JTB、2026年旅行動向見通しを発表 日本人国内旅行は3億700万人、訪日外国人は4,140万人と予測

株式会社JTBは、2026年における旅行動向の見通しを取りまとめ、公表しました。この調査は、1泊以上の日本人による旅行(ビジネス出張や帰省なども含む)および訪日外国人旅行に関して、各種経済指標や消費者の行動調査、運輸・観光に関連するデータ、JTBグループが独自に実施したアンケート調査などを基に推計を行ったものです。1981年から毎年継続して調査を実施しており、今回で長年の実績を持つ調査となっています。

2026年の調査結果によると、以下のような見通しとなっています。

  • 2026年1年間における日本人の総旅行人数は3億2,250万人(前年比98.0%)
  • 国内旅行では、旅行人数が3億700万人(前年比97.8%)、平均費用は52,900円(前年比102.9%)、総国内旅行消費額は16兆2,300億円(前年比100.6%)
  • 海外旅行では、旅行人数が1,550万人(前年比102.6%)、平均費用は317,200円(前年比104.5%)、総海外旅行消費額は4兆9,200億円(前年比107.4%)
  • 訪日外国人旅行者数は4,140万人(前年比97.2%)

日本人の国内旅行動向について

物価や宿泊費の上昇が続く中、国内旅行の単価は引き続き上昇する見込みとなっています。旅行者数についてはほぼ横ばいとなる一方で、総消費額は単価上昇の影響により若干の増加が予想されています。

日本人の海外旅行動向について

円ドルレートが150円前後で推移すると予測される中、旅行者数の増加ペースは2025年と比較して緩やかになる見通しとなっています。近距離志向が継続することでアジア方面の比重がさらに高まる一方、一部の遠方の行き先でも回復傾向が見られます。また、アジア地域においても物価や宿泊費の上昇が続いており、平均単価はさらに高まると予想されています。

訪日外国人旅行者の動向について

円安や日本の物価水準の低さ、各市場における所得水準の上昇、欧米豪での日本人気の高まりなどを背景として、コロナ禍後の需要急増は2025年までで一段落する見込みです。2026年の訪日客数は、中国・香港からの需要減により前年比2.8%減となる見通しですが、この2市場を除くと5.6%の増加が予想されています。中国・香港の減少が恒常化しないという前提のもと、2027年以降は総数が再びプラス成長に転じる見通しとなっています。

調査データ

旅行者の現状

国内旅行に関して、2025年は国内の経済状況や物価高騰などの影響を受け、宿泊者数の伸びは鈍化しています。2025年の延べ宿泊者数を見ると、1月から11月までの累計は4億3,854万人泊となり、2024年同期(4億5,452万人泊)と比較して96.5%となっています。

海外旅行については、2025年は国内外の物価高騰や円安、世界的な政情不安などがある中で、コロナ禍後から緩やかな回復を継続しています。2025年1月から11月までの日本人出国者数の累計は1,343万人となり、2024年同期(1,182万人)と比べると113.6%と前年を上回っています。

訪日旅行については、2025年は円安の継続などの影響により、堅調な増加を続けています。2025年1月から11月までの訪日外客数の累計は3,907万人で、2024年同期(3,338万人)と比較すると117.0%となっています。国・地域別に見ると、2025年1月から11月までの累計では、多い順に中国(877万人、2024年同期比137.5%)、韓国(849万人、2024年同期比106.7%)、台湾(618万人、2024年同期比111.2%)となっています。

調査データ

今回実施された旅行に関するアンケート調査によると、2025年1月から12月の1年間で1泊以上の旅行を実施した人の割合は、国内旅行については62.8%となり、前年より2.3ポイント増加しました。居住地域別に見ると、国内旅行を実施した人の割合は「九州地方(66.3%)」が最も高く、次いで「中部地方(65.8%)」、「関東地方(63.5%)」となりました。

性年代別に見ると、国内旅行を実施した人の割合は「女性29歳以下(73.4%)」が最も高くなりましたが、前年より7.3ポイント減少しました。次いで「男性29歳以下(72.3%、前年比2.9ポイント増)」、「女性30代(66.9%、前年比5.1ポイント減)」、「男性40代(66.8%、前年比7.0ポイント増)」となりました。女性の実施率は30代以下で減少し、40代以降で増加しています。

