
株式会社アト(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長CEO:奈須田 洋平)が、20代から60代までの男女を対象として「広告への印象や行動変容」に関する実態調査を実施しました。
この調査では、日常的に触れる広告に対する生活者の印象や、実際の購買行動に結びつく媒体の傾向などが明らかになりました。
昨今、スマートフォンの普及に加えてデジタル技術が進化したことにより、私たちは毎日非常に多くの広告情報に接するようになりました。
しかしながら、情報量が増えるにつれて、「自分には合わない広告」や「何度も繰り返し表示される広告」に対して、ストレスを感じてしまう生活者も増加しているようです。
企業が効果的に商品やサービスを届けるには、デジタル広告における「不快感の境界線」を見極めながら、情報の「信頼度」や実際の「購買行動」につながる媒体を、どのように選択し使い分けていくべきなのでしょうか。
そこで株式会社アトでは、20代から60代までの男女を対象として、「広告への印象や行動変容」に関する実態調査を行いました。
調査概要:「広告への印象や行動変容」に関する調査
【調査期間】2026年3月30日(月)から2026年3月31日(火)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,019人
【調査対象】調査回答時に20代から60代の男女と回答したモニター
【調査元】株式会社アト
【モニター提供元】サクリサ
広告の「不快感」が発生する境界線と受け入れられる理由について、メディア別のストレス要因を調査
1日の中で同一の広告をどれくらいの頻度で見ると、受け手は不快感を感じるようになるのでしょうか。
「同じブランドやサービスの広告に対して、どれくらいの頻度で目にすると、不快(しつこい、嫌悪感がある)と感じ始めるか」という質問をしたところ、『1日に2から3回(34.7%)』という回答が最も多く、次いで『1日に4回以上(21.3%)』『1日に1回(10.6%)』という結果になりました。
『1日に2から3回』と『1日に4回以上』を合計した「1日に複数回」で不快感を抱く人は半数以上を占めていました。
さらに、『1日に1回』から不快に感じる層まで含めると全体の約7割に達しており、同一の広告が何度も表示されることに対して、多くの人がストレスや嫌悪感を感じやすいことが明らかになりました。
それでは、どのような媒体の広告やPRに対して不快と感じやすいのでしょうか。

「それぞれの広告・PRについて、『不快・しつこい・邪魔だ』と感じる程度」を質問したところ、各項目に対する回答は上記のような結果になりました。
バナー広告やYouTube動画広告、SNSタイムライン広告といった「デジタル広告」に関して、それぞれ約8割が「非常に不快」もしくは「やや不快」と回答しています。
「オフライン広告」の中では、ダイレクトメールやポスティングチラシのように、個人の手元に直接届く媒体に不快感を覚える方もいる一方で、街頭ビジョンや雑誌・新聞などの媒体は不快感が比較的低くなっており、同じオフラインでも性質によって明確な差異が見られます。
全体的に、デジタル広告はユーザーの視界に直接割り込む性質が強いため、ネガティブな感情を引き起こしやすいと考えられます。
オンライン広告のどのような要素がストレスの原因になっているのでしょうか。

オンライン広告のうち1つでも『非常に不快』『やや不快』と回答した方に、「オンライン広告(SNSやサイトバナー広告)を『不快』と感じる、または『読み飛ばしたい』と思う理由は何か」を質問したところ、『コンテンツの閲覧を中断(邪魔)される(70.3%)』という回答が最も多く、次いで『同じ広告が何度も繰り返し表示される(しつこい)(54.2%)』『画面を占有して操作しづらい(53.2%)』という結果になりました。
ユーザーが視聴している「コンテンツの閲覧を中断」されたり、「同じ広告が何度も表示」されたり、「画面を占有して操作がしにくい」ことに対して、ストレスを感じている状況が明らかになりました。
ユーザーのペースや意思が尊重されない一方的な情報提示が、オンライン広告に対する不快感の要因となっているようです。
一方で、オンライン広告に対して不快感を抱かない方は、どのような理由があるのでしょうか。
オンライン広告のうち1つでも『あまり不快ではない』『全く不快ではない』と回答した方に「オンライン広告(SNSやサイトバナー広告)に対して、『不快に感じない』または『役に立つ』と感じるのはなぜか」を質問したところ、『無料コンテンツを楽しむための「対価」として納得している(40.8%)』という回答が最も多く、次いで『期間限定の割引クーポンやキャンペーン情報が得られる(24.3%)』『興味が高い商品やサービスの広告が表示されやすい(24.2%)』という結果になりました。
『無料コンテンツを楽しむための「対価」として納得している』という声が最も多いものの、『期間限定の割引クーポンやキャンペーン情報が得られる』や『興味が高い商品やサービスの広告が表示されやすい』といった、ユーザー側にとって直接的なメリットがある場合にも、広告は肯定的に受け入れられやすいことがわかりました。
それでは、オフライン広告に対してはどのような点が不快に感じられているのでしょうか。

