
前回の記事ではファンマーケティングの基本知識やD2C業界で注目されている理由についてお話ししました。従来のマーケティングだけでは新規獲得の難易度が上がってきている昨今に対し、いかに「ファン」を育てていくか、ブランドをファンと育てていくか、を掲載しています。
今回はファンマーケティングの中でも、実際に顧客からの紹介で認知拡大や新規顧客獲得を行う導線にあたる「お友達紹介キャンペーン(リファラルマーケティング)」についてお話しをさせていただきます。
この記事の目次
お友達紹介キャンペーンとは?
お友達紹介キャンペーンとは、リファラルマーケティングというマーケティング手法の施策の一つで、商品・サービスを利用してくれたユーザーが親しい人(友人・知人・家族)に紹介することで、認知度や利用者を拡大させていくことを狙いとしています。
既存顧客が新規顧客を紹介することで、ポイントや割引、プレゼントなどの特典を受け取ることができます。新規顧客も同様の特典を受けとれるため、Win-Winの関係を築くことで、商品・サービスの利用促進が期待できるのです。
D2C事業でお友達紹介キャンペーンに取り組むべき理由
ここからはお友達紹介キャンペーンに取り組むべき理由について解説します。
今まで獲得できていた層とは別の層に低価格でアプローチできる
お友達紹介キャンペーンでは既存顧客への呼びかけが前提になるため、広告費を掛けて不特定多数へのアプローチをする必要がありません。また、既存顧客が声をかける層は企業が設定するペルソナとは異なる層へのアプローチも含まれるため、広告からの流入経路では獲得しえなかった層へのアプローチにも繋がる可能性があります。
情報過多で困惑している見込み顧客を導くことができる
通販事業者を含め、物販事業への参入が増加し、同じような機能/効能の商品・サービスがあふれ、何が自分にとって最適解なのかを判断することが難しくなってきました。
また、情報発信の手段はInstagramやYouTubeなどのSNSにも広がり、情報発信者も企業だけでなくインフルエンサーや個人も増えました。商品・情報発信媒体・情報発信者それぞれが増加し情報の取捨選択が必要になる中、身近な人からの経験に基づく紹介は、信頼できる情報源になっています。

ロイヤルカスタマーの割合を測る指標になる
ロイヤルカスタマーとは、ただ何度も商品やサービスを購入してくれている顧客ではなく、商品やサービスに対して愛着を抱いてファンとして定着してくれる顧客を指します。ただ何度も購入してくれている顧客の中には代わりになる商品・サービスがないから、他で買うのが面倒だから、という顧客もいるかもしれません。
しかし、紹介をしてくれる顧客はそうではありません。仲の良い相手に商品・サービスを紹介するという行為は、問題があった場合に友好関係にヒビが入るリスクがある分、自信を持てないと紹介という行動にまで到達することは難しいです。そのため、紹介をする人=「リスクを犯しても行動に移すくらい自信がある」という、商品・サービスに愛着を持ってくれている人と言っても過言ではないでしょう。つまり紹介者はロイヤルカスタマーと判断できます。
「自社商品を紹介してくれる顧客」=「ロイヤルカスタマー」と捉えて、自社のロイヤルカスタマー戦略の一つの指標として扱うことが可能です。
お友達紹介キャンペーンのメリット・デメリット
それではお友達紹介キャンペーンを行う上でのメリット・デメリットを確認していきましょう。
お友達紹介キャンペーンのメリット
紹介経由の顧客は広告からの獲得顧客より継続率が高い
お友達紹介キャンペーン経由の顧客は広告経由の顧客よりも継続率が高くなります。というのも、既存顧客が紹介する新規顧客は、似たような悩みやニーズを抱えていることが多いからです。
昔より紹介をしやすい環境がある
SNSが発展した今、一般人同士のコミュニケーションは、SNSが発展していなかった昔と比べて格段に気軽になりました。仲の良い知人とコミュニケーションをとる頻度が増えることにより、提供できる話題の数も増えています。既存顧客の頭の中に、商品・サービスの印象が強く残っていれば、その商品・サービスで解決できる悩みの話題になった際に気軽に紹介しやすい環境ができています。
このような環境下で、日頃から紹介キャンペーンがあることを顧客に印象づけることができれば、日常会話の中で自然と紹介が行われる条件が整っていると言えるでしょう。
お友達紹介キャンペーンのデメリット
キャンペーン運営には運用コストがかかる
お友達紹介キャンペーンは、それを管理するシステムがないと余計なコストやリスクに繋がる可能性があります。