海外旅行については、実施した人の割合の合計が11.2%となり、前年より2.5ポイント増加しました。居住地域別に見ると、実施した割合は「九州地方(沖縄含む)(16.0%)」が最も高く、次いで「関東地方(13.2%)」、「近畿地方(12.0%)」となりました。性年代別に見ると、「女性29歳以下(22.8%)」が最も高く前年より8.2ポイント増加し、次いで「男性29歳以下(20.4%、前年比3.3ポイント増)」、「女性60代(14.4%、前年比8.4ポイント増)」、「男性40代(12.4%、前年比4.5ポイント増)」となり、30代男性以外で増加となりました。国内旅行・海外旅行ともに若い世代の実施率が高く、またいずれも男性40代で増加が見られました。

2026年のカレンダーと主なイベント

2026年は3連休以上が8回(3連休6回、5連休2回)あります。2025年の9回(3連休8回、4連休1回)と比較すると、回数としては1回減少しますが、ゴールデンウィーク(5月2日(土)から6日(水))とシルバーウィーク(9月19日(土)から23日(水・祝))に5連休があります。夏休みは8月10日(月)を休むと8月8日(土)から11日(火)が4連休となります。2026年から2027年の年末年始は、12月28日(月)から31日(木)を休めば12月26日(土)から1月3日(日)の9連休となり、2025年と比較すると大型連休が多い年と言えます。

2026年の主なイベント

イベント

春先には、世界的な注目を集める「ワールドベースボールクラシック(WBC)」が開催され、国内外から多くの観客が訪れることが期待されます。愛知・名古屋ではアジア・アジアパラ競技大会が開催されます。秋には、愛知・豊川にある豊川稲荷で72年ぶりの御開帳が予定されています。また新しいアートイベントとして、東京湾エリアでは「TOKYO ATLAS」、群馬・前橋では「前橋国際芸術祭2026」が開始されるなど、各地で多数のイベントが予定されています。

海外では、2月にイタリアでミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピックが開催され、6月から7月には米国・カナダ・メキシコでFIFAワールドカップが開催されます。さらに、スペイン・バルセロナではサグラダ・ファミリア完成記念式典が予定されており、世界的な注目を集める見込みです。

新規開業・周年

レジャー・商業施設としては、2月に東京と神奈川にまたがるよみうりランド内に「ポケパークカントー」がオープンします。東京ディズニーシー、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは開園25周年を迎えます。東京・有明には、エンターテインメントとテクノロジーが融合する発信拠点を目指し、シアターやホールを構えた「TOKYO DREAM PARK」が開業します。

美術館としては、東京・高輪に「100年先へ文化をつなぐ」をミッションに掲げた「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」が登場します。宿泊施設では、「帝国ホテル京都」(京都・祇園)や「カペラ京都」(京都・東山)が開業し、ラグジュアリーな滞在の選択肢が増えます。

交通関連では、9月に横浜・東京・神戸・博多を結ぶクルーズ船として「三井オーシャンサクラ」が就航し、移動そのものが旅の楽しみとなるサービスが広がります。

データ図表

国内旅行の動向

2026年の国内旅行人数は3億700万人(前年比97.8%)、一人あたり旅行費用は52,900円(前年比102.9%)、国内総旅行消費額は16兆2,300億円(前年比100.6%)となる見通しです。

給与の伸び率が緩やかになる一方で、物価や宿泊費の高騰が継続し、国内旅行単価はさらに上昇する見込みです。このことから、旅行者数は前年とほぼ横ばいとなり、総消費額は単価上昇により微増する見込みです。

前述のアンケート調査によると、2026年1月から12月の1年間における1泊以上の国内旅行の実施意向について、性年代別に見ると、国内旅行を実施する人の割合は「女性70代(79.2%)」が最も高く、次いで「女性40代(77.8%)」、「女性29歳以下(77.7%)」、「男性29歳以下(77.0%)」と、比較的女性が高い傾向となりました。

