずは、「指名検索」とは何か解説します。指名検索とは、「企業名」「商品名」といった、対象をイメージしながらする検索のことを指します。
企業やサービス認知度との関連性が非常に高いので、ECサイトだけでなく、すべてのサイト担当者がしっかり対策するべきキーワードです。

この図を見ていただくとわかる通り、指名検索と一言でいっても「企業名」「メディア名」「店名」
「商品・サービス名」「商品に関連する検索」「型番」など、多くのキーワードがあることがわかります。

上記の図のように、ユーザーは、正しい企業名で検索するだけではなく、前株や後株を入れずに検索したり、想定していないキーワードでの検索をしたりすることを念頭に置きましょう。
なぜ「指名検索」が超重要なのか
そもそも指名検索がなぜ超重要なのかというと、以下の理由が挙げられます。
- マーケティングにおいて「知られていること」は強い
- 指名検索はCVRが高くコンバージョンしやすい
- 指名検索は順位変動に強く、安定した流入を生み出す
マーケティングにおいて「知られていること」は強い
まず、マーケティングにおいて「知られていること」は、とても”強い”ということです。皆さんも実感されていると思いますが、そもそも知られていなければ、購入や契約の候補にすら上がることはありません。だからこそ、企業は多額の費用を投資してでもCMなどの広告施策を実施するのです。
私たちは、ユーザーがどのように会社を知ったのか、全てを把握することはできません。例えば、友人からの口コミ、SNS、何かを調べているときなど、ユーザー行動はさまざまです。ユーザーがどこで自社に興味を持つかわからない上に、何に興味をもったのか特定するのはとても難しいことなのです。だからこそ、「そもそも会社を知っていること」はすごいし、そこから「検索というアクションまで落とし込まれること」は奇跡ともいえます。
指名検索はCVRが高くコンバージョンしやすい
指名検索を対策することの大きなメリットとしては、「知られている=候補に上がっている」状態になるため、必然的にCVRが高くなるということです。指名検索は、ユーザーの興味の表れであり、購入を検討しているときほど検索されるキーワードといえます。
例えば、「カルモ メンテナンスプラン なし」「カルモくん 試乗」このようなキーワードで検索されている段階では、ユーザーは購入する上で気になっている点を解消しているフェーズです。言い換えれば、気になる点を解消することができれば、購入していただける可能性が高くなるでしょう。
指名検索は順位変動に強く、安定した流入を生み出す
また、指名検索はコアアルゴリズムアップデートなどの順位変動に強い、という特徴もあります。理由は、非指名検索は競合性が高いですが、指名検索は圧倒的な優位性があるためです。また同時に、指名で検索しているので、公式サイトのクリック率が高くなる傾向もあります。
これらの指名検索の重要性を理解していないと、もう少しで購入に至るユーザーが離脱したり、情報が揃っている他社にユーザーが流れてしまったり、ということが起きかねません。メリットを最大限活かすためにも、しっかり対策していきましょう。
「指名検索」対策の仕方
ではここからは、具体的に指名検索の対策方法について説明します。その前に、指名検索だけを増やすことはできない、という点は理解しておきましょう。指名検索を増やすためには、認知がポイントです。

まずは、知ってもらうことを優先し、認知獲得施策を実施します。ただし、単純に知られるのではなく、「知られ方」もとても重要です。「会社名や商品名を聞いてどんなイメージを持つか」この点が、検索に落とし込まれます。名前+イメージに注意して、施策を進めていきましょう。
指名検索対策の手順①「調査」
指名検索の対策手順は、「調査→検討→ページ制作→効果検証」で進めます。まずは、すでに検索されているキーワードを見つけます。キーワードは、Google Search Consoleや、ラッコキーワードといったツールを利用することで、検索キーワードの他にもサジェストキーワードを見つけることができます。

