
コマースピック読者の皆様、はじめまして。株式会社Kiva代表取締役の野尻です。弊社は全てのEC事業者様がAppleCare+のような延長保証を提供できるようになる「proteger(プロテジャー)」というサービスを運営しています。
2021年9月には Shopify延長保証アプリ「proteger」をリリースし、現在多くのShopifyユーザー様にお問い合わせ、ご導入をいただいております。
今回は、ECサイトにおいて売上を底上げする際に大切になってくるアフターサービスにフォーカスを当ててお話しさせていただきます。
アフターサービスに対しての取り組みの現状と課題
多種多様な業務を兼任しながら少数でECを運営されているのが業界の実態だと思います。複数モールや自社ECサイトの受発注管理、倉庫とのやりとり、カスタマーサポートや広告運用、クリエイティブ作成など。日々そのPDCAを高速で回している中でアフターサービスはどこか置き去りになっている事業者様も多いのではないでしょうか。
「アフターサービスはもっと売上が上がってきたら取り組もう」などと目の前のお客様を大切にできなければ、ECの売上は積み上がっていきません。それは例えるなら、穴の空いたバケツに水を入れるようなものです。
購入後におけるアフターサービスの重要性
ECサイトでは購入前だけでなく、購入後の顧客対応や、アフターフォロー・アフターサポートも重要です。昨今、広告における獲得単価は上昇し、ユーザーの新規獲得効率は低下し続けています。そんな中で細かな気遣いがECサイトの売上増加の明暗を分けます。実際にアフターサービスを改善することによって以下のような副次的な効果が生まれます。
CVRの向上
・レビュー評価が高くなり、新規顧客の購入に間接的に繋がる
・アフターフォローやアフターサポートがあることで安心して購入できる
自社ECサイトにおけるレビュー収集は重要です。アフターサービスがあることで、お客様の不安や悩みが解消され、良いレビューが生まれやすくなります。そのレビューが次の売上と転換されるのです。
リピート率やロイヤリティの向上
・メルマガなどで接点を持ち続けることで新商品の購入に繋がる
アフターサービスによってF1層の獲得にもF2以降のユーザー獲得にも起因します。
購入後のアフターフォロー・アフターサポート
今回は購入後のアフターサービスに関して特に返品と保証・修理について事例を交えてお話しします。
返品
ECサイトにおいてクーリングオフ制度はないものの、返品ポリシーに明記をしない限り、購入後8日以内であれば購入者が費用を負担することで返品ができるようになっています。アメリカでは返品率は約40%といわれ、日本では返品率は約5%といわれています。
返品ポリシーの策定やカスタマーサポートのマニュアルの共有、アップデートはお客様を困らせないためにも、自社での再現性を上げるためにも大切なものになってきますので時間をかけて作りましょう。
返品のしやすさを謳うことで、購入に繋げて成功している事業者様としては、ロコンドなどがあげられます。実店舗と違いECサイトで購入すると、自分が思ったものと違うということはどうしても起きてしまいがちです。そんな時に返品のしやすさはとても大切になってきます。
返品においての顧客体験は今までとてもレガシーなものでありました。しかし、ここ数年で返品を素晴らしい体験に変える事例が出てきています。「Tracksmith」というブランドは、アメリカの「Retunly」というサービスを使って、返品された際に返金するのではなく、ECサイト内で使えるクレジット(お金)を付与することで、顧客単価が返品前より平均で6.56ドルほど上昇しています。
特にアパレル商品などでは、顧客のもとに商品が届いたときに思ったものと違ったというケースでの返品が多くを占めています。ですので、顧客は迅速な返品プロセスがあれば返金よりもまた顧客は再購入に転ずるケースが多いのです。顧客にとっては自分の気に入るものを買うことができ、事業者様にとっても一度獲得した顧客を返品の煩雑さで失うことなく売上に繋げることができている事例といえます。
保証・修理
多くのECサイトでは初期不良期間やメーカー保証期間を設けていることが多いです。修理対応を行っている事業者様では、まずお客様に対して画像などを送付してもらいながら商品の状況をヒアリングします。そして事前に修理対応の見積もりをお客様に出して、納得をしていただければ商品を販売元へ送り修理となります。事業者様にもよりますが、大体このやりとりで修理においては1週間〜3週間ほどかかります。
保証においてもメーカー保証期間中に製造上の過程などで発生する故障であれば、無償で交換対応を行う事業者様は多いです。しかしながら昨今の環境問題やいいものを長く使いたいというお客様の想いから、商品の保証期間を延長して顧客へのアフターサービスの充実を図れるサービスが出てきています。
家電商品などであれば通常1年の保証をつけることが多いですが、アメリカの「Extend」という延長保証サービスを導入している「1MORE」というブランドでは、延長保証があることによって14.6%の保証加入率を誇り、延長保証がある安心感をお客様に提供することにより、全体の売上高が2.3%向上するという結果に繋がっています。
延長保証が新規購入の障壁を和らげ売上高の向上に繋がっていることがわかります。これまで延長保証は上位1%の事業者様しか提供できないハードルの高いものでしたが、こうやって簡単に延長保証を始められるソリューションが出てきています。お客様にとっても気に入ったものを気に入る期間まで安心して使えますし、事業者様にとっては購入のハードルを和らげることができるので、商材がフィットしていれば導入しない理由はありません。
ここまでに返品と保証・修理についてご紹介させていただきましたが、電話でのアフターコールやお客様に対して使い方などを記述したメルマガや手紙を送るなど、アフターサービスでできることは多岐にわたります。皆さんのビジネスの形態に合わせてアフターサービスの施策については選択をして実践していくといいでしょう。
最後に
ECサイトを立ち上げるときに集客の方ばかりに目がいってしまいます。もちろん最初に取り掛かるのは集客だと思います。ですが、ECサイトである程度ものが売れ始めてきたら新規顧客だけを獲得し続けるのは厳しくなってきます。そんなときにアフターサービスを強化することで、顧客満足度は高まり、それが顧客のロイヤリティ醸成にも繋がります。
今回は「購入後における接客の重要性」という内容をお伝えしました。「お客様に購入への安心感を与えたい」「延長保証でアフターサービスを拡充させたい」などこれから延長保証を検討される方に弊社の延長保証アプリ「proteger」がお役に立てるかもしれません。弊社ではエンジニアのカスタマーサポートが導入サポートまで行っていますのでお気軽にご連絡ください。
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