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LINEギフトとは
コミュニケーションアプリのLINE上で繋がりのある人、もしくは自分自身に向けてギフトを贈ることができるサービスです。特徴としてギフトの送り主は相手の住所を知らなくてもプレゼントを贈ることができます。ギフトを受け取った人は自分で配送先の住所と配送日時の設定をして商品を受け取ることが可能です。
サービスとしては出店型の形態を取っており、ショップページが存在します。ショップページにはショップの説明や問い合わせ先、商品一覧が確認できます。どんな店舗が出店しているかはLINEギフト公式ブログから確認できるので、見てみるといいでしょう。

ショップページの一例:ショップの説明と商品一覧が確認できる
ただし、LINEギフトのホーム画面からショップページに直接遷移できるショップは一部有名チェーン店に限られています。出店ショップが商品を見てもらうためにはユーザーによる検索が欠かせないでしょう。

赤枠内にあるロゴからショップページに遷移が可能
商品へのリーチ方法としては、誕生日やちょっとしたお礼、結婚祝いなどギフトを利用するシーンごと、カタログギフトやギフト券、グルメなどの商品ごとに検索を活用してユーザーは商品検索を行えます。

利用シーンやカテゴリーから商品を検索できる
LINEギフトによって変わるギフトの習慣
ギフト品は、記念日などの特定の日に渡せるように事前に購入するのが一般的です。直送する場合は、特定の日に合わせてギフトが到着する前提で商品を注文します。そのために、事業者様は記念日に合わせて販促や在庫、出荷の準備を行っているかと思います。
しかしLINEギフトの登場により、事業者は今までのギフト商戦とは違った運営方法が可能になります。冒頭でもお伝えしたように、ユーザーはLINEギフトを通じて、記念日当日にメッセージとギフトを贈りますが、ギフトを受け取った人は配送日時の設定をして商品を受け取る仕組みになっています。これにより、LINEギフトであれば母の日や父の日など記念日当日に注文のピークを集めて売上を伸ばし、受注や出荷対応は他のモールや店舗のピークを過ぎたタイミングで対応できるのです。
LINEギフトは、記念日当日にメッセージとギフトをした事実を送ることで、商品そのものは後日にお届けしても良い文化をつくったといえるでしょう。

ギフトは注文から1週間以内に配送先設定がされなければキャンセルされてしまう
LINEギフトの利用者層
国内のLINEユーザーであれば、誰でもLINEギフトのサービスを利用することができますが、実際に利用しているユーザー属性はどうでしょうか。
【贈った人のユーザー属性】

【贈られた人のユーザー属性】

LINEギフトの利用者は、贈った人も贈られた人も女性の割合が高く60%以上となっています。年代は男女いずれも20代が多く、約50%を占めています。同世代間で利用されていますが、次点で親子間での利用も多いです。
LINEギフトの出店方法や手数料は?
現時点でLINEギフトに出店するにはLINEギフトからの営業を受けるか、パートナーシップの提案(フォームからの申請)を行う必要があります。2021年8月2日のプレスリリースから「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」に出店している出店者を対象に営業活動の連携を行っていることが明らかになっています。
出店のパートナーシップを提案するには、下記のフォームから申請を行ってください。
https://partners.line.me/ja/partner/join
出店料や販売手数料については公開されていないため、情報が確認できたタイミングで本記事に情報をアップデートできればと思います。
他のネットショップ・ECモールとの商品・在庫連携は?
2021年10月25日にYahoo!ショッピング、PayPayモールと連携ができるようになりました。この発表により、 Yahoo!ショッピングやPayPayモールに店舗を構えている事業者様はLINEギフト単体で管理を行う必要がなりました。
また、自社ECサイトを含めて複数ショップ運営している事業者様は一元管理ツールを Yahoo!ショッピング、PayPayモールと連携させることで、 商品・在庫管理を効率化できるようになったことがわかります。
LINEギフト広告を活用してLINEギフトを利用
LINEギフト上に自社の商品を掲載する手段としてLINEギフト広告があります。LINEギフト広告はLINEギフトに出店をするのではなく、あくまで商品単体で販促を行う広告となっています。広告メニューとして、サンクスギフトとペアギフトの2種類あり、どちらも出稿するためには1,200万円(税別)の広告費、ギフトする商品や配送費などの費用が発生します。
サンクスギフトは友だちに商品を無料で贈ることができ、ペアギフトは贈り主が友だちに商品を購入して贈り、贈った商品を自分は無料でもらえるといったものです。受け取り方法は、どちらのメニューでもコンビニ受け取りがあり、サンクスギフトの場合は、配送も可能です。
広告費やプランの内容を見る限り、コンビニに商品を置いている大手メーカー企業向けのプランであるため、LINEギフトに通常出店している企業とは多少毛色が異なる印象です。
最後に:利用シーンを想定した販売が必要か
LINEギフトは、誕生日や日々の労いを込めたメッセージとともに贈るギフトとの相性は非常に良いと思います。その一方で母の日や父の日のように目上の人に向けて利用するギフトの場合は、記念日当日にプレゼントが手元にないことで受け手がどういった印象を抱くのかセンシティブな領域かと思われます。この領域に関しては、従来の記念日当日にギフトをお届けするプレイヤーが強いといえますが、今後世代が変わっていくにつれて文化も変わっていくかもしれません。
ギフト商戦における新しいプレイヤーとして、LINEギフトが今後業界にどういった影響を与えるのか目が離せません。
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