ツール以外には、上記図のように「Googleの検索窓にサービス名などを入力する」、「関連する質問」などからも、サジェストキーワードを知ることができます。他にも、ユーザーが調べそう、知りたいと思う情報がないかしっかりチェックしましょう。例えば、カスタマージャーニーを見直してキーワード分類をしたり、ユーザーヒアリングを実施してみたりすることもおすすめです。もちろん洗い出したキーワードは、リスト化しておきましょう。
指名検索対策の手順②「検討」
調査ができたら、次はどのキーワードを対策するか検討します。検討のポイントは、3つです。
- 他のサイトが1位をとっているページ
- サイトに現在ないものの、情報として必要なページ
- 1位は取っているものの、内容が合っていないページ(★優先度高)
最も優先度高く取り組むべきは、「1位は取っているものの、内容が合っていないページ」です。よくあるケースを4つ紹介します。
- 何でもかんでもサイトのTOPページが出ているケース
- 一見探している情報がありそうだけど、見てみると関係ないケース
- 探しているのは確かにこのページだが、ページ内に情報がない
- 他に最適なページがあるのに、サイト内の違うページが1位に表示される
1の場合は、そもそもサイト内に必要なページが足りていないケースです。ユーザーの検索や知りたいというニーズに合わせて、新規ページを追加しましょう。
2と3に関しては、「それっぽいページが出ているが、そのページに欲しい情報がない」というケースです。情報を加筆することで対応することが可能です。
4の場合は、別ページのタイトルの見直し、内部リンクの調整がおすすめです。noindexやcanonicalを使うことで、他のページの優先度を上げることもできますが、その他のキーワードでの順位が悪化する可能性があるため、最終手段として捉えておきましょう。
指名検索対策の手順③「ページ制作」
続いて、対策キーワードの選定が決まったらページ制作に入ります。このとき大事なことは、「ユーザーの疑問が解消されるページ」になっているかという点を意識しましょう。
例えば、「カルモくん 試乗」の場合、ユーザーの知りたい情報としては以下のことが考えられます。
- 試乗が可能か
- 試乗できる場合、どこで試乗できるのか
- 試乗の条件はあるか
- この車種は試乗できるのか
- 試乗できる場合、どこから申し込めばいいのか
- 試乗できない場合、車を試したり、実際に触れたりする機会はあるのか
ほかに、ECサイトや商品ページであれば、以下のような情報をユーザーは知りたいと思うのではないでしょうか。
「例:KI-NX75(型番)」
- どんな空気清浄機か
- 音はどの程度するのか
- カラー展開はあるのか
- どんな人におすすめなのか
- 加湿機能も付いているのか
- ペットがいても使用可能か
公式サイトの場合、どうしても商品のスペック紹介に偏る傾向があります。もちろん必須の情報ですが、加えてユーザーが選定するときに必要な情報を掲載することが重要です。
指名検索対策の手順④「効果検証」
最後は、ページを制作しただけで満足することなく、しっかり効果検証を実施しましょう。効果検証のチェックポイントを、8つ紹介します。
- 順位:最適なページを作成することで順位が上がったのか
- CTR(クリック率):順位は1位のまま、ユーザーの探している情報を提供することでクリック率が改善されたか
- CVR:情報収集の場合、CVRが変わらないこともある点は留意する
- コールセンターなどへの問い合わせ数の変化:細かな変化も追いたいところ
- PV数:よくある質問のどのページが見られているかなどわかると訴求にも活かせる
- 営業メンバーの意見:お客様に説明するときに使いやすいかなど
- 被リンク数:一次情報のページが増えることになるので、被リンクが増えやすくなる
- 売上、全体的なCV数:直接的な指標ではないが、少しでも影響がないか確認する
単純に作ったページが見られているかだけでなく、指名検索の効果検証をしっかり行うことが、「指名検索」対策成功の秘訣です。
まとめ
本記事では、「指名検索」とは何か、重要性の理解から、具体的な対策の仕方について解説しました。指名検索の幅は広く、サービス名だけではないという点をしっかり理解し、コンバージョンに寄与することが多いキーワードだからこそ、細かく見直し対策しましょう。
指名検索は、ユーザーニーズを満たすページにすることが重要です。マーケティングの集大成ともいえますので、ぜひ自社のサイトを見直してみてください。
指名検索できているかわからない、やってみたけど上手くいかない、どのキーワードから対策すべきかわからない、そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽に当社へお問い合わせください。
DX&マーケティング事業のナイル株式会社
https://nyle.co.jp/
【SEOに役立つコンテンツ】
・SEO、Webマーケティングに役立つブログ「ナイルのSEO相談室」
・Webマーケティングの事例、ノウハウYouTube「ナイルTV/WEBマーケティング相談室」
合わせて読みたい