
クラシル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:堀江 裕介)が、メーカー・卸・小売企業を対象としたAIエージェント「Kurashiru AI Supply Chain OS」の正式な提供を開始したことを発表しました。
同社はこれまでに、国内トップシェアを誇るレシピ動画サービス「クラシル」や、節約支援アプリ「レシチャレ」を通じて蓄積したレシピデータ、レシートデータ、チラシ閲覧データといった独自のデータ資産を活用してきました。さらに、累計4,400万ダウンロードという膨大な顧客基盤、3.5万店舗に及ぶ小売ネットワーク、大手企業との取引基盤を基盤に、販促・購買領域でのサービスを提供してきました。こうした強固な事業基盤を土台として、今回メーカー・卸・小売企業に特化したAIエージェント「Kurashiru AI Supply Chain OS」の本格提供に踏み切ったとのことです。
本サービスは、メーカー・卸・小売企業における特有の商習慣や業務プロセスに対応したオントロジー(組織内に散在するデータへの一貫した意味付け)を中心に構成されています。企業内に点在する構造化データ・非構造化データを横断的に活用することで、複雑な判断が求められる業務の効率化と、意思決定プロセスの迅速化を実現します。業務システムやデータを横断し、AIエージェントが業務の文脈を正確に理解して機能するための共通基盤として動作することから、本サービスは「Supply Chain OS」として位置づけられています。

提供開始の背景
メーカー・卸・小売企業においては、労働力不足や人材採用の困難、物価上昇といった課題を背景に、業務効率化と生産性向上の必要性がますます高まっています。その一方で、AIの基盤モデルが進化を遂げたことにより、定型業務のみならず、複数のデータや業務文脈を踏まえた判断が必要となる業務においても、AIを活用できる可能性が現実的なものとなっています。
しかしながら、現場では個別のソリューションが部門単位で導入されることが多く、業務やデータが分断されてしまうという課題が存在しています。
こうした課題を解決するために、同社は個別に最適化されたソリューションを接続し、業務全体を横断してAIエージェントが機能する基盤として、「Kurashiru AI Supply Chain OS」の提供を開始したとしています。
サービス概要
本サービスは、次の3つのレイヤーによって構成されています。

AIエージェントレイヤー
複数のAIエージェントが、各業務領域でのタスク実行や判断サポートを担当します。
オントロジーレイヤー
組織内に散らばっている多様なデータに対して共通の意味付けを施し、AIエージェントが業務文脈を理解しやすい環境を整備します。
情報レイヤー
同社独自のデータに加えて、POS、EDI、CRMといった構造化データ、商談会話データ、FAX、手書き帳票などの非構造化データを扱います。
現時点で提供が開始されるAIエージェント領域は、以下の4つとなっています。今後、導入企業からのニーズや対象業務の広がりに合わせて、対応領域と提供機能を段階的に拡充していく計画です。
- セールス&販促エージェント
商談記録、販促実績、POSデータなどを基に、提案作成や条件確認、販促企画立案をサポートします。 - 受発注エージェント
FAX、帳票、EDIデータなどを横断的に処理し、受注確認や入力補助、例外対応をサポートします。 - サプライチェーンエージェント
需要、在庫、出荷情報などをベースに、需給判断や在庫最適化、発注計画のサポートを実施します。 - 経営管理エージェント
部門を横断した業績、コスト、販促投資データなどを可視化し、経営判断やモニタリングをサポートします。
なお、本サービスは既存の基幹システムを代替するものではありません。既存システムと連携しながら、業務文脈を解釈し、AIエージェントが業務をサポート・実行するレイヤーとして機能する設計となっています。
サービスの特長
メーカー・卸・小売企業特化のオントロジー
メーカー・卸・小売企業における商習慣や業務プロセスを考慮し、組織内に分散しているデータに一貫した意味付けを実施します。これにより、サイロ化したデータを横断的に活用しやすくし、AIエージェントの活用精度向上を下支えします。
タスク処理ごとの従量課金モデル
月額固定型ではなく、AIエージェントが実行したタスク数に応じた従量課金モデルを採用しています。導入企業は対象業務を限定してスモールスタートしやすく、効果検証を進めながら活用範囲を段階的に拡大することが可能です。
業務時間の短縮と高付加価値業務へのシフトを支援
例えば販売条件管理業務の一部では、取引条件と実績の照合・計算に多大な工数を要するケースがあります。本サービスでは、こうした業務をAIエージェントがサポートすることで、担当者の作業負荷を軽減し、分析・提案・交渉などの高付加価値業務への時間配分見直しを支援します。

今後の展望
同社は、レシピ動画サービス「クラシル」、節約アプリ「レシチャレ」を起点として、販促領域におけるデジタル活用を推進してきました。今後は「Kurashiru AI Supply Chain OS」を通じて、メーカー・卸・小売企業における業務基盤の高度化をサポートしていく方針です。
対象業種については、まずは食品・飲料メーカーを中心に展開を開始し、その後、日用品・化粧品を含む消費財メーカー領域へと段階的に拡大していく計画です。あわせて、AIエージェントの対応領域についても段階的に拡張し、メーカー・卸・小売企業のより広範囲な業務をサポートしていくとしています。
同社は今後も、メーカー・卸・小売企業の現場課題に即したテクノロジー提供を通じて、業務変革と産業全体の生産性向上に貢献していく考えを示しています。
出典元:クラシル株式会社











