日本生協連、お米についてのアンケート調査結果を公表 - 価格高騰でも95.2%が1日1回以上お米を摂取

日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、代表理事会長:土屋 敏夫)は、昨年に続き「お米についてのアンケート調査」の結果をまとめました。令和6年産米は引き続き不明瞭な販売・流通に起因する需給混乱の様相を呈しており、仕入価格・販売価格の高騰が続いています。

2025年1月には政府備蓄米の市場放出が決定され、3月からは実際に市場流通が開始されました。しかし価格高騰は止まらず、商社等では外国産米の輸入が活発化するなど、米の需給を巡っては今春も大きな変化が起きています。

日本生協連では、直近の需給混乱を踏まえ、主食であるお米の利用実態を把握し、生産者と産地の取り組みに役立てることを目的に、2021年から調査を実施しています。今回は価格上昇などの背景から、全国の組合員を対象に緊急でWEBアンケートが行われました(調査期間:2025年3月11日~3月18日、有効回答数:6,342件)。

1日に1回以上お米を食べている人は全体の95.2%

Q. あなたのご家庭で、お米を食べる頻度を教えてください。(答えはひとつ)

各家庭でお米を食べる頻度についての質問では、「1日に2回程度(52.7%)」と回答した割合が最も多い結果となりました。次いで「1日に1回程度(25.2%)」、「1日に3回以上(17.4%)」という結果となり、全体の95.2%が1日に1回以上お米を食べていることが明らかになっています。

前回2024年10月との比較では、「1日に2回程度」は1.2%増加、「1日に3回以上」は1.2%減少しており、1日にお米を食べる頻度は前回調査時よりもわずかに減少していることが報告されています。

お米を食べる頻度は「変わらない(80.0%)」が最多

Q. 直近の6ヶ月間において、あなたのご家庭で価格上昇により、お米を食べる頻度は変わりましたか。(答えはひとつ)

お米を食べる頻度の変化グラフ

直近の6ヶ月において、米の価格上昇に伴い、お米を食べる頻度が変化したかを尋ねたところ、「変わらない(80.0%)」、「減少した(16.9%)」、「増加した(2.3%)」という結果になったことが報告されています。

「変わらない」と回答した理由については、「米が好きだから」「主食だから」「値上げしているが他の食品も同様だと思うから」などが挙げられているとのことです。一方、「減少した」と回答した理由としては、「高価だから」が最も多く挙げられています。

お米の代わりによく食べるようになったものは「ない・変わらない(82.8%)」が最多

Q. あなたのご家庭で、お米の代わりによく食べるようになったものがあれば、教えてください。(答えはひとつ)

お米の代わりに食べるものグラフ

お米の代わりによく食べるようになったものがあるかという質問に対しては、「特にない・今までと変わらない(82.8%)」、「お米の代わりによく食べるようになったものがある(17.2%)」という結果になったことが明らかになっています。

「お米の代わりによく食べるようになったものがある(17.2%)」と回答した方に具体的な品目について自由回答(複数回答可)で尋ねたところ、「パン(426件)」、「麺(「めん」を含む、311件)」、「うどん(340件)」などが多く挙げられているそうです。

お米を買うときに重視することは「国産米である(77.8%)」が最多

Q. あなたがお米を買うときに重視することを教えてください。(答えはいくつでも)

お米を買うときに重視することグラフ

お米を購入する際に重視することについての質問では、「国産米である(77.8%)」、「銘柄(40.5%)」、「量(34.3%)」、「産地(33.6%)」が上位を占める結果となったことが報告されています。

しかし、前回2024年10月調査と比較すると、「銘柄」は8.0%、「産地」は9.5%減少しています。特に「味の好み(26.5%)」は12.3%の大幅減少となっており、前回調査では第3位でしたが、今回調査では第6位までランクダウンしたとのことです。一方で「価格が安い(33.1%)」は1.8%増加しており第5位にランクインしています。

お米の価格上昇が続いた場合に重視しなくなることについて最も多かった回答は「わからない・特にない(33.9%)」でしたが、その後「銘柄(30.4%)」、「産地(19.0%)」が続き、直近の価格高騰の影響により、価格以外でお米について重視する事・こだわる事が減少していることが明らかになっています。

お米の価格上昇が続いた場合に重視しなくなることは「銘柄」「産地(都道府県単位)」

Q. 今後もお米の価格の上昇が続いた場合に、あなたがお米を買うときに重視しなくなることを教えてください。(答えはいくつでも)

価格上昇が続いた場合に重視しなくなることグラフ

調査結果まとめ

今回の調査結果からは、米の価格高騰が続く中でも、お米を食べる頻度はほとんどの家庭で変わらないものの、購入時の重視点に変化が見られることが明らかになったと報告されています。特に「銘柄」や「産地」、「味の好み」といった要素よりも「価格」を重視する傾向が強まっており、今後も価格上昇が続けば、こうした傾向がさらに強まる可能性があることがうかがえます。

日本人の食生活において米は依然として重要な位置を占めているものの、経済状況の変化によって消費行動にも少しずつ影響が出ていることが、この調査結果から読み取れます。今後の米の需給動向や価格推移によっては、さらなる消費行動の変化が生じる可能性もあり、継続的な調査が必要とされているようです。

日本生協連では今後も定期的に調査を実施し、組合員のニーズや消費動向を把握することで、より良い商品提供と産地支援に繋げていく方針だとのことです。

調査概要

「お米についてのアンケート」調査
調査方法:インターネット
調査対象:組合員モニター
実施期間:2025年3月11日~3月18日
有効回答数:6,342件

出典元:日本生活協同組合連合会 プレスリリース

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