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【海外ニュース】Temuが欧州4か国で首位に Amazonの物流拡大と利益重視の出店戦略 Googleの商品表示も変化

【海外ニュース】Temuが欧州4か国で首位に Amazonの物流拡大と利益重視の出店戦略 Googleの商品表示も変化

欧州ECでは、Temuの市場拡大やAmazonの越境物流支援が進む一方、出店者の関心は利益率や運営効率に向かっています。今回は、Google検索の商品表示の変化も含め、日本のEC事業者が押さえたい4つのニュースを紹介します。

Temuが欧州4か国で首位 国内ECの競争構造が成長を左右

中国のPDD Holdings傘下のECマーケットプレイスTemuが、クロアチア、フィンランド、ハンガリー、スロベニアの4か国で、EC事業者ランキングの首位に立ちました。ドイツのECデータ分析企業ECDBが公表した2025年のデータに基づく順位です。2023年の欧州進出から、約3年で有力な販売チャネルへ成長したことがうかがえます。

4か国に共通するのは、Amazonの各国専用サイトや、ポーランドのAllegro、オランダのbolのような大規模な国内マーケットプレイスがない点です。ECDBは、海外サイトでの購入に慣れた消費者が多く、国内の競合基盤が比較的弱いことが、Temuの躍進を支えたと説明しています。

フランスを含む8か国でも2位に

Temuはフランス、オーストリア、ブルガリア、チェコ、ギリシャ、ノルウェー、ポルトガル、スロバキアでも2位に入りました。価格の低さと商品の幅広さが強みとされ、地場の競合も多いフランスで上位に入った点は注目されます。一方、ドイツや英国、オランダなどでは上位2位に届かず、既存の大手EC事業者が築いた基盤の強さによって、国ごとの浸透度に差が出ています。

なお、今回の順位には2026年の関税変更の影響は含まれていません。EUでは7月1日から、150ユーロ未満の小口輸入貨物について、同梱された商品の関税分類ごとに3ユーロの暫定関税が導入されています。さらに、別途の取扱手数料も11月1日までに適用が始まる予定で、低価格の越境ECを取り巻く条件は変わりつつあります。

Temuは欧州の倉庫や現地の出店者、配送事業者との連携を広げています。将来的には欧州の注文の80%を現地倉庫から発送する方針で、価格に加えて配送面でも競争力を高めようとしています。

日本の事業者は商品とサービスの違いを明確に

日本のEC事業者にとっては、Temuの成長を一律の価格競争として捉えず、扱う商品や顧客層がどの程度重なるかを確認することが出発点になります。品質を裏付ける説明や購入後のサポートなど、価格以外に選ばれる理由を商品ページで伝えることが対応策の一つです。欧州では物流の現地化も進んでおり、配送の速さだけで差別化できるかも見直す必要があるでしょう。

欧州への販売を検討する場合にも、地域全体を一つの市場として見るのではなく、国ごとの主要モールと消費者の購買習慣を調べたうえで、出店先や訴求を選ぶことが重要になります。同じ商品でも、市場によって競合や買われ方が異なるためです。

参照:Temu ranks first in four European ecommerce markets

AmazonがGWDを欧州5か国へ拡大 生産地近くの在庫を複数市場へ

Amazonは、越境販売を支援する物流サービス「Global Warehousing and Distribution(GWD)」の対象市場を、2026年末までに拡大すると発表しました。欧州ではドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国の5か国が対象となります。日本とカナダも加わり、既存の米国と合わせて計8か国につながる計画です。

GWDは、工場に近いAmazon運営の拠点に商品をまとめて入庫し、そこから複数の販売国に在庫を供給する仕組みです。製造した商品の在庫を国ごとに分けて管理する負担を減らし、一つの在庫群として把握できるようにします。欧州への拡大は、各国の倉庫に個別に商品を送る運用を見直す選択肢になります。

需要に応じて各国へ移送しFBAに補充

例えば、中国・深圳で製造した商品を同市のGWD拠点にまとめて保管し、需要が生じた国へ移す運用が想定されています。販売国に到着した商品は、現地のFBA拠点に送られます。FBAは、Amazonが商品の保管から注文後の出荷・配送などを担うサービスで、GWDはその前段階の保管と国際的な在庫供給を支えます。

Amazonによると、GWDの保管費用は米国の「Amazon Warehousing and Distribution(AWD)」と比べて最大45%低く、FBAへの補充は他の物流サービスと比べて最大5日速くなるとしています。いずれも同社が示す最大値であり、すべての出店者に同じ削減効果が出ることを意味するものではありません。

AWDも、大量の商品を保管してFBAへ自動補充する物流サービスです。GWDが製造拠点に近い場所から複数国への供給を支えるのに対し、AWDは販売先の国・地域での保管と補充を担います。名称は似ていますが、在庫を置く場所と役割を分けて理解すると、利用するサービスを検討しやすくなります。

日本の事業者も販売国ごとの採算確認が重要に

日本のEC事業者にとっては、製造・仕入れから海外での販売まで、在庫をどこに置くかを見直す機会になります。国ごとにあらかじめ在庫を配分すると、ある国では欠品し、別の国では在庫が余ることがあります。共通の在庫から需要に応じて供給できれば、こうした偏りを抑えられる可能性があります。

