
SNSは企業活動において欠かせないツールとして位置づけられており、広報、ブランディング、営業、採用などの多様な分野で活用が進んでいます。しかし、SNSを効果的に運用する具体的な方法に悩む企業担当者も少なくありません。
株式会社PRIZMAは、SNSの企業活用に関する実態を明らかにするために、マーケティング、経営、営業、広報、人事の担当者(BtoB)250名を対象とした「SNSの活用実態調査」を実施しました。この調査では、企業名を掲げた活用実態も明らかにされています。
この記事の目次
調査設問
1. どのような形態でSNSアカウントを運営していますか?
2. 主に活用しているSNSはどれですか?
3. SNSアカウントを運営する目的は何ですか?(複数回答可)
4. SNSアカウントで主に投稿している内容を教えてください(複数回答可)
5. フォロワー数/つながり数を増やすために主に実施している施策は何ですか?(複数回答可)
6. DMでの営業活動を行う際、1回あたりに送信する数はどれくらいですか?
7. DMの送信内容で最も効果的だと感じる文面のタイプはどれですか?
8. 1回のDM送信でどの程度の反応(返信率)がありますか?
9. DMから商談に繋がる割合(商談化率)はどのくらいですか?
10. DM送信後、返信がない場合、どのようなステップでアクションを取ることが多いですか?(複数回答可)
※原則として小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がございます。
以下に、調査結果の一部をご紹介いたします。
SNSの活用状況について徹底調査!最も多く利用されているプラットフォームは?
調査の初めに、SNSの運営形態及び最も普及しているプラットフォームに関する詳細な結果が得られました。
「Q1. どのような形態でSNSアカウントを運営していますか?」という問いに対し、
『企業公式アカウント(76.3%)』が主要な形態となり、『経営者個人アカウント(6.1%)』や『マーケティング担当者個人アカウント(6.1%)』が次いで多い結果となりました。

アカウントごとに「Q2. 主に活用しているSNSはどれですか?」という質問の結果は以下の通りでした。

全体的にInstagramやX(旧Twitter)の利用が目立ち、企業公式アカウントでは特にXが普及していることが分かります。経営者の個人アカウントではInstagramが主流で、マーケティング担当者はInstagramやFacebookを主に利用する傾向が見られます。また、営業や広報担当者にもInstagramの使用が多く、人事担当者はXを中心に運営していることが確認されました。
各アカウントの運営目的が明らかに!
次に、「Q3. SNSアカウントを運営する目的は何ですか?」という問いに対して、調査結果は以下のようになっています。

企業公式アカウントや広報担当アカウントでは「企業やブランドの認知度向上」が主な目的とされています。一方、経営者や営業担当者のアカウントでは「自社商品やサービスの紹介」が重視されていることが分かりました。また、人事担当者にとっては「採用活動に関する情報発信」も重視されています。
企業公式アカウントでは、視覚的なプラットフォームでのストーリー機能を活用し、リンクの共有を行うことが可能です。営業アカウントではDMを用いた営業活動が盛況で、顧客との対話や関係構築が特に求められています。
SNSアカウントで主に投稿している内容とは?
「Q4. SNSアカウントで主に投稿している内容を教えてください」という質問の結果は以下の通りでした。

投稿内容にはアカウントの性質及び担当者の役割に応じた違いが見受けられました。企業公式アカウントでは「自社商品やサービスの紹介」が主な投稿テーマであり、個人アカウントでは「役に立つ情報」や「フォロワーとの親近感を感じさせる投稿」が多くみられ、特に営業や広報のユーザーはフォロワーとの親近感を重視する傾向があります。
フォロワー数/つながり数を増やすために最も実施している施策は「投稿頻度を増やす」
「Q5. フォロワー数/つながり数を増やすために実施する施策は何ですか?」という質問に対し、『投稿頻度を増やす(47.1%)』が最多で、次いで『ハッシュタグの効果的な使用(35.3%)』や『特別企画などのキャンペーン実施(34.0%)』が続きました。

