
日本インフォメーション株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:斎藤啓太)は、アンケート調査手法の違いによる影響を検証するため、紙回答とタブレット回答での回答傾向の差異を明らかにする検証調査を実施したことを発表しました。今回は特に、生活者を会場に招集して製品の試食や試飲、デザイン評価などを行う「会場調査(CLT)」において検証が行われています。
この記事の目次
調査の背景と目的
日本インフォメーション社が提供する会場調査では、紙に印刷した調査票にペンなどで記入する「紙回答」と、WEBベースで作成した調査画面をタブレット上で回答する「タブレット回答」という2通りの方法で実施することが可能となっています。
約10年前までは紙回答が中心でしたが、現在では同社はタブレット回答での実施を推奨することが増えているとのことです。しかし、「回答方法の変更によって回答内容に影響が出ないか」という質問も多く寄せられているため、今回、回答方法による回答への影響を比較する検証調査が実施されたとのことです。
調査結果の詳細
回答時間について
調査の結果、回答の平均時間は紙回答とタブレット回答でほぼ同等であり、回答方法による大きな影響は見られなかったことが報告されています。

単一回答(SA)について
全般的に高めや低めになるような回答方法による偏りは見受けられなかったとのことです。設問によって差は見られるものの、設問全体の差(平均)は小さい結果となりました。

複数回答(MA)について
選択個数については、ランダマイズなしの同条件下ではほぼ同等となりましたが、タブレット回答はランダマイズ制御をかけることで選択個数がやや増加する結果が出ているとのことです。特に選択肢数の多い設問では、ランダマイズ制御によって選択肢の位置バイアスや回答時の集中力の中だるみを軽減し、回答の正確性を高める効果が見られたと報告されています。


自由回答(FA)について
回答の平均文字数は、タブレット回答の方がやや多い傾向が見られたとのことです。タブレット回答では漢字変換が容易なこともあり、文字数の見た目以上に回答内容のボリュームもやや多めとなる傾向が確認されています。

調査結果の総括
この検証調査の結果、タブレット回答は紙回答と比較して極端な差や偏りは見られないことが明らかになりました。さらに、システムによる回答制御や回答端末の機能を利用することで、データの正確性を高め、より内容の濃いデータが得られるという結果が示されています。
日本インフォメーション社によると、タブレット回答には以下のようなメリットもあるとのことです:
- コストメリット:印刷費用や入力費のコスト削減が可能
- 利便性:調査実施中の途中経過の確認などが可能
- スピードメリット:データ作成から集計結果までの時間が短縮
- 機能メリット:今後はAIを使った質問・簡易インタビューなども追加可能に
同社はこれらの検証結果とメリットを踏まえ、タブレット回答の利用を推奨しているとのことです。
サービス概要
日本インフォメーション株式会社の会場調査の実施件数は業界トップクラスとされています。特に日用消費財メーカーを中心に、試食・試飲調査やパッケージ調査の依頼を多数受けて実施しているとのことです。
調査概要
調査方法 | 同じ内容の調査を、①紙調査票回答、②タブレット回答の2グループで実施し、各グループの差を比較し、回答方法の違いによる回答への影響を検証する。 |
調査内容 | 一般的な会場調査で行われる、商品評価をメインとした内容で、今回はチョコレート・チョコ菓子をテーマとして調査を実施。 <主な設問内容> ①棚での商品評価②商品パッケージの評価(絶対評価3品、相対評価)③共通設問(好み・嗜好性について) |
調査対象 | 一都三県在住20代~60代女性(未既婚・職業不問) 「チョコレート・チョコ菓子」週1回以上自購入自喫食者 食品関連の製造・販売関連、マスコミ・広告・調査業関連従事者は除外 |
対象設計 | A群:①紙調査票回答群n=52 / B群:②タブレット回答群n=52 |
調査方法 | CLT(会場調査)※対象者は事前リクルート |
調査日時 | 実査:2025年7月10日(木) |
出典元: 日本インフォメーション株式会社 プレスリリース