居住地域別に見ると、国内旅行を実施する人の割合は「九州地方(77.5%)」が最も高く、次いで「関東地方(76.9%)」、「近畿地方(76.3%)」となりました。

調査結果グラフ

国内旅行に「一度も行かない」と答えた人は全体の24.8%でした。主な理由としては、「家計に余裕がないから(33.5%)」、「旅行費用が高いから(29.6%)」など、前年同様、費用面での理由が上位となり、「旅行費用が高いから」は前年より6.2ポイント上昇しました。特に女性の50代から60代で旅行費用の高さがネックとなっているようです。

国内旅行を実施すると答えた人に対し、旅行先を決めるきっかけになりそうなものを聞いたところ、「自然が楽しめる場所(国立公園や花畑など)」が30.0%と最も高く、「寺社仏閣、史跡などの歴史スポット」が24.1%と続きました。性年代別で見ると、男性70代と女性60代から70代で「自然が楽しめる場所(国立公園や花畑など)」が人気となり、20代から30代は男女ともに、動物園や水族館、テーマパークなどの割合が高くなりました。また自由回答では、2025年に開業した「JUNGLIA OKINAWA」や、新エリアが誕生したハウステンボス、人気映画の影響で歌舞伎などが注目されていることがわかりました。

調査結果

現時点で考えている旅行の行き先については、「中部(33.7%)」が最も高く、次いで「九州・沖縄(31.9%)」、「関東(29.8%)」となり、昨年とほぼ同様の傾向でしたが、「近畿(22.8%)」はやや減少し、「北海道(24.6%)」と順位が逆転しました。

旅行先データ

海外旅行の動向

2026年の海外旅行人数は1,550万人(前年比102.6%)、一人あたり旅行費用は317,200円(前年比104.5%)、海外総旅行消費額は4兆9,200億円(前年比107.4%)となる見通しです。

コロナ禍から時間が経過したものの、前年の急激な円安や物価高騰などにより、海外旅行の回復は緩やかで2025年より鈍化する見込みです。旅行者は徐々に円安を受け入れつつあり、アジアへの旅行が引き続き多い一方で、一部の遠方の行き先も回復傾向が見られます。また、アジアでも物価や宿泊費の上昇が続くことで、平均旅行単価はさらに高まると予想されます。

前述のアンケート調査によると、2026年1月から12月の1年間における1泊以上の海外旅行の実施意向で「行く予定」と答えた人は23.0%となり、前年より2.0ポイントの増加となりました。2024年から2025年にかけての増加と比較して鈍化はしているものの、引き続き海外旅行意欲は上昇傾向にあると言えます。性年代別に見ると、「女性29歳以下」が35.9%、次いで「男性29歳以下(30.9%)」と高く、それぞれ前年より1.6ポイント、3.4ポイント増加しています。

居住地域別には、「行く予定」の割合は「関東地方(26.9%)」が最も高く、次いで「九州地方(26.6%)」、「近畿地方(25.4%)」となりました。

海外旅行データ

現時点で考えている旅行の行き先については、「韓国(26.7%)」が最も高く、次いで「台湾(21.0%)」と近隣の国・地域が高い一方で、「ヨーロッパ(18.7%)」、「ハワイ(18.1%)」など中長距離も人気があります。

海外旅行に「一度も行かない」と答えた人は77.0%で、国内旅行同様に経済的な理由が上位になりましたが、海外旅行では「旅行費用が高いから(36.5%)」、次いで「家計に余裕がないから(26.5%)」となり、国内旅行とは順位が逆転しています。3位の「円安だから(21.2%)」は前年より3.2ポイント減少しました。経済的な理由以外には、「言語の問題」や「出入国手続きが面倒くさそう」、「パスポートを取り直すのが面倒」など心理的な要因がハードルとなっているようです。

海外旅行実施意向

訪日外国人旅行者

2026年の訪日外国人旅行者数は4,140万人(前年比97.2%)となる見通しです。

訪日外国人旅行者数は、コロナ後の回復過程において、円安の追い風もあり、二桁台の伸び率を重ね、2025年には過去最高となりました。しかしながら、急激な需要回復は一巡し、今後の伸び率は落ち着く見込みです。そこに中国・香港からの需要減が加わり、2026年は前年を下回ることが予想されます。