ただし、保管費の比較だけで利用を判断することはできません。輸送費や関税、FBA関連費用を含めた販売国ごとの採算と、補充に必要な日数を合わせて確認する必要があります。今回の発表は年末までの対象市場拡大の計画であり、実際の対応拠点や利用条件を確認したうえで、自社商品の生産地と販売先に合う物流を選ぶことが求められます。

参照:Amazon will expand GWD to Europe

ECモール出店者が利益率を重視 販路拡大と運営効率の両立へ

ECモール出店者が成功を測る指標として、売上高よりも利益率を重視する傾向が強まっています。モール間の商品・在庫・受注管理を支援するChannelEngineが公表した「Marketplace Seller Trends Report 2026」によるものです。調査は英国、ドイツ、フランス、オランダ、米国の5か国で、EC事業の意思決定に関わる550人を対象に行われました。

回答者の33%が、モールごとの利益率を主要な成功指標に挙げ、指標の中で最多となりました。前年に首位だった売上高は3位に下がっています。販売規模を追うと同時に、それぞれの販路がどれだけ利益を生んでいるかを確かめる姿勢が、調査対象企業の間で強まったといえます。

出店先は増加する一方で優先課題は運営改善へ

販路の拡大自体は続いています。過去1年間で2〜3つのモールを追加した回答者は49%に上り、7つ以上のモールに出店する企業の割合も、前年の34%から39%に増えました。ただし、出店先を増やすことの優先順位は4位から8位に下がっています。TikTok Shopにも55%が国内または海外で出店しており、新しい販路の活用と、既存販路の採算改善を並行して進める状況が見て取れます。

最も多く挙げられた優先課題は「AIによるモール運営の改善」で26%、次いで「収益性の向上」が25%でした。AIを導入中、または導入を検討している企業は計82%ですが、ChannelEngineは、現時点の活用は業務を補助する段階が中心で、運営全体を変えるまでには至っていないと分析しています。

また、約6割の企業では、モール運営が主に手作業、または一部の自動化にとどまっています。AIへの関心が高くても、日常の在庫更新や受注処理などで人手が必要な状態は残っています。同社のジョリット・スタインズCEOは、データの連携と業務の自動化が、販路拡大を利益のある成長につなげるうえで重要だと指摘しています。

日本でも出店先ごとの利益と作業負担を把握

日本でも複数モールを運営する場合には、売上に加え、販売手数料や広告費、配送・返品費用、運営にかかる人件費を含めて、販路ごとの採算を確認することが重要です。売上が伸びても、商品登録や在庫調整の手間が増えれば、利益を圧迫する可能性があります。

新規出店やAI導入を検討する際も、先に作業負担の大きい工程を洗い出すと、投資の目的が明確になります。商品情報や在庫データを整理し、重複入力を減らすなど、日々の運用を改善したうえで、削減できた時間や利益率の変化を確認する進め方が参考になるでしょう。

参照:Marketplace sellers shift focus to profitability

Googleの商品カルーセルが欧州で大幅減少 自然検索からの集客に変化

Google検索で商品画像や価格を横並びに表示する、従来の無料の商品カルーセルが、欧州経済領域(EEA)で大幅に減少しています。EEAはEU加盟国にノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインを加えた地域です。Ecommerce News Europeは、大規模プラットフォームの競争環境を整えるEUのデジタル市場法(DMA)への対応が背景にあると報じています。

商品検索の分析サービスProductriseは、毎日数千の検索キーワードを追跡しています。9月17日の報告では、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、スウェーデンで、商品カルーセルの表示が数日のうちに約90〜100%減ったとしています。この数字は調査対象の検索結果での表示の減少を示し、ECサイトのアクセスや売上が同じ割合で減ったという意味ではありません。

比較サイトを経由する表示へ構成が変化

Productriseの観測では、従来の商品カルーセルに代わり、価格比較サービスを並べた「Comparison Sites」の枠が表示されています。利用者はそこから比較サイトへ進むか、Googleの比較サービスを選び、さらに商品を確認します。商品情報は残っていても、販売店の情報にたどり着くまでの手順が変わっています。

Googleの公式資料も、EEA向けに、比較サイトなどを表示する枠と、小売事業者などを表示する枠を案内しています。また、商品一覧ページの構造化データを使う、サイト単位のカルーセルもベータ版で提供しています。こちらは従来の商品フィードを使った無料の商品枠とは仕組みが異なり、同じサイト内の複数の商品ページへ誘導するものです。

これを踏まえ、Productriseはカテゴリーページの重要性が高まる可能性を指摘しています。検索画面はなお変化しており、流入への影響は今後の確認が必要です。

日本の事業者も検索からの流入先を点検

今回の観測はEEAを対象としたもので、英国、米国、豪州では同様の減少は確認されていません。日本向けの検索への影響を示すデータではありませんが、検索画面の変更によって、これまで獲得していた無料の商品露出が変わり得る点は、EC運営に共通する課題です。

欧州向けに販売する事業者は、対象国で実際に商品名やカテゴリー名を検索し、表示の変化を確認する必要があります。Search Consoleなどでも、商品ページとカテゴリーページを分けて、国別の表示回数やクリック数を見ると、変化を把握しやすくなります。

日本の事業者も、商品データの整備と合わせて、用途や違いを比較しやすい商品一覧ページを充実させることが対策の一つです。検索経由の売上と広告にかかる費用を継続して確認し、自社の集客が特定の表示枠にどの程度依存しているかを把握しておくことが重要です。

参照:Google removes product carousels in Europe

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