EC売上を伸ばす次の一手は「商品力」にあり。日本未上陸ブランドの独占販売でラインナップを強化する方法

コマースピック読者の皆様、こんにちは。株式会社LeaguEです。
EC事業の売上を伸ばすために、広告運用を改善する、SEOに取り組む、商品ページのCVRを上げる、リピーターを増やす――。ECを運営している企業であれば、さまざまな施策に取り組まれているのではないでしょうか。
しかし、こうした「売り方」の改善を続けても、思うように売上が伸びなくなることがあります。そのとき、一度立ち返って考えたいのが、何を売るのかという商品そのものの競争力です。
競合と似た商品を扱っていれば、価格や広告費での競争になりやすくなります。一方で、消費者が欲しいと感じる明確な特徴を持ち、ほかのEC事業者では購入できない商品をラインナップに加えることができれば、それ自体が大きな差別化要因になります。
そこで今回は、EC事業をすでに運営している企業が新たな売上の柱をつくる方法の一つとして、海外で実績を持つ日本未上陸ブランドを発掘し、日本で独占的に販売するという商品戦略についてご紹介します。
武智 翔太郎
株式会社LeaguE 代表取締役
2020年に株式会社LeaguEを創業、海外商品の発掘・独占販売やクラウドファンディングを中心に事業を展開し、200件以上の独占販売権契約を獲得。世界各国の展示会にも参加し、国内外のビジネスを支援。国際貿易の専門資格CITP®|FIBP®を取得。「日本のお客様へ世界中のワクワクする商品を、世界へ日本の素晴らしい商品やサービスを」を掲げ、グローバルビジネスに取り組む。
EC市場が成長する一方、既存商品の延長だけでは成長しづらい
国内のEC市場は現在も拡大を続けています。経済産業省の「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は約26.1兆円となり、前年比で約5.1%増加しています。
市場そのものが拡大していることは、EC事業者にとって大きなチャンスです。しかし、市場が大きくなるほど参入する企業や商品も増えます。
Amazonや楽天市場などで商品を検索すると、似た機能や価格の商品が数多く表示されるカテゴリーも珍しくありません。
そのような環境では、
- 広告費を増やさなければ売れない
- 値下げしないと競合商品に流れてしまう
- 既存商品の売上が頭打ちになっている
- 新しい商品を追加しても、競合との差別化が難しい
といった状況に陥ることがあります。
もちろん、広告運用やCRM、サイト改善などはEC事業に欠かせません。しかし、これらは基本的に今ある商品をどう売るかという改善です。
その一方で、EC事業をさらに成長させるためには売り方だけではなく、次に何を売るのかという商品戦略から考えてみることも重要ではないでしょうか。
ECの成長を左右する「商品力」。次のヒット商品をどう見つけるか
ECではマーケティングの知識や運営ノウハウが注目されがちですが、その前提にあるのが商品です。たとえば、競合とほぼ同じ商品を販売する場合を考えてみましょう。
機能やデザインに大きな違いがなければ、消費者が比較するポイントは価格、レビュー数、配送スピードなどに集約されていきます。そうなると、価格競争や広告競争に巻き込まれやすくなります。
だからといって、差別化された商品を一から自社で企画・開発するのも簡単ではありません。商品企画、設計、試作、製造、品質確認などに費用と時間がかかり、販売を開始するまで市場に受け入れられるかどうかもわかりません。
そこで選択肢の一つとなるのが、海外ですでに販売され、一定の評価を得ている商品に目を向ける方法です。
世界には、日本ではまだほとんど知られていない一方で、海外のクラウドファンディングやEC市場ですでにユーザーから評価されている製品が数多く存在します。ゼロから商品を生み出すのではなく、こうした商品を発掘し、日本市場へ展開するのです。
日本未上陸の商品を「独占販売」するという選択肢
海外商品を仕入れる方法そのものは珍しくありません。しかし、一般的な仕入れだけでは、同じ商品をほかの事業者も販売できるため、最終的に価格競争に陥る可能性があります。
そこでポイントになるのが、日本市場における独占販売権をメーカーから取得することです。
たとえば、
- 海外ですでに販売実績がある
- 日本ではまだ本格展開されていない
- 機能やデザインにわかりやすい特徴がある
- 日本市場でも需要が期待できる
