
AIQ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 CEO 兼 COO:渡辺求、以下「AIQ」)が、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて新たな顧客体験価値(CX)を創造するAXの推進を発表しました。これに際し、先進的なデバイス開発技術を誇るカシオ計算機株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長 CEO:増田裕一、以下「カシオ」)と連携し、「デジタルクローンエコシステムプロジェクト(DCEP)」を立ち上げるとのことです。このプロジェクトは、「一人一体のデジタルクローンを持つ時代」を目指すものです。
この取り組みの第一弾として、AIQのデジタルクローン技術とカシオのウェアラブルデバイス技術を融合させた新サービス「UTRACE」(Uトレース)が登場します。このサービスではAIを活用し、行動データや感情データを取得・解析することで、深い自己理解を促進し、ウェルビーイング(心理的、身体的、社会的に満たされた状態)の向上を支援します。
この記事の目次
背景
「あなたの知識と想いが、誰かの未来を支える」世界について
現代において、私たちの記憶や経験、価値観は、日々の多忙な生活の中で十分に活かされず流れ去ってしまうことが多く、知識やノウハウの継承、自己理解の深化、メンタルヘルスの維持が重要な課題となっています。
特に、急変する社会環境の中で、個人の経験が次世代へ継承されずに消えてしまう問題は、企業のナレッジマネジメントや教育、人生100年時代のライフデザインにおいても大きな影響を及ぼします。
この課題に対し「これまでの経験や感情を次世代にバトンリレーすることはできないのか?」や「個人の価値観やライフスタイルを未来のためにどう活かせるのか?」という問いかけを持つAIQとカシオは、デジタルクローンという新たな概念の提案を行います。デジタルクローンは、単なる情報の蓄積やAIによる業務代行にとどまらず、「自分自身の別の姿」として、過去の道のりや学んだこと、大切な想いを未来へつなぐ重要な存在なのです。
これは革新だけでなく、「個人の知識と経験を社会に継承し、次世代へつなぐ新しい時代の幕開け」と位置づけられています。
AIQの想い
AIQはこれまで、個性に着目したデジタルクローンの社会実装に取り組んできました。個性が他者に役立つ社会を目指し、生活者のライフログデータの重要性を感じています。このライフログデータをAIQの独自技術「HUMANISE AI」で駆使し、個人の特性を拡張するデジタルクローンの生成が可能になると見込んでいます。また、デジタルクローンは主にビジネス現場での利用が進められていますが、日常生活で活用することでその本来の価値を引き出すことができると信じています。これに向けて、活用プラットフォームの整備が重要な第一歩であると考えています。
カシオの想い
カシオは、「驚きを身近にする力で、ひとりひとりに今日を超える歓びを。」というパーパスを掲げ、テクノロジーを通じて人々のライフスタイルを豊かにすることを目指しています。このプロジェクトに参加することは、この理念を具体的に実現する取り組みであり、ウェアラブルデバイスを通じてライフログ活用を「当たり前」とし、自己理解を深める「驚き」を提供することを狙いとしています。
カシオの強みである防水性や耐衝撃性を活かした精密機器開発によって、日常シーンでの使用が可能なウェアラブルデバイスが開発され、デジタルクローンとの共生が実現されます。
デジタルクローンエコシステムプロジェクトの概要
このプロジェクトは、AIQとカシオの双方の専門知識を結集した「デジタルクローン生成領域」「デバイス開発領域」、さらには各社の特性を活かした「デジタルクローンデータ活用の協業領域」という三つの領域から構成されています。
① AIQによるデジタルクローン技術の開発・活用
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行動データと感情データを収集して、人間の個性を分析します。
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HUMANISE AIを駆使し、個人のライフログに基づくデジタルクローンを生成します。
② カシオによるウェアラブルデバイス開発・データ取得技術
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ウェアラブルデバイスを通じた感情・行動データの取得技術を確立します。
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防水・耐衝撃などの強固なデバイス設計により、日常利用に適したデータ取得を実現します。
③ AIQ × カシオの協業領域:デジタルクローンデータの取得と活用
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個人のライフログデータを取得・分析し、デジタルクローンの成長をサポートします。
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データを「記録」から「物語化」へと進化させるサービスを提供します。
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生成されたデジタルクローンとの対話を通じて自己理解を深め、ウェルビーイングの支援を行います。
今後の展望
AIQは「デジタルクローンエコシステムプロジェクト(DCEP)」を通じて、「一人一体のデジタルクローンを持つ社会」を目指し、個人の経験や感情がデータとして蓄積され、自己理解の深化とウェルビーイングの向上に寄与する社会の実現を志向しています。今後の進捗にご期待ください。
出典元:AIQ株式会社