
決算セールの季節がやってきました。
近年、ECサイトの利用頻度が世代ごとに異なることや、消費者がどのような要因を重視して購入を決めるのかを理解することは、EC事業者にとって一段と重要性を増しています。
株式会社PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)は、年に1回以上ECサイトで買い物を行うZ世代(15~27歳)、Y世代(28~42歳)、X世代(43~58歳)の515名を対象に、「セール・キャンペーンに備えた世代別EC利用調査」を行いました。
本記事では、世代間における購入頻度や人気の商品カテゴリーの差異、セール時における購買意識についての調査結果を分析し、EC事業者が今後採るべき戦略形成のためのヒントを盛り込みます。具体的に実践可能なマーケティング施策についてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
この記事の目次
各世代のECサイト利用頻度は?
まず、「Q1. ECサイトの買い物頻度について教えてください」との質問結果は以下の通りです。

全体の結果として、最も多い回答は「数ヵ月に1回(28.4%)」で、次いで「月に2~3回(24.9%)」、「月に1回(23.3%)」と続きました。
Z世代では「数ヵ月に1回(29.7%)」、X世代では「数ヵ月に1回(30.8%)」が最多であり、Y世代では「月に2~3回(28.1%)」という利用が最も多くなっています。
このデータから、各世代によって利用の頻度が異なり、Z世代およびX世代が「数ヵ月に1回」の利用が中心であるのに対し、Y世代は比較的高頻度でECサイトを利用していることが明らかになりました。
ECサイトでの購入商品カテゴリーと1回あたりの購入金額は?
次に「Q2. ECサイトで最もよく購入する商品カテゴリーを教えてください」と尋ねた結果は以下の通りです。

全体的に見ると、最も多かったのは「ファッション/アパレル(22.3%)」であり、次いで「パーソナルケア(21.9%)」、さらに「ホビー/ライフスタイル(20.0%)」という結果が続きました。
世代別の分析では、Z世代は「パーソナルケア(34.9%)」が圧倒的に多く、Y世代では「ファッション/アパレル(26.3%)」が最多、X世代では「フード/ドリンク(26.7%)」が最も多いという結果が得られました。
この事から、世代による商品カテゴリーの嗜好が明確に現れ、Z世代は美容関連商品、Y世代はアパレル商品、X世代は食品関連にニーズが高いことが示されています。
さらに、「Q3. ECサイトでの買い物で1回に使う金額を教えてください」と尋ねた結果は以下の通りでした。

全体では「1,000円以上~3,000円未満(39.8%)」が多く、次いで「3,000円以上~5,000円未満(29.1%)」、「5,000円以上~10,000円未満(17.9%)」が続きました。
世代別では、全世代で最も多かったのが「1,000円以上~3,000円未満」の金額帯で、X世代では「10,000円以上(9.3%)」の割合が他の世代に高い傾向が見られました。
したがって、EC事業者は各世代に応じた価格帯の商品やキャンペーンを展開することが効果的と考えられます。
ECサイト訪問のきっかけは?
次に「Q4. 購入する前に、その商品を知ってECサイトを訪れるきっかけは何ですか?(複数回答可)」という質問に対する結果は以下の通りです。

全体的に最も多かったのは「検索エンジン(41.2%)」で、次いで「ECサイト内のおすすめ商品や特集ページ(29.5%)」、さらに「YouTube広告や動画レビュー(17.5%)」、「SNS広告(16.1%)」が続きました。
世代別に見ると、Z世代では「検索エンジン(33.1%)」に続き「YouTube広告や動画レビュー(25.0%)」が多く、Y世代では「検索エンジン(42.7%)」がもっとも多く、一方で「ECサイト内のおすすめ商品や特集ページ(30.4%)」も良い割合を示しました。
X世代では「検索エンジン(47.7%)」が圧倒的に多く、続いて「ECサイト内のおすすめ商品や特集ページ(38.4%)」が多いことが分かります。
この結果から、Z世代はSNSや動画広告などの視覚的なコンテンツから影響を受けやすく、X世代・Y世代は検索エンジンやECサイトの特集ページなどのより直接的な情報源を重視していることが分かります。
ECサイトの大規模セールやキャンペーン時の購入頻度と金額は?
近づく決算セールなどの開催時期において、「Q5. ECサイトで大規模セールやキャンペーンがあるとき、購入の頻度はどのくらいですか?」という質問に対する結果は以下の通りでした。