例えば、自動で管理できる機能がない場合、どの顧客が誰に紹介してくれたのか照合作業やインセンティブの付与を管理する工数がかかります。また、管理がうまくいかなかった場合、紹介したのにインセンティブが貰えなかったというクレームに繋がる可能性もあります。
効率的かつリスクを抑えて運営するために、手間がかからないシステムの導入を検討しましょう。
既存顧客/ファンがいないと効果が薄い
当たり前のことですが、紹介は紹介元となる既存顧客がいなければ発生しません。また、ただ商品を手に取ってもらったことがある顧客ではなく、その商品を使って気に入ってくれた顧客=ファンを作る必要があります。まずは商品を手に取ってくれた人がファンになってくれるように商品・サービスの質を上げ、他社よりも自社ブランドに愛着を持ってもらうための購入体験を設計することが不可欠です。
金銭的なメリットだけでは紹介に繋がりにくい
よくある500円OFFキャンペーンや5%OFFクーポンだけでは顧客の心は動かず、積極的な紹介行動には移りません。というのも、お友達紹介キャンペーンを顧客が利用するには次の工程が発生します。
- 通販サイトにログインする
- 紹介キャンペーンを開く
- 紹介用のURLやコードを取得する
- 友達に紹介する
上記の工程を踏んででも紹介したくなるようなキャンペーン設計が必要です。面倒という感情を超えてでも顧客が紹介したくなるようなメリットを見せていきましょう。
お友達紹介キャンペーンの事例
Dropboxのお友達紹介キャンペーン
Dropboxはオンライン上で多くの情報を管理できる「クラウドストレージ」のサービスです。Dropboxでは友達を1人紹介するごとに500MB無料容量をプレゼントしています。
金銭的な見返りではなく「利用できるサービス範囲の拡大」といったインセンティブを取り入れた先駆けとも言える紹介キャンペーンの一つです。
実際に紹介キャンペーンを導入した後、15か月で400万人の顧客を獲得したと言われています。
GALLEIDOのお友達紹介キャンペーン
「GALLEIDO DENTAL MEMBER」は、電動歯ブラシやシャワーヘッドなどの日用品のサブスクリプションサービスです。これまで25,000人以上に利用されているサービスで、歯ブラシ本体は初年度無料で利用できる、手軽に始められるサービスとなっております。
お友達紹介キャンペーンは、紹介元も被紹介者もシャワーヘッドや電動歯ブラシなど、好きなサブスクリプションを月額1円で体験できるという内容です。
金銭的なインセンティブではありますが、まずは気軽に使ってみようと思ってもらいやすい体験にフォーカスをしたインセンティブでもあると言えるでしょう。
成功のためのポイント
ここからはお友達紹介キャンペーンを成功させるためのポイントを解説していきます。
手軽に管理できる仕組みづくり
管理できる仕組みづくりはキャンペーンを行うにあたり最重要ポイントの一つです。紹介者/被紹介者の管理、ポイント付与/割引/プレゼントなど、管理すべき項目は多数あります。これらをオートマチックに管理していけるようにシステムなどの導入を検討するなど、効率的な運用ができる仕組みづくりをしましょう。
紹介の導線を認知させる
お友達紹介キャンペーンを始めたとしても、既存顧客がそのキャンペーンを認知していないと紹介は発生しません。同梱チラシで紹介するだけではなく、よく目にするところにキャンペーンの導線を設置し繰り返し情報を共有することで、日常の何気ない会話の際に既存顧客がお友達紹介キャンペーンを想起できるレベルで覚えてもらえるように認知を広げましょう。
接客の最適化を
お友達紹介をしてもらうにあたり、まず既存顧客にファンになってもらう必要があります。お友達紹介キャンペーンの導線を作るだけではなく、顧客体験からファン化が促進できる設計をしましょう。
通販サイトの購入導線から商品のお届け、同梱物/メルマガなどの情報発信など、顧客との接点は多数あります。一つ一つを各顧客に最適化することで、同じような商品を目にしたときにも顧客が離れない、他社が真似できないサービス設計をしましょう。
購入体験にフォーカスした設計をする
昨今の市場では500円OFFのようなキャンペーンはよく目にするようになり、少額の割引キャンペーンの特別感はなくなってきています。紹介導線が複雑になる分、小さなメリットでは顧客を動かすきっかけにはなりづらくなってきています。
だからこそ、お友達紹介キャンペーンで紹介元と被紹介者を動かすにはお得に見えるだけではなく「これなら使ってみたい」と思えるような体験ベースでの特典をつけると効果的です。
例えば、化粧品であれば、美容液のサンプルをプレゼントするなど、一緒に使うことでより効果的な体験ができる内容を設定しましょう。
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