BEENOS株式会社(東証プライム:3328、所在地:東京都品川区、代表取締役:直井聖太、以下BEENOS)は、2024年(1~9月)の越境EC販売動向に関する調査結果を発表しました。この調査は「Buyee(バイイー)」に焦点を当てています。
2024年の越境ECにおける注目の消費キーワードは「趣味大国無双消費」です。日本は多様な興味や趣味を持つ人々に向け、アニメやコンテンツ、釣り、ゴルフなどのスポーツやレジャー商品、さらには日常必需品まで、個性的かつ高品質な商品を手軽に手に入れることのできる「趣味大国」としての地位を確立しています。この年は、日本のドラマやアニメなどの創作物に対する世界的な関心の高まり、観光を通じた日本の重要性の増加、円安の影響により、海外の趣味愛好者たちが独自性あふれる製品を積極的に購入しています。

●背景
Buyeeの流通総額は安定した成長を続けており、2024年9月期には774億円を超え、前年比で12.5%の増加を記録しました。この成長の要因として、特に海外の消費者による「趣味大国無双消費」の活発な動きが挙げられます。2024年には為替市場で1ドル160円を超える割合も見られ、この状況が海外の購買行動を後押ししています。さらに、1月から10月の訪日インバウンド数は過去最高の3000万人を突破し、2024年7-9月期の外国人消費額は1兆9,580億円(税込、前年比41.1%増、2019年同期比64.8%)に達し、リアル消費も著しく拡大しています。
BEENOSは日本企業の海外展開を支援することを目的として、越境ECサービス「Buyee(バイイー)」の購買データに基づいて海外の消費動向を継続的に発信しています。「趣味大国無双消費」の基盤には、外国人にとって魅力的とされる日本のソフトパワーが存在しています。このため、ソフトパワーに特化した越境ECとの関連を探ることで、さまざまな分野で競争力を持つ日本企業がその商品魅力をグローバルに広める手助けを目指しています。

2024年において、最も購入件数を記録した商品カテゴリは「トレーディングカード」です。2023年では4位にランクインしていたカテゴリですが、日本国内および国際的に商品の人気が高まり、商品の多様化と増刷が進められる中で、市場における流通数が増加し、海外ユーザーがより購入しやすい環境が構築されています。

昨年と比較してカテゴリの成長率が最も高かったのは「アニメ・コミックグッズ」であり、日本のアニメ作品が動画配信プラットフォームなどを通じて世界のファンに届けられることで、各地域にファンが混在し、国内では入手困難なグッズの購入が越境ECを通じて行われることによって成長が見られています。

アニメ・コミックグッズはヨーロッパ、東アジア、東南アジア、北米の4エリアで成長率1位にランクインしており、中東や中南米でもトップ3入りを果たしています。この結果は、世界的にその人気が浮き彫りとなるものです。さらに購入数が増加したユーザー層は、各エリアで10代の男女であることが確認され、2023年の傾向と同様に若い世代の越境EC利用が進行していることを示しています。

おもちゃ・ホビーの分野では、「プラモデル・模型」として知られるガンプラやゾイドが人気を集めています。また、キャラクタードールとして、リカちゃん人形やドルフィードリームが支持されています。続いて、仮面ライダーやスーパー戦隊に代表される「ヒーローごっこ、格闘」が3位にランクインしました。

トレーディングカードのカテゴリにおいて、ポケモンカードゲームが圧倒的な1位を占めています。購入者は、まとめ買いやパック購入よりも特定のカードを選ぶ傾向があり、欲しいカードを一枚ずつ購入することが多く見受けられます。また、K-POPアーティストのトレーディングカードも人気があり、海外での需要が高まっています。

飲食品全体では、海外輸出が好調な酒類や調味料、お茶が上位に名を連ねています。また、訪日インバウンドでも人気のラーメンジャンルでは、越境ECにおいても大手の日清食品やサンヨー食品に続き、マルタイ、一蘭、ヤマダイがトップ5に入っています。

ビューティー・ヘルスケア分野では、サプリメントを扱うDHCとFANCLが人気を集めています。日本に対する健康や安全、安心のイメージがこの結果を反映しています。また、日本ブランドでは資生堂、CANMAKE、SUQQU(スック)、ルベル、オリヒロがランクインし、トップ10のうち7ブランドが日本企業となっています。

カメラ・光学機器商品では、フィルムカメラがトップの座を占めています。その後、コンパクトデジタルカメラやレンズが続き、人気のメーカーとしてはCANON、Nikon、OLYMPUSが上位を涵養し、人気ブランドランキングの上位10社のうち、ライカを除く9社が日本のメーカーで構成されています。

自動車・オートバイ分野ではカーパーツが人気で、外装品や内装品、エンジン部品が特によく取引されています。人気メーカーランキングでは、ホンダやトヨタ、日産が名を連ね、続いてパイオニアがカーナビゲーションを販売し、4位に位置しています。

ファッションカテゴリでは、レディース・メンズともにアパレルのトップスが非常に人気となっています。国や年代、性別によって購入者を細かくセグメントし、購入金額を基にしたコアユーザーランキングでは、アメリカの20~40代の男女が上位を占めています。

音楽分野においては、J-POPのアーティストAdoが最も人気を集めています。2024年8月に発表された上半期のランキングには、YMOやシンガーソングライターの美波も新たに名を連ねています。音楽商品の購入に関するデータでは、CD、レコード、カセットのうち、レコードが21.5%を占める結果となっています。

「本・雑誌」カテゴリでは、「マンガ、コミック」が特に人気の商品ジャンルとなっています。特に購入数が多いマンガ作品には、「ドラゴンボール」(鳥山明)がスペインで、「ハイキュー!!」が台湾で、「ワンピース」(尾田栄一郎)がアメリカで売れています。このように国によって異なる人気作品が見受けられます。

スポーツ・レジャー・アウトドアカテゴリでは、釣り用品が非常に人気があり、釣り具のトップブランドとして、シマノ、ダイワ、メガバス等の日本ブランドが9つを占めています。4位にはアブガルシアが名を連ねており、ゴルフブランドにおいても日本のミズノが2位となり、本間ゴルフ、プロギア、ダンロップ、三浦技研もトップ10入りを果たしており、日本ブランドが5つを占める結果となりました。

趣味大国日本には、海外の顧客にとって非常に魅力的な商品が流通しています。アニメやマンガ、音楽関連商品だけでなく、食料品、自動車、釣りやゴルフなどのレジャー商品に至るまで、日本ブランドは広く支持を集めています。
出典元:BEENOS株式会社