全体では「気になる商品がある場合のみ購入する(42.9%)」が最も多く、世代別ではZ世代が「気になる商品がある場合のみ購入する(37.2%)」が多く、また「多くの場合購入する(22.1%)」という割合も高く見られました。
Y世代では「気になる商品がある場合のみ購入する(43.3%)」が中心で、X世代もその割合が高く「48.3%」と半数近くに達しています。
このことから、一般的に「セール時でも興味のある商品がなければ購入しない」という傾向が見受けられます。
セール・キャンペーンで「お得感」を感じる条件は?
次に「Q8. セール・キャンペーンで「お得感」を感じる条件は何ですか?(複数回答可)」という質問結果は以下の通りでした。

全体で最も多く見られたのは「割引率が高い(70.0%)」で、次いで「ポイント還元率が高い(52.6%)」、「送料無料(52.0%)」が続きます。
世代別では、Y世代が「割引率が高い(76.3%)」の割合が特に目立ち、X世代では「ポイント還元率が高い(61.0%)」が他よりも重視されています。
さらに、Z世代は「おまけやノベルティ(12.7%)」などの購入特典に対する関心が他世代よりも高いことが顕著でした。
セール・キャンペーン前の告知情報の入手先と、購入検討における参考情報源は?
次に「Q9. セール・キャンペーン前に告知情報はどこで知りますか?(複数回答可)」との質問結果は以下の通りです。

全体では「ECサイトや公式アプリからの通知(58.3%)」が最多であり、次いで「SNSの公式アカウントの投稿(21.6%)」、さらに「YouTubeやTikTokの動画広告(18.9%)」が続きました。
世代別に見ると、X世代は「ECサイトや公式アプリからの通知(71.7%)」の割合が非常に高く、Y世代でも「ECサイトや公式アプリからの通知(56.9%)」が多く見られました。
対照的に、Z世代では「SNSの公式アカウントの投稿(31.0%)」や「YouTubeやTikTokの動画広告(26.6%)」が多く、SNSや動画コンテンツを通じた情報収集が顕著です。
まとめ
株式会社PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)は、年に1回以上ECサイトで買い物をするZ世代(15~27歳)、Y世代(28~42歳)、X世代(43~58歳)の515名を対象に「セール・キャンペーンに向けた世代別EC利用調査」を行いました。
調査の結果、ECサイト利用の頻度では、Z世代とX世代が「数ヵ月に1回」の利用が多いのに対し、Y世代は「月に2~3回」が最も多く、日常的にECサイトを利用している傾向が明らかになりました。
商品カテゴリーでは、Z世代がパーソナルケア商品を好み、Y世代が主にファッション、X世代は食品を選択する傾向が見られ、世代ごとのライフスタイルやニーズに応じた選好の違いが表れています。
さらに1回あたりの購入金額は、Z世代とY世代が比較的低額の商品を購入する傾向を見せる一方で、X世代は高額商品の割合が高いことも分かりました。
これらの調査結果を反映して、世代ごとの消費行動に基づく戦略の検討が、激化するEC市場での差別化につながるでしょう。大規模セールやキャンペーンは顧客単価を引き上げるチャンスであり、世代に合った情報提供や訴求が必要不可欠です。
調査結果を活かし、世代に寄り添った顧客体験を提供することで、消費者の関心を引き寄せ、長期的な顧客ロイヤルティの向上につながることが期待されています。
出典元: 株式会社PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)