投稿頻度を増やすことは基本的な施策として広がっています。また、ハッシュタグの活用や他アカウントとのコラボレーションを通じた認知度向上も効果的とされています。
「DMを活用した商談や営業活動」について深堀り!最も効果的だと感じる文面とは?
質問「Q3. SNSアカウントを運営する目的」に対して「DMを活用した商談や営業活動」という選択をした回答者に対し、具体的な実施内容を探りました。
「Q6. DMでの営業活動で、1回あたりに送信する件数はどれくらいですか?」という質問に対し、『11~15件(31.6%)』が最多で、次いで『6~10件(22.1%)』や『16~20件(18.4%)』が続きました。

さらに、「Q7. DMの送信内容で最も効果的だと感じる文面タイプは?」との質問には、『自社商品・サービスの具体的なメリットを強調する内容(27.9%)』及び『相手の課題解決を提案する内容(27.9%)』が最多で、次いで『カジュアルな内容(17.7%)』や『相手の投稿や興味に沿ったパーソナライズした内容(16.9%)』が挙げられました。

特に、課題解決型の提案や具体的なメリットを提示する文面が効果的であることが示唆されています。DM内容には、具体性と相手への配慮が求められます。
1回のDM送信の返信率や商談化率は?返信率・商談化率が高い方が送信している文面タイプの傾向も
「Q8. 1回のDM送信での反応(返信率)はどのくらい?」という問いに対して、『6~10%(37.5%)』が最多で、続いて『1~5%(25.0%)』や『11~20%(22.8%)』が上がりました。
また、「Q9. DMから商談に繋がる割合はどのくらいですか?」との質問には、『6~10%(38.1%)』が最も多く、次いで『1~5%(28.4%)』や『11~20%(24.6%)』が続きました。

加えて、【1回のDM送信において返信率が11%以上の方】【DMから商談に繋がる割合が11%以上の方】では、効果的な文面のポイントとして、『相手の課題解決を提案する内容』、『自社商品の具体的なメリットを強調する内容』、『相手の興味に基づいたパーソナライズドな内容』が高評価されました。

返信率や商談化率が高いDM内容に共通しているのは、受け手にとっての有益性が高く、個別に対応されている印象を与えることで反応が得やすくなっていることです。一般的な事例の紹介やキャンペーン告知では、ターゲットの関心を惹くには不十分と考えられます。
DMの返信が得られない場合の対策法で最も多いのは「相手の投稿やストーリーにいいね・コメントをする」こと
「Q10. DM送信後、返信がない場合、どのようなアクションを取ることが多いですか?」という問いに対して、『相手の投稿やストーリーにいいね・コメントをする(52.9%)』が最も多く、次いで『フォローアップとして有益な情報や資料を送る(47.8%)』や『別の文面で再度DMを送る(45.6%)』が挙げられました。

この結果から、多くのユーザーがDMの返信が得られない場合、直接的な再送信よりも「いいね・コメント」をしたり「有益な情報の提供」を通じて、潜在的なターゲットとの関係構築に努めていることが伺えます。
このようなアプローチは、フォロワーとの接点を増やしつつ、再送信の負担感を軽減する効果が期待されます。ターゲットから早々に外すことなく、持続的な接触を図る姿勢が広まっています。
まとめ
今回の調査を通じて、株式会社PRIZMAはSNSを利用した企業の広報、ブランディング、営業等に関する実態を明らかにしました。SNSの利用には多様な目的とそれに伴う戦略が存在し、主にInstagramが選ばれる傾向が見受けられます。また、X(旧Twitter)やFacebookも同様に利用され、多様なアプローチが求められています。
運営形態としては企業公式アカウントが主流で、認知度向上が重視されていますが、営業活動や採用においても直接的な成果を期待する要因となっています。投稿内容は商品やサービスに関連する内容が中心で、専門的な知識を発信する場としての役割も果たされています。しかし、フォロワー数増加の施策には投稿頻度の増加、ハッシュタグの活用、キャンペーン実施が一般的に行われています。
SNSは企業活動において、顧客やターゲットとの双方向のコミュニケーションを通じて重要性が増しており、今後はよりパーソナライズされた戦略や多様なアプローチが展開されることでしょう。
出典元:株式会社PRIZMA プレスリリース