AIで商品購入を決めた後、ECサイト移動にネガティブな感情を抱く人は60.5%──メルカート調査

株式会社メルカートは、ECサイトでの商品購入時にChatGPTやGeminiなどのAIを活用して調べたり相談したりする20~60代の消費者400名を対象に、「ECサイト利用時のAI相談に関する調査」を実施しました。調査の結果、AIとの相談で購入したい商品を見つけた後、外部のECサイトへ移って購入する際にネガティブな感情を抱く消費者は60.5%に達し、女性20代では75.0%に上ることが明らかになりました。さらに、AIの回答と実際のECサイトの価格に相違があって混乱した経験がある人は63.0%にのぼっています。価格のズレを「たまにある」と感じる層では、外部サイトへの移動に対するネガティブな感情が76.0%まで上昇することも判明しました。AIによって購入意欲が高まった見込み客が、ECサイトへの"移動の壁"によって失われている実態が浮き彫りになっています。

AIが購買行動の入り口となる時代において、EC事業者はこうした"取りこぼし"をどのように防ぐべきなのでしょうか。本調査の結果から、その実態を紹介します。

調査実施の背景

生成AIの普及に伴い、商品を「検索して選ぶ」行動から、「AIに相談して決める」という新しい購買行動が広がりを見せています。しかしながら、AIとの対話によって購入したい商品が決まったとしても、実際の購入手続きは各ECサイトへ移動して行う必要があるのが現状です。

AIが購買の"入り口"となる一方で、購入の"完了"はECサイト側に委ねられているという構造の中で、AIとECサイトの間に存在する「移動」は、消費者にどのような体験をもたらしているのでしょうか。本調査では、AIで購入したい商品が決まってから実際の購入完了までに生じる不満や障壁を"移動摩擦"と定義し、すでにAIで買い物相談をしている消費者を対象として、AIで商品を決めた後の行動とその実態について調査が実施されました。

調査結果①:AIで決めた後の"移動摩擦"──外部サイトへの移動にネガティブな感情を抱く人は60.5%、女性20代では75.0%

AIとの相談で「これだ」という商品が見つかった後、外部サイト(ECサイト等)へ移動して購入する際の感じ方について尋ねたところ、「スムーズに購入できて満足している」と回答したのは17.8%にとどまりました。その一方で、「改めてECサイトで検索し直したり、ログインしたりするのが非常に面倒だと感じる」(25.0%)、「AIの画面とECサイトの情報の間に差(在庫切れや価格差)がないか不安になる」(21.8%)、「ECサイトへの移動自体が手間に感じ、購入を諦めることがある」(7.5%)、「知らないサイトに移行しなければならず不安を感じる」(6.3%)を合計すると、60.5%がネガティブな感情を抱いていることが明らかになりました。

特に注目すべき点は、「移動自体が手間に感じ、購入を諦めることがある」という人が7.5%存在していることです。AIとの相談によって購入意欲が高まったにもかかわらず、その手前に存在する"移動の壁"が、すでに機会損失を生み出していることが分かります。

AIでの商品探しや比較中に感じるストレスとしても、「AI画面と販売サイトを往復するのが面倒」が30.5%で最も多く、40代では40.0%に達しました。次いで「真偽が不安で、結局自分で調べ直す手間がかかる」が27.5%と続いています。

性年代別に見ると、外部サイト移動へのネガティブな感情は女性20代で75.0%と最も高く、年代別でも20代71.3%、30代66.3%、40代58.8%、50代57.5%、60代48.8%と、若い世代ほど高い結果となっています。デジタルネイティブである若年層ほど、AIとECサイトの間の"分断"を強く感じているといえます。

調査結果②:価格の食い違いが摩擦を増幅──価格ズレが「全くない」層の25.6%に対し、「たまにある」層では76.0%が移動にネガティブ

AIの回答にある価格と、実際の販売サイトの価格が違っていて混乱した経験について尋ねたところ、「よくある」(20.3%)と「たまにある」(42.8%)を合わせて63.0%が価格ズレを経験していました。女性20代では82.5%にのぼります。

さらに、価格ズレの経験と外部サイト移動時の感情をクロス集計すると、価格ズレが「全くない」層でネガティブな感情を抱く人は25.6%にとどまる一方、「あまりない」層で48.6%、「よくある」層で61.7%、「たまにある」層では76.0%と最も高く、価格ズレの経験と移動への不満との間に関連が見られました。「全くない」層(25.6%)と「たまにある」層(76.0%)の差は、約3倍に開いています。

AIの回答と実際の販売情報の"データ不一致"が、ECサイトへの信頼を揺るがし、移動摩擦の高まりと結びついている構図がうかがえます。

調査結果③:AI活用ヘビー層ほど"代行"を求める──「ほぼ毎回」層の積極利用意向は53.8%、ライト層の約3.6倍

買い物(商品探し・比較)にAIを「ほぼ毎回」利用する人は26.5%、「2~3回に1回程度」は35.3%でした。

AIの利用頻度と、AIが「予算」や「好み」を理解して購入手続き(カート投入や決済)まで代行してくれる機能の利用意向をクロス集計すると、「積極的に利用したい」は、利用が「数回程度」の層で15.0%、「2~3回に1回程度」の層で24.1%、「ほぼ毎回」の層では53.8%と、AI活用が深まるほど高まることが分かりました。ヘビー層の積極利用意向は、ライト層の約3.6倍(15.0%に対し53.8%)に達しています。

