
株式会社スポルアップ(東京都調布市、代表取締役:山本慎二郎)が、ECサイトのアクティブユーザー500名を対象に実施した「ECレビュー信頼性に関する深掘り調査2026」の結果を発表しました。同調査は、2026年3月に実施された予備調査(調査対象者数6,000名)の続編として位置付けられており、ECにおけるレビュー信頼性の実態と、ユーザー属性による信頼根拠の違いを詳細に分析した最新の調査研究となっています。
この記事の目次
調査結果の主要ポイント
今回の調査で明らかになった主要な結果は以下の通りです。
- レビューが「サクラ」または「操作されている」と疑った経験を持つ人の割合は75.6%
- レビューへの不信感によって購入を断念した経験を持つ人の割合は65.4%
- 不信の理由として「評価が星5ばかり」を挙げた回答が64.8%で最多
- 信頼できるレビューの特徴として「否定的内容も含む詳細レビュー」を挙げた人が74.6%でトップ
特に注目すべき点として、高所得層と低所得層では信頼の判断基準が大きく異なる傾向が確認されました。写真付きレビューの信頼度では+27.5ポイントの差が、ショップからの返信に対する信頼度では-28.9ポイントの差が観測されています。
予備調査においては「購入前にレビューを確認する」と答えた人が82.0%に達していましたが、本調査ではその背景に深刻な不信感が広がっている実態が浮き彫りになりました。さらに、9つの軸による属性クロス分析を通じて、レビューに対する信頼の根拠が年代・経済階層・職業によって異なる方向性を示していることが判明しています。
調査実施概要
- 調査名称:ECレビュー信頼性に関する深掘り調査2026
- 調査手法:インターネットによる調査
- 調査対象:全国のECアクティブユーザー(男女)
- 有効回答数:500名(男性250名/女性250名)
- 調査実施期間:2026年4月30日
- 調査実施主体:株式会社スポルアップ Research Division
- 補助参照データ:EC利用実態調査2026(予備調査、調査対象者数6,000名、2026年3月実施)
「見ているが信じていない」レビュー確認率82%の実態
同社が2026年3月に実施した予備調査(調査対象者数6,000名)においては、購入前にレビューを「ほぼ確認する」と回答した人が82.0%に達しており、レビューが現代のEC購買における重要な意思決定要素であることが確認されていました。
しかしながら、本調査でECアクティブユーザーに詳しく尋ねたところ、「レビューが『サクラかもしれない』『操作されているかもしれない』と疑ったことがある」と回答した人は75.6%に上りました。さらに、「レビューへの不信感によって購入を断念した経験」を持つ人は65.4%にも達しています。
ほぼ全員がレビューを「見ている」一方で、ほぼ全員がレビューを「疑っている」という二面的な構造が、本調査によって明確に可視化される結果となりました。
サクラと判定される要因の分析

同社が2026年3月に実施した予備調査(調査対象者数6,000名)では、購入前にレビューを「ほぼ確認する」と回答した人が82.0%に上り、レビューが現代のEC購買における主要な意思決定材料であることが確認されました。
しかし、本調査でECアクティブユーザーに詳しく質問したところ、「レビューが『サクラかもしれない』『操作されているかもしれない』と疑ったことがある」と答えた人は75.6%となりました。加えて、「レビューへの不信感から購入を断念した経験」を持つ人は65.4%に達しています。
ほぼ全員がレビューを「見ている」反面、ほぼ全員がレビューを「疑っている」という構造が、本調査を通じて可視化されました。
レビューへの不信感が購買行動に与える影響


「レビューへの不信感によって購入をやめた経験がある」と答えた人は全体の65.4%(男性62.8%/女性68.0%)となっています。3人に2人が、不信を理由として購入を断念した経験を有しています。
また、「レビューを確認せずに購入することがあるか」という質問では、男女で顕著な違いが観察されました。
- 「ほぼ必ず確認する」と回答:全体47.2%(男性40.4%/女性54.0%)
- 「よくある(信頼できるブランドなら未確認)」と回答:全体18.8%(男性24.8%/女性12.8%)
疑念を持つ割合自体には性差がほとんど見られないものの、その対処方法には差異があります。男性は「信頼できるブランドへの依存」で確認をスキップする傾向があり、女性は「毎回精査する」傾向が見られました。
経済階層によって異なる信頼根拠
本調査の9軸によるクロス分析では、世帯年収の軸において有意差が93件(全体の42%)観測され、レビュー信頼の構造に経済階層が大きな影響を及ぼしていることが明らかになりました。
年代別分析:20代の疑念率がピークに

