株式会社電通は、株式会社電通マクロミルインサイトとの協働プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN(デンツウ・デザイア・デザイン、以下「DDD」)」において、消費に対する「欲望(Desire)」の増減を予測する「欲望未来指数」の最新版を公開しました。これまで高い水準を保っていた直近3回の調査結果と比較すると、物価上昇や中東地域の情勢に対する警戒感などを背景に数値が低下し、消費意欲が減少する傾向にあることが明らかになっています。

この記事の目次
「欲望未来指数」の最新版について
「心が動く消費調査」と最新の「欲望未来指数」
DDDでは、2021年5月より「心が動く消費調査」を継続的に実施しています。この調査をベースに算出される「欲望未来指数」は、物価や景気、経済状況といった外部要因だけでなく、「欲しい・したい」という消費者の内面的な気持ちの変化を可視化したものです。現代の消費者が保有する43種類の「根源的欲求」と105種類の「価値観基盤」、さらに「これから欲しいもの・したいこと」といった具体的な消費意欲をベースに算出されています。
2026年5月に実施された「心が動く消費調査」に基づく最新版の「欲望未来指数」は234.0となり、前回調査と比べて16.0ポイントの減少、前年同月と比較すると19.9ポイントの減少という結果になりました。直近3回の調査結果との比較においても減少傾向が見られ、これまで高水準で維持されてきた活発な消費意欲に変化の兆候が現れてきています。経済状況や国際情勢を背景とした社会全体の心理的影響により、消費者の欲望の総量が低下し、また欲望の向かう先が変化していると分析されています。

「11の欲望」の詳細分析
「11の欲望」は、「心が動く消費調査」から得られたデータを活用し、人間の消費行動を駆り立てる感情を11種類の欲望として可視化したものです。最新版の調査では、自由と安楽を求める「2.無理のない自由への欲望」や、健康と平穏を求める「3.心身平常運転の欲望」が、それぞれ前回比で40ポイント以上減少するなど、合計6つの欲望が減少しました。これが欲望未来指数の下降傾向における主要な要因となっています。これら2つの欲望は、本調査を開始した2021年5月から一貫して他の欲望と比較して高いポイントで推移しており、特にコロナ禍以降は日本人の欲望の中核を担ってきた存在でした。全体に占める比重が大きい分、欲望の総量が減少する中で減少幅も大きくなったと考えられます。
一方で、探求と創造を求める「5.腕を磨いたから、腕試し欲望」は前回比で18ポイント増加し、承認と優越を求める「1.他人という鏡に映した欲望」は前回比で5ポイント増加するなど、合計4つの欲望が増加傾向を示しており、消費者の欲望が移行している様子が明確になりました。特に「挑戦したい・成長したい」「何かを創りたい」などのスキルアップや自己投資に関する欲望である「5.腕を磨いたから、腕試し欲望」は、前回まで減少傾向が続いていましたが、今回上昇に転じたことで注目されています。2022年5月以来4年ぶりに「3.心身平常運転の欲望」を上回る結果となり、今後の消費を牽引する欲望として期待されています。

消費者の欲望の変化と今後の展望
「自由でいたい・縛られたくない」「健康でいたい・健康になりたい」という欲望は、コロナ禍後の消費行動を牽引してきた主要な要素でした。しかし、今回の調査結果からは、暮らしや日常を守るための基盤づくりではなく、探求や承認といった暮らしを豊かにするもの・コトにお金を使いたいという消費者の志向が読み取れます。例えば、昨今流行しているシール収集についても、単に集めることが目的ではなく、自分の感性を編集し、友人関係の中で交換し、SNS上で披露するための自己表現手段になっていると解釈できます。

今後の取り組みについて
電通は今後も、人々の消費行動を駆り立てる感情である「欲望」の視点を組み込んだ消費者理解を追求していくとしています。より深いカスタマージャーニー(顧客の製品・サービスの購入に至るまでの過程)設計、PDCAの仕組みづくりなどの支援を通じて、企業のマーケティング活動の高度化や効率化に貢献していく方針です。

「DDD」および「11の欲望」は、電通が提唱する、事業成長のための次世代マーケティングモデル「Marketing For Growth」の4つのプロセスのうち、「Mechanism Resolving(市場構造解明・インサイト解明)」に該当するサービスとなっています。
調査概要
第12回「心が動く消費調査」の概要は以下の通りです。
- 対象エリア:日本全国
- 対象者条件:15~74歳
- サンプル数:計3000サンプル(15~19歳、20代~60代、70~74歳の人口構成比に応じて割り付け)
- 調査手法:インターネット調査
- 調査時期:2026年5月13日(水)~5月16日(土)
- 調査主体:株式会社電通 DENTSU DESIRE DESIGN
- 調査委託先:株式会社電通マクロミルインサイト
用語説明
DDDは、人間の消費行動に強く影響を及ぼすドライバーとなる感情を「欲望」と定義し、消費者が消費に至るまでの動機や行動を研究した結果得た知見を、パートナー企業にソリューションとして提供するプロジェクトです。
DDDでは、お金を払って買ったものや体験で、心が満たされたり、テンションが上がったり、感動・刺激を受けたりなど、良い気分・気持ちが得られた消費を「心が動く消費」と定義しています。「心が動く消費」の背景に人々がどのような「欲望」を持ち、それが人々の消費行動に影響を与え、次の消費にいかにつながっていくかを定期的に調査しています。
出典元:株式会社電通