AIでの買い物体験を重ねた消費者ほど、次のステップである"購入代行"を求めているといえます。つまり、AI活用ヘビー層こそが、エージェント時代のECにおける一次顧客候補です。移動摩擦や価格ズレによってこの層を離脱させることは、EC事業者にとって最も大きな機会損失になる可能性があります。

調査結果④:現実解は"日用品×1万円未満"──「日用品のルーチン購入ならAIに任せたい」が38.5%で最多

では、消費者はどの領域からAIに購買を委ねようとしているのでしょうか。複数のECサイトを巡って最安値や最適解を探すことへの感覚を尋ねると、「趣味の買い物は自分で楽しみ、日用品はAIに任せたい」と考える"使い分け派"が20.8%存在し、20~30代では28.1%にのぼりました。

購入代行機能の利用意向でも、「日用品などのルーチン購入なら利用したい」が38.5%と、選択肢の中で最多となりました。また、AIに「お任せ」で買ってもらっても良いと思う金額の上限は、「3,000円未満」(32.8%)と「10,000円未満」(30.8%)を合わせて63.5%が「1万円未満」と回答しています。

消費者が最初にAIへ委ねようとしているのは、こだわりの少ない日用品を、失敗しても許容できる金額の範囲で買うことであることが分かりました。移動摩擦の解消とAI購買への対応は、まず日用品領域から始まるといえます。

考察:AIが連れてきた顧客を逃さない鍵は、"AIとECサイトの情報一致"

本調査からは、AIとの相談で購入したい商品が決まったとしても、6割がECサイトへの移動にネガティブな感情を抱いており、AIの回答と実際の販売価格の「価格ズレ」がその不満の高さと強く結びついている実態が明らかになりました。AIが生み出した購入意欲が、購入完了に至る"最後の数歩"で失われています。

この移動摩擦の根本にあるのは、AIが参照する情報と、ECサイト側の実売情報の"不一致"です。AIが購買の入り口となる時代にEC事業者へまず求められるのは、価格・在庫といった商品情報を常に正確に保ち、AIに正しく参照させること(LLMO対策)──すなわち、AIとECサイトの間で情報を一致させ続ける体制の構築です。

同社は、SaaS型クラウドECプラットフォームとして、散在する商品・在庫・顧客データを統合し、常に最新かつ一貫した情報をECサイトに反映する基盤を提供しています。

また、「AIの回答の真偽が不安で、結局自分で調べ直す手間がかかる」という声が27.5%にのぼったことが示すとおり、情報の一致とあわせて必要になるのが、購入直前の不安を解消する"信頼の裏付け"です。同社は、実購入者のレビューやビジュアルUGCといった一次情報の提示が有効と考え、ecbeingグループのマイクロサービス「ReviCo」「visumo」との連携により、AI経由の見込み客を逃さないEC体験の構築を支援していくとしています。

調査概要

調査名:ECサイト利用時のAI相談に関する調査

調査方法:インターネットアンケート

調査対象:ECサイトで商品を購入した経験があり、購入の際にAI(ChatGPTやGemini等)で調べたり、相談したりすることがある20~60代の消費者

有効回答数:400名

調査時期:2026年3月18日~19日

※構成比は小数第2位を四捨五入して表記しているため、合計が100%にならない場合があります。

※「ネガティブ計」等の合算値は実数から算出しているため、表示している各成分の和と0.1ポイント程度ずれる場合があります。

メルカートサービス概要

メルカートは、EC構築市場で18年連続シェアNo.1(※1)を獲得する「ecbeing」のノウハウを継承した、中堅・大手企業向けの国産SaaS型クラウドECプラットフォームです。1,600サイト超のEC構築実績で培った機能・運用知見を凝縮し、中堅・大手のEC運用に必要な機能水準と、SaaSならではの導入スピード・コストメリットを両立しています。最大の特長は、散在する顧客・在庫データを統合し、AIエージェントが最適な販売戦略を導き出す「次世代の成長環境」です。AIによる業務効率化と高精度なパーソナライズにより、導入企業の平均売上成長率480%を実現しています。年間240件に及ぶ無料アップデート、サポート満足度97%の伴走支援、業界最高水準のセキュリティを備え、多くの成長企業に選ばれています。

※1 2008~2025年度、EC サイト構築(カスタマイズ型、SaaS/PaaS)市場占有率。2022年度まで富士キメラ総研の過去の調査結果を基に自社推定、2023年度以降は富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場」より

株式会社メルカート 会社概要

商号:株式会社メルカート

代表者:代表取締役社長 渡邉 章公

所在地:〒107-0062 東京都港区南青山2-2-8 南青山DFビル9F

設立:2025年10月

事業内容:ECプラットフォーム事業、ECサイト構築・導入支援

資本金:100,000千円

出典元:株式会社メルカート

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