
台湾発のスタートアップで、日本・台湾・タイを中心にAIとクロスチャネルマーケティングを推進するクレッシェンド・ラボが、企業の「コミュニケーション起点の成長」を実現する自律型AIソリューション『DAAC(Data Analytical and Automation Cloud:ダーク)』を日本市場で展開することを発表しました。
『DAAC』は、LINEを含むウェブサイト・アプリ等のオンラインでの行動データと、オフラインを含む顧客データを統合し、獲得したデータからAIが自ら「気づき」を発見・分析するシステムです。さらに、その場で最も適した施策を提案し、シームレスに自動で実行できる「AI成長エンジン」として機能します。このソリューションは、人材不足、属人的な運用、意思決定の遅延など、日本企業が長年抱えてきた構造的課題に対して、業務の効率化と同時に、顧客とのあらゆるコミュニケーションの接点を着実なビジネスの成長につなげます。
『DAAC』展開の背景
日本企業のマーケティング現場では現在、チャネルの増加と運用負荷の高まりにより、「人材の枯渇」「ノウハウの壁」「組織の壁」といった構造的課題が顕在化しています。こうした環境下では、データ分析・セグメント設計・チャネル設定などが属人的に行われることにより、意思決定の遅れや改善サイクルの停滞が生まれ、「投資を増やしても成果が伸びない」といった状況が多く見られます。
これに対して台湾では、AIの実装スピードが非常に速く、市場全体としてデータ活用が加速している状況です。モバイル決済やチャットコマースの浸透、生活インフラとしてのLINE活用を背景に、「自律型AI」の導入が進んでいます。台湾企業はAIを業務効率化だけでなく、継続的な収益をもたらすものとして活用し、顧客の行動変化をリアルタイムにとらえて最適なアクションにつなげる「データ獲得→洞察を得る→施策へ転換」の循環を既に実装し、ビジネスの成長に結びつけています。

クレッシェンドラボの『DAAC』は、従来のBI(ビジネスインテリジェンス)、MA(マーケティングオートメーション)、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)などが抱えていた「人が間に入る隙間」をAIが補完し、洞察から実行までを一つの流れとして処理する「AI成長エンジン」として設計されています。このアプローチにより、部門間の調整や専門人材への依存を減らしながら、複雑化する顧客コミュニケーションをリアルタイムに最適化し、現場の負荷を下げつつ成果の向上を後押しします。
DAACで完成する、クレッシェンドラボのエンタープライズAIソリューション全体像
クレッシェンドラボは、日本市場において2022年からAIを活用したマーケティング基盤「MAAC(マーク)」と「CAAC(カーク)」を展開しています。MAACは、LINEやSMSで1対複数のパーソナライズコミュニケーションを実現するプラットフォームであり、CAACは、1対1のセールス/サポートを効率化させるプラットフォームとなっています。
DAAC はこの 2 つとネイティブ連携し、「気づく~提案する(DAAC)」と「動く(MAAC/CAAC)」が一体化した運用を可能にします。例えば、過去の自社データ(特に季節限定キャンペーンやピーク時のキャンペーン)を分析し、平均注文額の増加と顧客ロイヤルティの向上を目標にした施策を AI が自律的に提案し、担当者は実行の承認をするだけという、生産性を大幅に改善する運用が実現できます。

今回の発表に際して、台湾本社のCEO、シュエ・ジン氏は「多くの企業は、課題解決やAI導入を進めるなかで数多くのツールを導入してきましたが、それらが十分に連携せず、新たな『デジタル上の障害』となってしまうケースが少なくありません。こうした状況こそが、同社が解決すべき課題だと考えています。クレッシェンドラボが提供する『DAAC』は信頼性が高く実行可能なAIソリューションとして、日本企業が分断されたデータやツールの壁を取り払い、インサイトからアクションまでの距離を大きく縮めることを目指しています」と述べています。
また日本代表の猪股唯耶氏は「1to1マーケティングを成功させるためには、戦略を企画し、それを実装し、継続的に運用し続けるリソースを確保する、という3ステップが欠かせません。これまで同社は『実装』と『運用』を中心に支援をしてきましたが、戦略立案はお客様次第で、歯がゆさを感じてきたとのことです。今回リリースするDAACは、その最初の一歩である『何をすべきか』の示唆をAIが与えて担当者の方の意思決定を助けることができます。同社は、引き続き『企業とその顧客を、もっと近くに』というミッションの実現に向け、高い技術力を活かした支援を進めていく」と語っています。
同社によると、DAACの正式な製品発表は2026年上半期を予定しているとのことです。
クレッシェンド・ラボについて
Crescendo Lab(クレッシェンド・ラボ)は、2017年に台湾で設立されたAIテクノロジーカンパニーで、日本・台湾・タイ・シンガポールでビジネスを展開しています。「企業とその顧客を、もっと近くに。」という理念のもと、幅広い業界の企業と消費者の双方向コミュニケーションを支援し、エンゲージメントやコンバージョンの最大化を実現しています。
同社が自社開発したLINEを活用したマーケティングソリューション「MAAC」「CAAC」は、IKEA、スターバックス、H&M、GAP、adidasなど、グローバルで700以上のブランドに利用されています(日本以外での実績を含む)。また台湾本社では2022年からLINEテクノロジーパートナー「ゴールド」に4年連続で選定され、日本でも2025年にLINEテクノロジーパートナーとなりました。
日本法人概要
- 会社名:株式会社クレッシェンド・ラボ
- 代表者:猪股 唯耶(いのまた ゆいま)
- 所在地:〒105-0001 港区虎ノ門1-10-5 KDX 虎ノ門一丁目ビル 11F
- 設立:2022年1月
台湾本社概要
- 会社名:漸強実験室 (Crescendo Lab)
- 代表者:CEO 薛覲 (シュエ・ジン | Jin Hsueh)
- 所在地:台湾 / 台北市松山區健康路156號5樓
- 設立:2017年6月
出典元: 株式会社クレッシェンド・ラボ プレスリリース












