縦型動画広告のCV17.01%が不正と判定、Spider Labsが調査結果を発表

株式会社Spider Labsが、2026年1月1日から4月30日にかけて同社が観測した縦型動画広告経由のコンバージョンデータについて分析を実施したところ、縦型動画広告経由で発生したコンバージョンのうち17.01%が不正なコンバージョンであると判定されたことが明らかになりました。

同社はマーケティングセキュリティSaaS「Spider AF」を展開しており、本社を東京都港区に構えています。代表取締役CEOは大月聡子氏が務めています。今回の調査では、同社の観測範囲において約6件に1件のコンバージョンが無効であったという計算結果が示されています。

不正と判定されたコンバージョンには、Botであると推定されるものや、同一のIPアドレスから短時間のうちに複数回コンバージョンが発生する「重複IPによる繰り返しCV」といった傾向が確認されました。こうした不正は、クリックの段階では判別が困難であり、コンバージョン地点に至って初めて表面化するケースも存在しています。AI自動最適化配信が普及する中、広告主や代理店においてはコンバージョン単位での品質管理が求められる状況となっています。

調査結果の概要

今回の調査結果について、主なポイントは以下の通りです。

  • 縦型動画広告経由のコンバージョンの17.01%が不正コンバージョンと判定されました
  • 約6件に1件のコンバージョンが無効であり、広告効果を過大に評価してしまう要因となっています
  • Botや同一IPアドレスからの繰り返しコンバージョンなど、クリック段階では見えにくい不正がコンバージョン地点で表面化しています
  • 特に美容クリニック・医療、FX・金融、採用・人材、EC・D2C、不動産などフォーム入力をコンバージョン地点とする業界で影響が表面化しています
  • 無効コンバージョンの混入は、広告AIの学習データを汚染し、"逆最適化"を招くリスクとなります
  • AI広告運用では、コンバージョン数だけでなくコンバージョン品質の管理と無効コンバージョンの除外が不可欠です

縦型動画広告経由のコンバージョン、6件に1件が不正判定

本調査の分析によると、縦型動画広告経由で発生したコンバージョンの17.01%が不正なコンバージョンであると判定されています。問い合わせフォームや予約フォームにおいては、架空の情報が入力されるケースが確認されており、例えば氏名に「あああ」、メールアドレスに「111@example.com」、電話番号に「000-0000-0000」といった明らかに無効な情報が使用されています。

このような無効なコンバージョンは、広告管理画面上では通常のコンバージョンとしてカウントされてしまうため、コンバージョン数やCPAといった指標だけを確認していると、広告効果を実際よりも高く評価してしまう恐れがあります。

特に今回の分析において、同一のIPアドレスから短時間に複数回のコンバージョンが発生する「重複IPによる繰り返しCV」の割合が高い傾向にあることが確認されました。こうした不正行為は、広告クリックの時点では正常なユーザーの行動に見える場合があり、コンバージョン地点に到達して初めて異常が明らかになるケースがあります。

無効コンバージョンがAI最適化に与える影響

縦型動画広告においては、AIによる自動最適化配信が一般的になっています。AIはコンバージョンの発生データを基に配信を最適化するため、無効なコンバージョンが混在した状態で学習が進行すると、「無効CVを生みやすい配信先」や「重複CVを発生させやすいユーザー層」を優良であると誤認する可能性があります。

本来獲得すべき見込み顧客ではなく、無効なコンバージョンを生むトラフィックに配信が偏ってしまう、いわゆる"逆最適化"が発生する可能性が指摘されています。

AI最適化時代の広告運用においては、コンバージョンの"量"だけではなく、コンバージョンの"品質"を管理し、無効なコンバージョンを学習データから除外する仕組みが不可欠であるとされています。

無効コンバージョンの影響が表面化しやすい業種とコンバージョン地点

無効なコンバージョンの影響は、特に「フォーム入力の完了」をコンバージョンとして計測している業種において表面化しやすい傾向が見られます。

具体的には、美容クリニック・医療業界では無料相談フォーム・予約フォーム、FX・金融業界では資料請求フォーム・口座開設申し込み、採用・人材業界では面接申し込みフォーム、EC・D2C業界では初回購入・定期購入申し込み、不動産業界では物件問い合わせフォームといったコンバージョン地点で影響が出やすくなっています。

広告主や代理店が広告効果を正確に把握するためには、広告管理画面上のコンバージョン数だけではなく、CRMや営業データと照合し、コンバージョン後の商談化・成約状況まで確認することが重要であると指摘されています。

広告主・代理店が確認すべき事項

無効なコンバージョンの混入を早期に発見するためには、以下の確認が有効とされています。

まず、コンバージョンとCRMを定期的に照合することです。広告管理画面上のコンバージョン数と、実際の商談数・成約数・有効問い合わせ数を照合します。

次に、同一IPアドレスからの繰り返しコンバージョンを確認することです。短時間に同一のIPアドレスから複数回のコンバージョンが発生していないかを確認します。

さらに、AIの学習データから無効なコンバージョンを除外することです。無効なコンバージョンを検知・除外し、クリーンなコンバージョンデータをAIに学習させることが推奨されています。

対策ソリューションの提供

Spider Labsでは、「Spider AF アドフラウド対策」というマーケティングセキュリティSaaSを提供しています。このサービスは、広告クリックからコンバージョンに至るデータを解析し、不正クリックや無効なコンバージョンを検知・ブロックする機能を持っています。

また、コンバージョン地点で発生する無効なコンバージョン対策として、「Spider AF Ad Booster」を提供しています。Ad Boosterは、フォーム送信からコンバージョン完了までの行動を基に不正なコンバージョンを判定し、有効なコンバージョンのみを広告媒体へ連携することで、広告AIの機械学習の正常化を支援します。

Spider AF Ad Boosterの主な機能

Ad Boosterには、コンバージョン地点での不正判定機能が搭載されています。架空情報によるフォーム入力、同一IPアドレスからの繰り返しコンバージョン、海外IPアドレスからの不自然なコンバージョンなどを検知します。

また、広告学習の正常化機能により、不正なコンバージョンを広告媒体へ連携するコンバージョンデータから除外し、媒体AIの学習データをクリーンに保つことで、逆最適化の防止を支援します。

無効なコンバージョンの可視化機能では、ダッシュボード上でコンバージョンデータや不正疑いコンバージョンの件数を確認でき、広告管理画面だけでは見えにくいコンバージョン品質を可視化します。

導入にあたっては、タグ設置のみで対応可能であり、技術的な工数は最小限に抑えられています。TikTok・Google・Meta・Yahoo!・LINEなど主要な広告媒体に対応しています。

調査の詳細について

本調査は、2026年1月1日から4月30日までの期間に実施されました。調査対象は、Spider AFが観測した縦型動画広告経由のコンバージョンデータであり、対象アカウント数は532、調査母数は44,246,500件となっています。調査方法は自社データベースを使用しています。

株式会社Spider Labsの概要

株式会社Spider Labsは、マーケティングセキュリティSaaS「Spider AF」の企画・開発・運営を行っています。アドフラウド・転売・無効なコンバージョン・アフィリエイト等へのセキュリティソリューションを提供しています。

本社所在地は東京都港区南青山7-10-3 南青山STビル4階で、代表取締役は大月聡子氏が務めています。設立は2011年4月です。

出典元:株式会社Spider Labs プレスリリース

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