年代別に「サクラを疑った経験がよくある」と答えた割合を見ると、20代が38.5%(全体比+14.5ポイント)でピークとなり、60代以上が18.0%(全体比-6.0ポイント)で最低となりました。若年層ほどレビューの作為性に対して敏感である一方、60代以上は「ほぼ必ず確認する」割合も33.3%と最低であり、検証行動自体が少ない傾向が確認されています。
世帯年収別分析:500万円から600万円層で離脱率が突出

「不信から購入を断念した経験」を世帯年収別に分析すると、以下のような分布となりました。
- 100万円未満:46.9%(全体比-18.5ポイント)
- 500万円から600万円:79.0%(全体比+13.6ポイント)
- 1000万円から1200万円:72.2%
消費の中核を担うボリュームゾーン(500万円から600万円)において離脱率が最も高く、レビューへの不信がコンバージョン率の低下に直結する層であることが示されています。
信頼の手がかりは経済階層で逆方向に

「信頼できるレビューの特徴」を世帯年収別に分析したところ、低所得層と高所得層で正反対の傾向が観察されました。
| 信頼の根拠 | 低所得層 n=40(100万円から200万円) | 高所得層 n=36(1000万円から1200万円) | 差分 |
|---|---|---|---|
| 写真・動画付き | 47.5% | 75.0% | +27.5pt |
| ショップからの返信あり | 40.0% | 11.1% | -28.9pt |
低所得層は「店舗との対話の有無(関係性)」を信頼判断の材料にする傾向があり、高所得層は「商品そのものの可視化(物的証拠)」を信頼判断の材料にする傾向が見られます。同じく「レビューを重視する」ユーザーであっても、注目しているポイントが大きく異なっていることが判明しました。
職業別分析:4タイプの対処スタイル

職業別に「疑念率」と「確認徹底率」を比較したところ、4つの対処スタイルが明らかになりました。
- 守りの消費型(パート・アルバイト):疑念率81.6% × 確認率63.3%
- 家計管理型(専業主婦):疑念率73.2% × 確認率56.3%
- 自己判断型(自営業):疑念率80.0% × 確認率31.4%
- 低関与型(無職):疑念率71.4% × 確認率41.4%
また、業種別では製造業従事者(調査対象者数66名)の疑念率が37.9%(全体比+13.9ポイント)と最高値を示し、品質判定に関する職業観がレビュー判定に反映されている可能性が示唆されました。
分析結果:「信頼の3階層」モデル

本調査の結果から、レビュー信頼の構造は次の3階層で整理することができます。
- 共通基盤:否定的内容を含む詳細レビュー(全体の74.6%が支持)
- 物証層:写真・動画付きレビュー(高所得層・若年層に強く作用)
- 関係層:ショップからの返信・対応(低所得層・シニア層に強く作用)
「共通基盤」を整備した上で、ターゲット層に応じて「物証層」「関係層」のいずれに重点的に投資するかを設計することが、レビューを「信じてもらう」ための鍵となります。
「星5偏重」「定型的なレビュー」など、これまで信頼向上の定石とされてきた要素が、本調査では逆に疑念のトリガーとして機能していることも明らかになりました。レビュー設計は「量を集める」段階から「信頼される構造を設計する」段階へと進化したと言えます。
今後への示唆
本調査結果は、EC事業者にとって以下の3つの観点を示唆しています。
- 評価分布の可視化:星5偏重を是正し、星4以下のレビューにも導線を設ける必要があります。
- ネガティブレビューの残置:否定的内容も含む詳細レビューが信頼の最大の基盤となります。
- セグメント別の使い分け:高所得層・若年層には写真動画によるユーザー生成コンテンツ、低所得層・シニア層にはショップからの返信運用が有効です。
EC市場の競争環境が成熟期に入り、レビューの量や星評価の平均値だけでは差別化が困難になっています。本調査が示すのは、消費者がすでに「量」「平均値」を信用しなくなっているという事実であり、その先にある「信頼の根拠」が属性によって異なる方向に分岐しているという構造です。
会社概要
会社名:株式会社スポルアップ
所在地:東京都調布市
代表者:山本慎二郎
設立:2017年
事業内容:EC運営、アフィリエイトマーケティング、イベント企画、AIプロダクトの開発・運営
出典元:株式会社スポルアップ












