
「LINEの友だち数は順調に増えている。なのに、売上が比例して伸びていかない……」
「配信を頑張れば頑張るほど、ブロック数だけが増えていく気がする……」
ECサイトのLINE運用担当者の方から、このようなお悩みを非常によく伺います。実は、友だち数という「数」だけを追い求める運用は、かえって配信コストを増大させ、利益を圧迫するリスクが潜んでいます。
大切なのは、「数」から「質(エンゲージメント)」への転換です。
今回は、自社のLINE運用状況を客観的に把握するためのチェックシートを用意しました。現状の課題を明確にし、明日から取り組むべき具体的なアクションプランをたてていきましょう。
福田 達也
株式会社Mico
プロダクト統括本部
ソリューションデリバリー
LINEマーケティングプラットフォーム「Mico Engage AI」にて、EC業界に特化した運用支援を担当。戦略立案から施策実行まで一貫し、売上・利益創出に貢献。現在は、運用実績で得た知見を活かし、プロダクト開発部門でシステムの進化をリード。個人活動としてSNS・SEOコンサルも手掛け、顧客コミュニケーション最適化の専門知識を持つ。
Mico Engage AI:https://mico-inc.com/engage/
この記事の目次
運用の目的・KPI設定の適切性チェック
まず、皆さんが日々追いかけている指標を振り返ってみましょう。もし、KPIが「友だち数」だけになっているとしたら、見直す必要があるかもしれません。
EC事業におけるLINE運用で、売上に直結する真のKPIは以下の3点です。
- ブロック率:配信内容がユーザーの期待と乖離していないか?
- CV(コンバージョン)数:配信から何件の購入が発生したか?
- LTV(顧客生涯価値):LINEを通じてリピート購入が促進されているか?
「友だち1万人に対して一斉配信をして10件の購入(CV)」を得るよりも、「セグメントした1,000人に配信して10件の購入」を得るほうが、配信コスト効率は10分の1となり、利益率が高くなります。
5問で振り返る『LINE運用診断チェックリスト』
LINE運用の診断チェックリストです。以下の5つの質問に対し、自社の運用が「はい」か「いいえ」で回答してみてください。本記事で解説していきます。

- 【Q1】友だち数:友だち追加を促すための施策を行っていますか?
- 【Q2】新規集客:友だち追加してくれたお客様に、すぐ利用したくなるような「お得なメッセージやクーポン」を送っていますか?
- 【Q3】顧客体験:LINEのトーク画面下にある「リッチメニュー」は、お客様が使いやすいように工夫して設定していますか?
- 【Q4】リピーター獲得:LINE上でスタンプカードや会員証、クーポン配信を実施していますか?
- 【Q5】反応率向上/ブロック率低下:一斉配信で送るメッセージを、ユーザーの属性や興味関心に合わせて内容を変えて送ることができていますか?
徹底診断!LINE運用課題と改善アクション
それでは、チェックシートの結果に基づき、現在の課題と、売上を最大化するために明日から着手すべき具体的なアクションプランを解説します。
Q1. 友だち数への取り組み:「数」の次は「質」を追求する
友だち数はLINE運用の「分母」として重要ですが、ある程度集まったら「数」から「質」への転換が必要です。もし、まだ獲得流入経路が少ないと回答した場合は、Webサイトへのバナー設置、店頭QR、チラシ配布などを徹底し、すぐに使えるクーポンなど即時性の高い特典を用意することが最優先です。
一方、すでに土台が整っている場合は、特典内容のA/Bテストを実施し、「ユーザーの質」を高めるための施策(例:お得なキャンペーン vs サービス提供)を検討してみてください。
すでに自社と接点がある質の高いユーザーをLINEに誘導する「LINE通知メッセージ」など拡張ツールの活用も有効です。
Q2. 新規集客(初動)の工夫:熱量が最も高い「瞬間」を逃さない
友だち追加の直後は、ユーザーの熱量が最も高いタイミングです。ここで期待を超えるメリットを提供できなければ、すぐにブロックや非表示の対象になってしまいます。
もし、この初動の仕組みが整っていない場合は、あいさつメッセージにクーポンとおすすめ商品をセットし、さらにステップ配信で1日後、1週間後とコミュニケーションの自動化を行うことで、即座の離脱を防ぎLTVの向上につなげることもできます。
対応できている場合は、クリック率やクーポン利用率を細かく分析し、友だち追加の流入経路ごとにメッセージを出し分けるなど、施策の精度を高めるフェーズへ進んでみてください。
Q3. リッチメニューによる顧客体験:LINEを「WEBサイトへの入り口」に変える
リッチメニューは、顧客が能動的に情報を探せる利便性の高い導線です。メニューが未整備だと、ユーザーは欲しい情報に辿り着けず、離脱の原因となります。
もし「いいえ」と回答した場合は、最低限「クーポン」「商品一覧」「購入/予約」ボタンを配置し、右上など目立つ位置に最優先アクションを置くことで、ストレスのない操作環境を整えましょう。
「はい」と回答した場合は、利便性は高い状態だと思います。今後はリッチメニューのクリックデータに基づき、季節やキャンペーンに合わせて画像や導線を手動で更新し、「売上アップ」に直結する動線へと結びつけてください。
Q4. リピーター獲得の仕組み:感覚ではなく「仕組み」で再購入を促す
新規顧客をリピーターに変えるには、「またサイトに訪れる理由」を生み出す仕組みが必要です。
リピート動機が不足している場合は、LINE限定クーポンなどで特別感を出し、お客様の興味喚起が必要です。ステップ配信の導入による自動化・効率化に注力することで、手動運用のコストを削減しながら継続率をさらに高めることも可能です。
Q5. 配信のパーソナライズ:ブロック率急増の「ノイズ」を消す
全員への一斉配信は、無関係なユーザーにとって「ノイズ」になってしまうことがあり、ブロック率増大とコストの無駄を招く状態です。
もし「いいえ」だった場合は、LINE標準の「絞り込み配信」を使い、まずは性別や年齢、友だち期間で内容を分けることから始めることをおすすめします。すでにセグメント配信を行っている場合は、購入履歴や興味関心に基づいたタグ付けや高度な条件分岐に挑戦し、反応率の最大化を目指してください。
適切な情報選択こそが、お客様との長期的な信頼関係の基盤となります。
まとめ
売上最大化には、「誰に、何を、いつ送るか」の最適化が重要です。全友だちへの一斉配信から、「購入検討中の層に週2回、リピーターに月1回の優待」など、ユーザーの心理フェーズに合わせた頻度調整を行うことも大切です。
また、メッセージ配信を収益に直結させるにはECサイトとのデータ連携やメッセージ経由の購入計測体制を整えるか、拡張ツールを導入してEC購買データとLINE情報を紐付け、カゴ落ちメッセージや誕生月クーポンの自動送信といった売上直結施策を実現してみてください。
\明日から実行すべき最優先アクション/
多くの課題が見つかった場合でも、まずはこの3点から着手してみてください。
- あいさつメッセージの改善:追加直後のクーポン提供を徹底する(Q2対策)
- リッチメニューの設置・更新:ユーザーが迷わず購入・予約できる導線を作る(Q3対策)
- セグメント配信への切り替え:「全員に一斉送信」を卒業し、性別や属性で絞り込む(Q5対策)
LINEは「継続接点を持てるコミュニケーションツールです。目の前の「数」ではなく、一人ひとりの顧客体験を最適化することで、必ず売上は伸びていきます。
まずは、お客様に合わせたセグメント配信からはじめることがおすすめです。
Mico Engage AI:https://mico-inc.com/engage/
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