AI導入で9割が「業務が楽になった」と実感も、7割が「AI疲れ」を経験 CHOIXが調査結果を発表

株式会社CHOIXが、業務でAIツールを活用しているビジネスパーソン200名を対象に「AI活用と業務負担に関する調査」を実施しました。この調査では、AI導入による効率化と同時に新たな疲労が生まれている実態が明らかになっています。

調査結果のポイント

・AI導入により約9割が「業務が楽になった」と実感し、効率化が着実に浸透

・楽になったと感じる層でも約7割が「AI疲れ」を経験、効率化と疲労のパラドックスが発生

・AI疲れの原因は確認作業や情報過多が上位、意思決定の負荷が増大

・楽になったと感じる層ほど使い方を工夫しており、負担軽減は自然には発生しない

・効率化で生まれた時間は「休息」や「別業務」に使われ、理想との差が浮き彫りに

9割近くが業務負担の軽減を実感、一方で6割以上がAI疲れも経験

AIツール活用による業務負担の変化について質問したところ、「とても楽になった」「やや楽になった」を合計すると88.0%に達し、9割近くの人が負担の軽減を感じていることが判明しました。

しかしながら、「なぜか疲れる」という経験の有無を尋ねたところ、「よくある」「時々ある」が合わせて62.0%となり、6割を超える人がAI疲れを実感していることがわかりました。

業務負担の変化と疲労感の相関関係を見てみると、「とても楽になった」と答えた人の中でも「よくある」が40.2%、「時々ある」が27.6%となっており、約7割が疲労を感じていることが明らかになっています。「やや楽になった」と回答した層でも6割を超える人が疲労を実感しており、効率化と疲労が並存する構造が浮かび上がりました。

「確認・判断の繰り返し」が6割超で最多、意思決定負荷がAI疲れの主因

AI疲れの具体的な内容について尋ねたところ、「確認・判断の繰り返しによる疲れ」が64.3%で最も多く、次いで「情報過多による疲れ」が51.4%、「緊張の持続による疲れ」「手応えのなさによる疲れ」がそれぞれ25.7%となりました。AIを使用すればするほど判断を求められる機会が増加し、その蓄積が疲労につながっている状況がうかがえます。

AI疲れに関する具体的なエピソードでは、「確認作業の増加」「プロンプト調整の手間」「既存資料との整合性」など、効率化の背後で新たに生じた負担に関する声が多数寄せられています。

AI疲れを感じたエピソードの一部

・思い通りの出力を得るために何度もプロンプトを書き直す作業がストレスになっているとのことです。人間なら一言で伝わるニュアンスが伝わらず、「説明する手間」が「自分でやる手間」を上回ってしまうという声がありました。

・AIが作成した資料が正しいかどうかを確認し、修正を行っていると、結局自分で作成するのと同程度の時間がかかってしまうという意見も見られました。

・明らかにAIが作成したとわかる成果物をレビューする際、周囲からどのような指摘を受けるか気になり、精神的な不安を感じるという声もありました。

・契約書のドラフト作成が短時間でできるようになったものの、勤務時間が減少するわけではなく、業務量自体は増加し、かえって考えなければならないことも増えたという意見がありました。

・以前に人手で作成した資料とAIで作成した資料で文言や図表の表現に差異が生じ、整合性を合わせる作業でかえって負荷が増加したというエピソードも寄せられています。

約7割がAI疲れ軽減のために何らかの工夫を実施

AI疲れへの対処について質問したところ、「とても工夫している」が32.0%、「少し工夫している」が39.5%、「工夫していることはない」が28.5%となり、約7割が何らかの工夫を実施していることがわかりました。

楽になった層ほど工夫を実施、負担軽減は意図的に設計された結果

業務負担の変化と工夫の関係性を見ると、「とても工夫している」層では「とても楽になった」が81.3%と突出して高い一方、「工夫していない」層では22.8%にとどまりました。AIの恩恵は単に導入するだけでは得られず、負担軽減は使い方の工夫によって大きく左右される傾向が確認されています。

具体的な工夫としては、「確認作業のまとめ処理」「複数ツールの使い分け」「AIに任せる役割を明確に決める」など、AIの使い方を設計することで負担を軽減しようとする姿勢が見られました。

工夫している内容の一部

・複数のAIを使い分け、信頼できるツールを選択しているとのことです。ダメだと思ったら別のAIに切り替えるようにしているという声がありました。

・複数のAIツールを使用し、答えをいくつか導き出しているという意見も見られました。

役割(ロール)を明確に指定し、依頼したい事項をステップに分けることで精度を高めているという工夫も報告されています。

AIへの過度な依存を避けて、資料はテンプレートをベースに自らが作成し、確認・チェック作業の補助としてAIを使うなど役割分担を意識しているという声もありました。

・出力結果の確認作業は細切れにせず、ある程度まとめて行うことで負担を減らしているという工夫も見られました。

約7割が時間の使い方を意識するも、完全なコントロールには至らず

AIによって生まれた時間を意識的に使えているか尋ねたところ、「意識的に使えている」が31.5%、「どちらかといえば意識的に使えている」が38.0%と、約7割が意識的に活用しようとしていることがわかりました。一方で、「なんとなく使っている」は22.0%となり、生まれた時間を意識的に使いこなせていない人も一定数存在することが明らかになっています。

効率化で生まれた時間は「休息」や「別業務」に使われ、理想とのギャップが明確に

AIによって生まれた時間の実際の使い方について尋ねたところ、「休息・リフレッシュ」が41.0%、「別のことに消えている」が37.5%、「新たな業務」が34.5%となり、効率化によって生まれた余白が別業務や雑務に吸収されている実態が浮き彫りになりました。

一方で、理想の時間の使い方としては、「仕事の質向上」が47.0%、「新しい挑戦」が44.0%、「自己投資」が39.0%が上位に並びました。生まれた時間を自分の成長や挑戦に使いたいという意識は存在するものの、現実との間には依然としてギャップがある様子がうかがえます。

調査結果の総括

今回の調査から、AI導入によって業務効率は確実に向上している一方で、その恩恵が必ずしも働く個人の負担軽減にはつながっていない実態が明らかになりました。

特に注目すべきは、「業務は楽になった」と感じている人の多くが、同時に疲労も抱えている点です。これは、AIが業務を代替する一方で、「確認・判断」といった新たな責任や思考負荷が個人に集まりやすくなっていることを示唆しています。

また、負担軽減を実感している層ほどAIの使い方を工夫している傾向があり、AI活用の価値は導入そのものではなく、「どのように使うか」によって大きく左右されると考えられます。生まれた時間を意識的に使おうとしているものの、まだ理想通りとはいかない現実も見えてきました。

今後求められるのは、「AIでいかに効率化するか」という問いの先にある視点かもしれません。効率化によって生まれた時間を何に使うか、その選択を組織や個人が自ら設計できるかどうかが、AIの価値を真に享受できるかどうかの分岐点になると考えられます。

調査概要

調査名称は「AI活用と業務負担に関する調査」で、調査機関はFreeasyです。調査対象はAIツールを業務で活用しているビジネスパーソンで、調査方法はWebアンケートです。調査日は2026年4月21日で、有効回答数は200件です。

※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります。

出典元:株式会社CHOIX

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