
SEOの領域は常に進化しており、企業のマーケターにとって効果的な施策を見極めることがますます難しくなっています。
この度、株式会社PRIZMAが「SEO施策の最新動向と外部リンク施策に関する調査」を実施し、SEO施策に取り組む企業への理解を深めるべく最新の情報を提供しました。
調査の内容では、企業が導入しているSEO施策の内部施策(オンページ施策)と外部施策(被リンク施策)への注力ポイントを探り、両者がどのように組み合わさることで高い効果を発揮するのかを分析しました。
本記事では、企業がSEO施策を強化するための具体的なアプローチについて解説していきます。
調査設問
Q1. 現在実施しているSEO施策の中で、「内部施策(オンページ施策)」と「外部施策(被リンク施策)」の比率はどのようになっていますか?
Q2. 「内部施策(オンページ施策)の比率が高い」と回答された方にお聞きします。内部施策において最も重視されている施策は何ですか?
Q3. 「外部施策(被リンク施策)」と回答された方にお聞きします。外部施策において最も重視している施策は何ですか?
Q4. 現在担当しているSEO施策において、外部リンク施策の重要性をどのように考えますか?
Q5. 外部リンク施策を実施する際、どの指標でリンクの質を評価していますか?
Q6. 外部リンク施策において、ドメインランクを意識していますか?
Q7. 外部リンク獲得方法として最も効果的だと感じる手法は何ですか?
Q8. 外部リンク施策において、効果が実感できる期間はどれくらいですか?
Q9. SEO施策全体の主な予算はどの程度ですか?
Q10. SEO施策を実施した際、効果的と感じたコンテンツは何ですか?
※原則として小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。以下に、調査結果の一部を紹介いたします。
SEO施策における内部施策と外部施策の注力ポイント
SEO施策を実施する際、企業が内部施策と外部施策のどちらに重点を置いているかについて調査した結果が示されました。
「現在実施しているSEO施策の中で、内部施策と外部施策の比率はどうなっていますか?」という質問に対し、大多数の企業が「内部施策(オンページ施策)の比率が高い(82.4%)」と回答しました。

多くの企業が、自社のSEO施策においてコンテンツの質やサイト構造の最適化を重視していることが分かりました。
外部施策(被リンク施策)も重要であるものの、現在は内部施策がより重要視されていることが明らかになりました。
この結果を踏まえ、内部施策に注力していると回答した企業の方に、最も重要視している施策について尋ねたところ、「キーワードの最適化(47.0%)」が最多で、続いて「コンテンツの質と最適化(32.2%)」や「ページ速度の改善(15.7%)」といった回答が得られました。

検索エンジンアルゴリズムを考慮し、キーワード最適化やコンテンツの質向上に取り組む企業が多いことが見受けられます。
また、ユーザー体験を意識した施策も一定の割合で実施されており、企業がSEOの基礎の強化に注力している様子が伺えます。
一方、「外部施策(被リンク施策)において最も注力している施策は何ですか?」との質問に対して、「コンテンツのシェアとリンク獲得(40.9%)」と答えた方が最多で、次いで「パートナーシップや提携によるリンク獲得(34.1%)」や「インフルエンサーや業界専門家との協力(19.3%)」といった回答がありました。

外部施策においては、コンテンツの自然な共有やパートナーシップ戦略が重視されていることが明らかになりました。
特に、他社や業界関係者との連携を通じてリンクを得る手法が活用されていますが、ゲスト投稿の利用は少なく、従来のリンク獲得手法からより戦略的な連携へとシフトしています。
外部施策の評価と戦略的アプローチ
外部施策では単純に被リンクを獲得するだけでなく、コンテンツの拡散や提携による自然なリンク生成が重視されています。
企業は外部施策への重視度をどのように捉えているのでしょうか。「現在担当しているSEO施策において、外部リンク施策の重要性をどのように考えますか?」という質問への回答の中で、最も多かったのは「やや重要(49.7%)」で、続いて「非常に重要(24.2%)」や「重要(20.4%)」という結果が得られました。

SEO施策において外部施策は重要視される一方、単独では成果を上げることが難しいとの認識があり、内部施策とのバランスが求められていることが示唆されます。
質の高いコンテンツを提供しながらリンク獲得を進めることが求められると言えるでしょう。
リンクの質を正確に評価することも不可欠です。実際、企業は外部リンク施策を行う際に、どのようにリンクの質を評価しているのでしょうか。
「外部リンク施策を実施する際のリンクの質を、どのような基準で評価しますか?」という質問に対して、最も多く回答されたのは「リンク元のコンテンツが自社のテーマや業界とどれだけ関連しているか(52.5%)」で、続いて「リンク元のウェブサイトのドメイン権威(38.9%)」や「リンク元サイトのトラフィックや訪問者数が多いサイトを優先(34.1%)」といった意見が寄せられました。
また「信頼性の高いサイトからのリンクを重視(27.0%)」という回答もある程度見受けられました。

外部リンク施策においては、「どこからのリンクか」だけでなく、「どのような関連性を持つか」が重要視されていることが明らかとなりました。
検索エンジン評価を向上させるためには、単に被リンクの数を増やすだけでなく、業界との関連性やサイトの信頼性も考慮に入れた戦略的なアプローチが求められます。
また、外部リンク施策においてドメインランクを意識しているかには様々な意見が寄せられました。
「外部リンク施策において、ドメインランクを意識していますか?」という問いに対し、最も多くの回答が「参考にしているが、最も重要視しているわけではない(38.7%)」であり、次いで「意識しているが、施策を実行していない(28.3%)」や「常にドメインランクを意識している(22.8%)」という結果が得られました。

SEO施策におけるドメインランクは重要な指標でありながら、その評価が唯一の基準とならないことも明らかとなりました。
外部施策では、ドメインランクだけでなく、サイトの関連性やコンテンツの質など、さまざまな観点から評価が求められます。
調査結果から、SEO施策において外部リンク施策が内部施策と同様に重要であることが示されましたが、効果を実感するまでにはどの程度の時間がかかるのでしょうか。
「外部リンク施策において、効果が実感できる期間はどのくらいですか?」という質問に対し、「1ヶ月以上〜3ヶ月未満(40.1%)」と回答した方が最も多く、次いで「3ヶ月以上〜6ヶ月未満(36.3%)」や「6ヶ月以上(11.4%)」が続きました。

外部リンク施策の効果が現れるまでの期間は1ヶ月から6ヶ月程と考える方が多いことが分かります。特に、1ヶ月以上〜3ヶ月未満で効果を実感できるケースが多く、比較的早期に結果が出る場合も見受けられます。
それでも、6ヶ月以上の長期間が必要な場合も一定数あり、SEO施策の性質上、即効性よりも中長期的な視点が求められることが分かります。外部リンク施策は短期的に成果を上げるものではなく、長期的な戦略で計画し、継続して質の高いリンクを獲得することが求められます。
調査結果を踏まえて、企業のSEO施策における注力ポイントは、内部施策を基盤としつつ外部施策の戦略的アプローチを強化することが確認されました。
まとめ
本調査の結果、多くの企業がSEO施策にあたり内部施策を優先し、特にキーワードの最適化やコンテンツの質向上に注力していることが明らかになりました。
一方、外部施策も重要視されており、リンクの質や関連性が評価基準として重要な役割を果たしています。
また、外部リンク施策の効果が現れるには一定の時間が必要であり、短期間での成果を期待するのは難しいと分かりました。
そのため、SEO施策全体では内部施策と外部施策を適切に組み合わせた、中長期的な視座での取り組みが必要です。
出典元: 株式会社PRIZMA