こうした商品を発掘し、メーカーと交渉して日本での独占販売権を取得します。独占販売契約を締結できれば、少なくとも契約の対象範囲において、同じブランドの商品を他社が自由に販売することを防ぎやすくなります。
ECにおける差別化を考えたとき、これは大きな意味を持ちます。商品ページや広告表現だけで競合との差をつくるのではなく、扱っている商品そのものを差別化できるからです。
特に、ガジェットは独占販売と相性の良いジャンルの一つです。海外には「世界最小」「世界最薄」など、短い言葉でも特徴を説明しやすい製品や、日本にはまだ一般的ではない機能を備えた製品があります。
こうした一目で違いがわかる商品はECの商品ページや動画、SNS広告とも相性が良く、商品の魅力をオンライン上で伝えやすい傾向があります。
商品開発をゼロから行わず、新たなラインナップをつくる
日本未上陸商品を活用するもう一つのメリットは、必ずしも商品そのものをゼロから開発する必要がないことです。
一般的な自社商品開発では、
企画
↓
設計
↓
試作
↓
改良
↓
量産
↓
販売
という工程を踏む必要があります。当然ながら、商品が完成するまでの期間や開発費が発生します。
一方、海外ですでに製品化されており販売実績を持つ商品であれば、完成した製品をベースに日本市場への展開を検討できます。もちろん、海外で売れているからといって、日本でも必ず売れるわけではありません。
日本の法規制への対応、認証、表示、取扱説明書、物流、アフターサポートなど、日本で販売するために対応しなければならない項目もあります。だからこそ重要なのは、単純に海外で売れている商品を輸入することではありません。
海外での実績を確認したうえで、日本市場でも需要があるのかを検証してから本格展開することです。
クラウドファンディングを「新商品のテストマーケティング」に活用する
海外ブランドを日本で展開する際、課題になりやすいものの一つが在庫です。
海外メーカーとの独占販売交渉では、一定数量以上の発注を条件として提示されることがあります。しかし、日本市場でどの程度売れるかわからない段階で大量に仕入れることは、EC事業者にとって大きなリスクになります。
そこで活用できるのが、クラウドファンディングなどを利用した先行販売によるテストマーケティングです。クラウドファンディングでは、商品を大量に仕入れて在庫を抱えてから販売するのではなく、まず購入希望者を募り、実際に売れた数量を把握したうえで必要な分を仕入れるという販売設計が可能です。
そのため、通常のEC販売と比較して、販売前に大量の在庫を持つ必要がなく、売れ残りによる不良在庫のリスクを抑えやすいというメリットがあります。さらに、先行販売によって商品代金を受け取った後にメーカーへ発注する形を取ることで、先に確保した売上を仕入れ資金に充てることも可能です。
つまり、
大量に仕入れる
→ 販売する
→ 売れ残れば在庫になる
という従来型の販売ではなく、
先に販売する
→ 売れた数量を確認する
→ 必要な数量を仕入れる
という流れをつくることができます。
これは、新しいブランドや商品を取り扱う際の資金負担・在庫リスクを大きく抑えられる点で、クラウドファンディングを活用する大きなメリットの一つです。
また、先行販売を行うことで、
- どのくらい需要があるのか
- どの価格帯で購入されるのか
- どの機能・ベネフィットへの反応が良いのか
- どの顧客層が購入するのか
といった情報も、本格的に販路を広げる前に確認できます。
つまり、クラウドファンディングは単なる資金調達の場ではありません。無在庫に近い形で需要を確認し、売れた分だけ仕入れ、不良在庫を抑えながら、次のEC展開につなげるための販売テストの場として活用することができます。
反応が良ければ、その後、自社ECやAmazon・楽天市場などのECモール、さらには実店舗や卸売へと展開していくことができます。
最初から大量の在庫を持って全国展開するのではなく、
先に売る
→ 売れた分だけ仕入れる
→ 市場の反応を見る
→ 売れる理由を把握する
→ 販路を拡大する
という順番で進めることで、新商品のラインナップ追加に伴うリスクを抑えながら、次の売上の柱を育てていくことができます。
独占販売は「商品を見つければ終わり」ではない
ここまで読むと、「海外で売れている商品を探し、メーカーから独占販売権を取ればよい」と思われるかもしれません。しかし、実際には商品を見つけるだけでは十分ではありません。