オフライン広告のうち1つでも『非常に不快』『やや不快』と回答した方に「オフライン広告(チラシやサイネージ)を『不快』と感じる、または『すぐに捨てたい』と思う理由は何か」を質問したところ、『自分に全く関係のない情報が入っている(63.8%)』という回答が最も多く、次いで『ポストがいっぱいになって片付けるのが手間(45.7%)』『紙の廃棄が環境に悪い(エコではない)と感じる(45.0%)』という結果になりました。
自分に無関係な情報が届くことや、ポストの中身を片付ける手間、さらには紙を廃棄することに対する環境への配慮などが、オフライン広告を不快に感じたり、すぐに処分したくなる要因になっているようです。
オフライン広告に肯定的な印象を持つ方には、どのような理由があるのでしょうか。
オフライン広告のうち1つでも『あまり不快ではない』『全く不快ではない』と回答した方に、「オフライン広告(チラシやサイネージ)を『不快に感じない』または『役に立つ』と感じるのはなぜか」を質問したところ、『興味があるものを好きなタイミングで見ることができる(33.2%)』という回答が最も多く、次いで『クーポンや割引券、サンプルがついている(31.6%)』『自分の居住エリア(地元)の役立つ情報が載っている(30.2%)』という結果になりました。
「好きなタイミングで見られる」といった自分のペースで確認できる利便性と、「クーポンや割引券」「自分の居住エリアの役立つ情報」といった日々の暮らしに直結する実用性の両面が、オフライン広告への肯定的な印象につながっていると示唆されました。
広告が記憶に残るカギは「オン・オフの併用」、生活密着サービスでは6割以上がオフライン広告をきっかけに検討・来店
回答者は、デジタルと紙の「情報」に対して、どのようなイメージの違いを持っているのでしょうか。

「サービス名や内容に関して、どんな広告が記憶や印象に残りやすいか」を質問したところ、下記のような回答結果となりました。
『オフライン広告(チラシやサイネージ)で見かける(18.4%)』
『オンライン広告とオフライン広告のどちらでも見かける(27.9%)』
『オンライン広告(SNSやサイトバナー広告)で見かける(15.4%)』
『広告では記憶や印象に残らない(38.3%)』
媒体別に見ると、「オンライン広告」や「オフライン広告」といった単一のメディアで見かけるよりも、「オンラインとオフラインの両方で見かける」広告が最も記憶に残りやすい傾向が示されました。
単一のメディアに依存するのではなく、デジタルとリアルの両面から接点を持つことが、情報過多の中で生活者の記憶に残るためのひとつの手がかりになりそうです。
実際の購買や検討といった行動変容を起こすには、媒体ごとにどのような違いがあるのでしょうか。

