AIシミュレーション市場調査が実調査と平均誤差2.2%を達成、Laboro.AIが精度検証結果を発表

カスタムAI開発を手がける株式会社Laboro.AI(東京都中央区、代表取締役CEO椎橋徹夫・代表取締役COO兼CTO藤原弘将)は、国内の大手小売企業と実施した共同検証において、AIシミュレーション調査が実際のアンケート調査結果を平均誤差2.2%の精度で再現できることを確認したと発表しました。この誤差値は、市場調査や統計検定において標準的に許容されている3〜5%の範囲内に収まっており、実際の調査と同等水準の精度を持つと評価されています。

この成果を受けて、同社は2025年6月に発表していた「未来リサーチ(プロトタイプ版)」を、定量調査に特化したAIシミュレーション市場調査サービス「未来リサーチ(β版)」としてアップデートし、提供を開始します。また、サービスの本格的な産業実装に向けた検証のため、先行利用パートナー企業を限定10社で募集することも併せて発表されました。

なお、過去実施された延べ446商品分の購買意向を問う設問(7段階評価スケール)における上位2項目の回答割合の平均誤差値が2.2%となっています。

市場調査における課題とAI活用の背景

近年、消費者ニーズの多様化やトレンドの短サイクル化が進む市場環境において、企業の商品開発やマーケティング活動では、これまで以上に迅速で精緻な消費者理解が求められています。しかしながら、従来のアンケート調査を中心とした委託型・セルフ型の市場調査には、いくつかの課題やリスクが存在していました。

委託型調査における課題としては、まず企画から納品までに1ヶ月以上の期間を要するケースもあり、結果が出る頃にはトレンドや消費者ニーズが変化してしまうというタイムラグによる消費者ニーズ変化のリスクがあります。また、商品開発を目的とした調査では、調査期間が長引くほど改善機会が減少し、不完全なまま市場投入せざるを得なくなるという一発勝負の調査・開発リスクも存在します。さらに、調査あたりのコストや設問数の制約から、すべてのアイデアを検証しきれず、有望な案の実行機会を逃してしまうという網羅性の限界による機会損失のリスクも指摘されています。

一方、セルフアンケート型調査においては、専門家の伴走がないため、経験のある担当者でないと調査設計が十分でなく、意図した示唆が得られないという設計・分析の専門性不足のリスクがあります。加えて、虚偽回答や回答疲れなどの無効回答が多く混入した場合、自力でのデータクリーニングが困難であるという回答データの品質リスクも課題となっています。

こうした市場調査における課題・リスクの解消を目指して、同社では調査業務の各段階でAIを活用することで、低コストかつタイムリー、また精緻に消費者ニーズを捉えるためのサービス開発に向けた企業との共同検証に取り組んできたということです。

調査業務の各段階におけるAI活用のイメージ

大手小売企業との共同検証内容と成果

大手小売企業との共同検証では、実際の商品開発現場での実用性を確認することを目的として、過去に実施された延べ446商品分に対する消費者アンケートの調査結果(実測値)と、AIシミュレーション調査による回答結果を比較し、その再現性を検証しました。本シミュレーションでは、実測値をAIに学習させることはせず、調査対象の属性・設問構成・商品コンセプト情報等の条件のみからAIに回答結果を生成させています。

検証の結果、以下の2つの成果が確認されました。

第一に、実調査との平均誤差が2.2%という高精度を達成しました。各商品に対する購買意向を問う設問(7段階評価スケール)における上位2項目を選択した回答割合を比較した結果、全商品の平均誤差が2.2%となり、AIシミュレーション調査が消費者の購買意向を高い精度で再現したことが確認されました。

第二に、商品化の判定精度が92.4%に達しました。同社の実際の基準に基づく商品化判定との一致度を検証するため、実測値の95%信頼区間をベンチマークとして採用した上で判定結果を比較した結果、全商品の92.4%で判定が一致し、AIシミュレーション調査が実ビジネスにも耐え得る判断を導き出せることが確認されました。

同社では、AIシミュレーション調査が一定の確度で実査を再現し、また前述の市場調査の課題・リスクを補完・解決する一助となる可能性を、今回の共同検証によって示せたものと評価しています。

大手小売企業との共同検証の概要

未来リサーチ(β版)の提供開始

今回の共同検証を通して得られた知見を踏まえて、同社は2025年6月に「リサーチ発想のアイデア拡張」をコンセプトに複数のアプリケーションで構成するプロダクトとして発表していた「未来リサーチ(プロトタイプ版)」を、定量調査に特化したAIシミュレーション市場調査サービス「未来リサーチ(β版)」としてアップデートし、提供を開始します。これに伴い、「未来リサーチ(プロトタイプ版)」の事前登録の新規受付は2026年4月14日をもって終了となります。

「未来リサーチ(β版)」は、専門的な知見に基づく手厚い伴走サポートを強みとする委託型調査と、コスト・納期に強みを持つセルフ型調査の双方の特徴を兼ね備えたサービスとして展開されます。

未来リサーチ(β版)の特徴・位置付け

先行利用パートナー企業の募集

サービス提供開始に際して、本サービスの本格的な産業実装に向けた検証のため、AIシミュレーション調査による次世代の商品開発プロセスを共に創り上げる、先行利用パートナー企業を10社限定で募集されます。

募集対象は、商品開発プロセスの高速化をテーマ領域として、DX推進を目指す国内企業で、募集社数は10社となっています。個人による応募は受け付けていません。また、個別の調査設計・分析を伴うことから、対応可能な募集社数に上限を設けており、応募多数の場合は申込みから2週間以内に結果が通知されます。

利用の流れとしては、まず初回相談として、AIと市場調査を熟知した専任AIリサーチャーによるヒアリング・調査内容の検討が行われます。次にご提案として、相談内容をもとに、AIリサーチャーが最適な調査プランを提案します。その後、プレ調査として、シミュレーション精度の向上のため、過去調査データを用いたプレ調査が実施され、その結果を本調査の設問・選択肢・数値の精緻化のために活用します。なお、実データをAIの学習に使用することはありません。

本調査では、ヒアリング内容およびプレ調査結果に基づき、専任AIリサーチャーが最適な質問項目等を設計し、AIによるシミュレーション調査としてスクリーニング調査および本調査が実施されます。最後に、レポーティングとして、集計結果を専任AIリサーチャーがビジネスに直結する形式で分析し、フィードバックが行われます。

先行利用パートナー企業への提供内容・提供の流れ

提供価格は30万円(税別)となっており、申し込み期限は募集社数の上限に達し次第、受付終了となります。

株式会社Laboro.AIについて

株式会社Laboro.AIは、東京都中央区銀座に本社を置き、2016年4月1日に設立されました。代表取締役CEOは椎橋徹夫氏、代表取締役COO兼CTOは藤原弘将氏が務めています。

事業内容は、機械学習を活用したオーダーメイド型AI「カスタムAI」の開発と、カスタムAI導入のためのコンサルティングです。

同社は、「すべての産業の新たな姿をつくる。」「テクノロジーとビジネスを、つなぐ。」をミッションに掲げ、AIによる新しいビジネス施策展開によって企業成長を図る「バリューアップ型AIテーマ」に効くオーダーメイド型AI開発「カスタムAI」を展開する、国内有数のAIスペシャリスト集団です。

なお、「未来リサーチ」は株式会社Laboro.AIの登録商標です。

出典元:株式会社Laboro.AI プレスリリース

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