2024年から2025年にかけての訪日需要の高い成長率は、円安や日本国内の物価安、コロナ前と比較した各マーケットの所得水準の向上、欧米豪などを中心とした日本人気の高まりなどが背景と考えられますが、これらによる需要押し上げの効果は2025年までで概ね一巡し、2026年は各マーケットの経済成長に伴う国外旅行需要の自然増が訪日客増加の主な要因となる見込みです。

需要の下振れ要素として懸念されるのは中国、香港からの訪日需要減です。本予測では2025年12月初旬時点における日中間の国際線航空座席数の減少率から、予測期間における旅行者数が前年を2割下回るものと想定して予測しています。

一方、訪日外国人旅行者の増加について、受け入れ側の日本居住者はどのように感じているのか、今回のアンケート調査対象者に訪日外国人観光客増加に対する気持ちについて聞いたところ、「観光地でのマナーが悪くならないか不安だ(51.3%)」、「住んでいる人の生活に影響が出ないか不安だ(41.0%)」、「観光資源・施設、自然などがダメージを受けないか不安だ(40.7%)」など、不安に感じる声が特にシニア層で高くなりました。

一方、「日本経済全体の活性化につながるので歓迎だ(24.0%)」など、歓迎する割合は比較的若い世代で高い傾向が見られるとともに、シニア層でも「地方経済の活性化につながるので歓迎だ(17.3%)」は男性70代、「日本の文化や伝統を広め、残すことになるので歓迎だ(10.0%)」は女性60代から70代で高くなりました。

訪日外国人に対する意識調査

旅行を取り巻く経済環境と暮らし向き

複数の経済研究機関の予測によると、日本経済における2026年度の実質GDP成長率は、概ね0.7%から0.9%程度と見込まれています。2025年度の見通しと比較すると、やや鈍化するものの、日本経済は緩やかな回復基調が続いています。

成長を下支えする要因としては、堅調な設備投資や、インバウンド需要の継続などが挙げられます。また、物価上昇率は2025年をピークに鈍化する見込みで、人手不足を背景に、2026年の春闘でも5%程度の高い賃上げ率が予測されており、個人消費は底堅いことが期待されます。

一方、米国の関税引き上げ、国際情勢の緊張など、世界経済の減速や、円安の影響によるGDPの目減りへの懸念、国内における人手不足、低い生産性や財政の健全化などの課題も下振れリスクとなっています。

総じて、2026年の日本経済は、内需の底堅さにより緩やかに成長するものの、海外リスクや国内の構造問題への対応が鍵となると考えられます。

足元の経済状況を見ると、円ドルの為替レートは2019年は110円前後で推移していましたが、その後円安・ドル高が進みました。2025年も継続しており、4月には140円台前半まで戻したものの、12月には155円前後で推移しています。また「海外旅行を実施する気持ちになる円ドル為替レート」について、国内旅行予定者を含む、2024年夏休み旅行予定者と2025年年末年始旅行予定者に聞いた結果を比較したところ、「120円未満」は8.8ポイントの減少、「140円未満」は3.7ポイント減少し、140円以上の合計は5.5ポイント増加しました。また「為替に関係なく海外旅行を検討する」も5.0ポイント増加し、円安への受容が進んでいる様子も見受けられます。

日本銀行が実施している「生活意識に関するアンケート調査」の「現在の暮らし向き」を見ると、2025年9月は「ゆとりが出てきた」の割合が上昇し、「現在の暮らし向き」の値はやや改善しましたが、まだ2021年以前の水準には戻っていません。また、前述のアンケート調査において「旅行に行く」と答えた人に、「今後1年間の旅行の支出に対する意向」を聞いたところ、「支出を増やしたい(23.6%)」が「支出を減らしたい(11.4%)」を上回っています。

経済環境データ

調査方法について

2026年の旅行に関するアンケート調査は、2025年11月27日から30日にかけてインターネットアンケート調査として実施されました。調査対象は全国15歳以上79歳までの男女個人で、サンプル数は本調査2,067人です。調査内容は2026年1月1日から12月31日に実施する旅行についてとなっています。

直近20年間の推計データ

出典元:株式会社JTB プレスリリース

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