「オフライン(チラシや看板)とオンライン(SNSやサイト)、それぞれどちらがきっかけで検討・購入・来店がしやすいですか」と質問したところ、各項目で『オフライン(チラシや看板)』と回答した方は下記のような割合となりました。
『スーパー・ドラッグストア・ホームセンター(65.5%)』
『暮らしのサービス(不用品回収、水道修理、家事代行、庭木手入れ)(61.2%)』
『学習塾・子ども向けの習い事・資格スクール(60.1%)』
『不動産(マンション・戸建の売買、賃貸、リフォーム)(58.3%)』
『飲食店(56.1%)』
『求人情報・行政広報・地域イベント(52.1%)』
『フードデリバリー(52.0%)』
『美容院・エステ・フィットネスジム・マッサージ・ネイルサロン(49.6%)』
『金融・保険・資産運用・専門家相談の案内(45.3%)』
『ECショップ(31.7%)』
『スーパー・ドラッグストア・ホームセンター』や「暮らしのサービス」など、地域に密着した日常的なサービスにおいては、6割以上が「オフライン(チラシや看板)」をきっかけに検討や購入、来店をしやすいと回答しました。
生活圏と直結する情報は、物理的に手元に届く紙媒体などの方が目に留まりやすく、実際の行動につながりやすいと考えられます。
一方で、『ECショップ』や「金融・保険」といった、商圏が広く情報の比較検討が重視されるサービスにおいては、「オフライン」の割合が半数を下回り、「オンライン(SNSやサイト)」がきっかけになりやすい傾向がうかがえます。
商材の特性や、ターゲットがどのようなプロセスで購買・来店に至るかに応じて、オフラインとオンラインのメディアを適切に使い分けることが重要です。

最後に、「広告における『情報の性質』について、デジタルと紙でどのようなイメージを持っていますか」と各項目別に質問したところ、各項目で『紙媒体の方が強い』『やや紙媒体の方が強い』と回答した割合は下記のようになりました。
発信元や情報への信頼度
『紙媒体の方が強い(22.7%)』
『やや紙媒体の方が強い(49.3%)』
情報の正確さ
『紙媒体の方が強い(23.3%)』
『やや紙媒体の方が強い(45.8%)』
保存・保管のしやすさ
『紙媒体の方が強い(21.7%)』
『やや紙媒体の方が強い(34.5%)』
情報の最新性
『紙媒体の方が強い(11.6%)』
『やや紙媒体の方が強い(24.6%)』
パーソナライズ化された情報
『紙媒体の方が強い(11.1%)』
『やや紙媒体の方が強い(22.4%)』
「信頼度」「正確さ」では約7割、「保存・保管のしやすさ」では半数以上が紙媒体を優位と回答しています。
一方で、「情報の最新性」や「パーソナライズ化された情報」において紙媒体を優位とする声は約3割にとどまり、デジタルが優位となっており、媒体に対するイメージの違いが表れています。
手軽に発信できるデジタル広告に対し、物理的に手元に残る紙媒体には「確実な情報」としての安心感があると考えられます。
こうした情報の性質に対する認識の違いが、行動変容におけるメディアの使い分けに影響しているとうかがえます。
まとめ、広告の「不快感」を避け、信頼と行動を生む最適なアプローチとは
今回の調査で、現代の生活者が抱く広告への印象と、実際の行動につながる要因には、媒体ごとに異なる傾向があることが明らかになりました。
デジタル広告は「1日に複数回」表示されたり、視界に直接割り込んで閲覧を邪魔したりする仕様が強いストレスを与え、それぞれ約8割が不快感を抱いています。
しかし、「無料コンテンツの対価」や実利があれば受け入れられやすい側面も持っています。
対照的に、オフライン広告は、受け手が好きなタイミングで確認できる利便性が評価されています。
一方で、ダイレクトメールやポスティングなど手元に直接届く媒体においては、自分に関係のない情報が届くミスマッチや処分の手間、環境への配慮が不快感に直結するという課題も浮き彫りになりました。
また、媒体が持つ情報の性質を見ると、デジタルは「最新性」や「パーソナライズ」で評価される一方、紙媒体は「信頼度」や「正確さ」において約7割が優位と答え、「確実な情報」としての安心感を持たれています。
実際の行動変容においても、地域密着型サービスは6割以上がオフライン広告をきっかけに行動するのに対し、ECなどの比較検討が必要なサービスはオンラインがきっかけになりやすいという明確な違いが示されました。
さらに、印象に残りやすい広告として「オン・オフ両方で見かける」ことが最も高い割合となった点も、単一メディアに依存しない接点づくりの重要性を示唆しています。
これからの広告戦略においては、ただ表示回数を増やすのではなく、受け手の心理的負担を考慮した「見せ方」の設計が求められます。
最新情報のリーチや比較検討にはデジタルの利便性を活かしつつ、手元に残る確実な情報が求められる地域密着型の行動喚起にはオフライン広告を活用するなど、商材の特性や情報の性質に応じたメディアの使い分けが、企業と顧客のより良い関係構築につながるといえそうです。
出典元:株式会社アト