海外ブランドの独占販売を事業として成立させるには、大きく次のような工程が必要になります。
1.商品・ブランドの発掘
海外EC、クラウドファンディング、展示会などから、日本市場で可能性のある商品を探します。
海外で売れているかだけではなく、日本で競合商品がどの程度存在するのか、日本の消費者にとって魅力的な特徴があるのかまで確認する必要があります。
2.メーカーとの交渉
販売地域、独占条件、仕入価格、MOQ(最小注文数量)、契約期間などをメーカーと交渉します。
独占販売の場合、単なる仕入れではなく、なぜ自社に日本市場を任せるべきなのかをメーカーに説明することも必要です。
3.独占販売契約の締結
交渉した内容をもとに契約を締結します。
「日本国内のどのチャネルまで独占対象になるのか、契約継続の条件は何か」といった内容も重要になります。
4.日本市場での需要検証
競合調査や顧客ニーズの分析を行い、必要に応じてクラウドファンディングなどを活用しながら、商品に対する実際の反応を確認します。
5.先行販売・テストマーケティング
商品ページや広告を作り、どの訴求で購入につながるのかを検証します。
ここで得られたデータは、その後のEC販売でも活用できます。
6.自社EC・ECモール・卸などへの販路拡大
販売実績や顧客の反応をもとに、自社EC、Amazon・楽天市場などのECモール、卸売、実店舗などへ販路を広げていきます。
このように、
商品発掘
→ メーカー交渉
→ 独占販売権取得
→ 市場検証
→ テスト販売
→ 販路拡大
までを一つの流れとして設計することが、海外ブランドの独占販売を継続的なEC事業に育てるうえで重要です。
売り方だけでなく、何を売るかからEC戦略を考える
ECの売上を伸ばそうとすると、つい広告、SEO、SNS、CRM、サイト改善などに目が向きます。もちろん、これらの施策は重要です。
ただし、マーケティングの対象となる商品そのものに競争力がなければ、売り方だけで差別化し続けることには限界があります。だからこそ、EC事業をすでに運営している企業ほど、何を売るのかという最上流へ目を向けてみてもよいのではないでしょうか。
今の商品を10%多く売る方法だけを考えるのではなく、新たに売上を生み出せる商品やブランドをラインナップに加える。そして、その方法の一つとして、海外ですでに評価されている日本未上陸ブランドを発掘し、独占販売権を取得して日本市場へ展開するという選択肢があります。
自社商品だけで事業を拡大してきた企業にとっても、既存のEC運営ノウハウや顧客基盤、物流体制などを活用しながら、新たな商品カテゴリーやブランドを追加できる可能性があります。
重要なのはただ海外商品を輸入するのではなく、日本市場で売れる可能性のある商品を見つけ、権利を確保し、小さく検証してから育てていくという視点です。
最後に
海外ブランドの独占販売には商品リサーチだけでなく、海外メーカーとの交渉、契約、市場調査、販売戦略、クラウドファンディング、EC展開など、複数の専門領域が関わります。
すべてを自社で完結できる企業もある一方、海外メーカーとの交渉経験や商品発掘のノウハウが社内になく、最初の一歩が進めにくいケースもあるでしょう。そのような場合には、海外ブランドの日本展開に詳しい専門会社と一緒に進めることも選択肢の一つです。
株式会社LeaguEでは海外ブランド・商品の発掘や海外メーカーとの交渉、日本市場での独占販売・展開など、海外物販に関するご相談を受け付けています。
- 既存のEC事業に、新しい売上の柱となる商品を加えたい
- 自社商品のラインナップを増やしたいが、次に何を扱えばよいかわからない
- 日本未上陸の海外ブランドを扱ってみたい
そのような課題をお持ちのEC事業者様は、一度海外市場にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
お問い合わせはこちら
https://league-jp.com/contact/
株式会社LeaguEについて
株式会社LeaguEは海外ブランド・商品の日本展開をはじめ、EC・クラウドファンディングを活用した商品販売などを支援するマーケティングカンパニーです。
海外メーカーとのネットワークや交渉経験を活かし、日本未上陸商品の発掘や独占販売を通じて、企業の商品ラインナップ拡大や新たな事業づくりを支援しています。
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