
Akamai(NASDAQ:AKAM)は、アジア太平洋地域(APAC)において急成長を遂げるコマース経済が、サイバー攻撃者にとって魅力的なターゲットになっているという調査結果を明らかにしました。小売企業やオンライン旅行予約サービス、ホスピタリティ産業がAI技術を活用したショッピング体験や予約システム、顧客サービスの導入を加速していることが、その背景として指摘されています。
同社が公開した最新の「インターネットの現状(SOTI)」セキュリティレポート「エージェント型ストアフロントのセキュリティ確保:コマース業界を狙う攻撃」では、APACにおけるコマース企業を対象としたボットアクティビティが2025年に63%も増加し、世界で最も高い伸び率を記録したことが報告されています。
2025年7月から12月の期間において、APAC全業界で確認されたAIボットトラフィック全体のうち、コマース業界が38%を占めていることが判明しました。この結果は、同地域でAIを活用したコマースが急速に普及しているものの、それに対応するセキュリティ戦略の整備が追いついていない現状を浮き彫りにしています。
※本リリースは2026年7月16日(現地時間)シンガポールで発表されたプレスリリースの抄訳版です。
この記事の目次
エージェント型コマースの進展とセキュリティ課題
APAC地域では、小売企業がエージェント型コマースへの移行を推進しており、ボット技術を活用した高度にパーソナライズされたショッピング体験の提供や、カート離脱率の低減に注力しています。特にAPACではチャットボットの導入が加速している状況です。これは企業が、よりパーソナライズされた顧客体験を通じた差別化を図ろうと競争を繰り広げているためです。
しかしながら、このような状況が、正規の自動処理プロセスと、悪意のあるボット、スクレイピング行為、Credential Stuffing(認証情報の総当たり攻撃)、APIの不正利用などの攻撃を識別することを困難にしています。
旅行・ホスピタリティ業界における脅威の高まり
小売企業が依然として主要な攻撃対象となっている一方で、APACの旅行業界およびホスピタリティ業界も、他地域と比べてより大きな脅威にさらされています。
その要因としては、旅行予約プラットフォームの断片化、デジタルおよびモバイルデバイスの高い普及率、ロイヤルティプログラムの人気上昇、さらに中華圏の春節、日本のゴールデンウィーク、インドのディワリ、年末年始といった地域固有の祝祭日による繁忙期の存在などが挙げられています。
コマースビジネスが決済システム、ロイヤルティプログラム、在庫管理システム、物流および予約プラットフォームなどと連携を深めるにつれて、APIが新たな脅威にさらされるようになっています。特にAPACの旅行業界でこの傾向が顕著であり、コマース業界に対するWeb攻撃全体の22%を旅行業界が占め、その攻撃の25%がAPIを標的としていることが明らかになりました。
アプリケーションレイヤーDDoS攻撃の急増
加えて、APACのコマースビジネスは、アプリケーションレイヤーDDoS攻撃の増加にも直面しています。レイヤー7 DDoS攻撃は2025年において2,600億件から3,610億件へと、39%も増加しました。
APIを標的としたレイヤー7 DDoS攻撃のうち、小売企業が51%を占めており、次いでホスピタリティ業界が28%、旅行業界が21%という結果となっています。
専門家の見解
AkamaiのAPJ地域担当Director of Security Technology and Strategyを務めるReuben Koh氏は、「APACのコマース業界は、AIに対応した、さらに自動化が進んだ未来へと急速に移行しています。企業は生成AIチャットボットやその他のAI駆動型サービスを活用して、体験のパーソナライズ化を進め、顧客の手間を軽減しています」と述べています。
同氏はさらに、「しかし、チャットボットとの対話、予約フロー、ロイヤルティプログラムとの統合が増えるたびに、検知し、理解し、保護しなければならない新しいデジタルサーフェスが発生します。断片化されたプラットフォーム、ロイヤルティプログラムの人気の高まり、繁忙期のトラフィック急増などにより、旅行およびホスピタリティ業界におけるリスクが高まっているAPACでは、これは特に重要な課題です。企業は、顧客に余計な負担をかけることなく、大量の正規の自動化されたアクセスの中に隠された悪意ある意図を識別できるリスクベースの防御を、今こそ実装する必要があります」と指摘しています。
推奨されるセキュリティ対策
コマース企業がAIと自動化の導入を継続的に進める中で、レジリエンス(回復力)をセキュリティ機能だけでなく、ビジネスの重要な取り組みまで拡張することが求められています。具体的には以下の対策が推奨されています。
- 収益チェーンのマッピング:決済、ロイヤルティプログラム、チェックアウト、在庫、パートナー連携をサポートするAPIを継続的に特定し、機密情報がどこで露出する可能性があるかを把握すること
- 自動化をリスクベースで管理:一律に「許可」または「ブロック」の判断をするのではなく、正規の自動化と悪性ボットアクティビティを区別できるリスクベースのアプローチを採用すること
- ピークトラフィック期間への備え:主要なショッピングシーズンおよび旅行繁忙期に先立ち、トラフィックの急増に対するキャパシティを強化し、DDoS対応計画をテストし、偽のストアサイトの出現や認証情報の漏洩を監視し、サイバーセキュリティチームと不正防止チームの連携を強化すること
Akamaiについて
Akamaiは、オンラインビジネスを強化し保護するサイバーセキュリティおよびクラウドコンピューティング企業です。同社の市場をリードするセキュリティソリューション、優れた脅威インテリジェンス、グローバル運用チームによって、あらゆる場所でエンタープライズデータとアプリケーションを保護する多層防御を提供しています。
Akamaiのフルスタック・クラウド・コンピューティング・ソリューションは、世界で最も分散化されたプラットフォームで高いパフォーマンスとコスト効率を実現しています。多くのグローバル企業が、ビジネスの成長に必要な業界最高レベルの信頼性、拡張性、専門知識を提供できるAkamaiに信頼を寄せています。
出典元:Akamai














