
サンクスラボキャリア株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:雲井俊太郎)が、従業員数2名以上の企業で日常的に生成AIを業務活用している管理職を対象とした「生成AI活用に伴うアウトプット修正の手間の意識」に関する調査結果を公開しました。
ビジネスシーンにおける生成AIツールの活用が急速に進展する一方で、「出力を待つ時間が蓄積される」「想定以上に修正に時間を要する」「期待する品質のアウトプットが得られない」といった見えにくい負担を抱えている方が少なくない状況が明らかになっています。
とりわけ、組織内に生成AI活用の専門的なノウハウが蓄積されておらず、単にツールを配布しただけの企業においては、期待していた効果が実現できず、かえって業務効率が低下してしまうケースも存在すると考えられます。
こうした背景から今回、同社は従業員数2名以上の企業に所属し、日常的に業務で生成AIを活用している管理職の方々を対象に「生成AI活用に伴う業務負担と、外部支援の活用に対する意識」に関する調査を実施しました。
この記事の目次
調査概要
本調査の概要は以下の通りです。
- 調査テーマ:「生成AI活用に伴うアウトプット修正の手間の意識」に関する調査
- 調査期間:2026年2月5日(木)から2026年2月6日(金)
- 調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
- 調査人数:1002人
- 調査対象:調査回答時に従業員数2名以上の企業に所属し、日常的に業務で生成AIを活用している管理職と回答したモニター
- 調査実施:サンクスラボキャリア株式会社
- モニター提供元:PRIZMAリサーチ
調査結果のポイント
今回の調査から明らかになった主なポイントは次の通りです。
- 1作業あたりの生成AIとのやり取り回数は「2から5回」が約7割を占めています
- 1日の待機時間は「5から30分未満」が約6割で、短時間でも積み重なると無視できないコストになります
- 待機時間の過ごし方は、3人に1人が「何もせず待機」している状況です
- 待機時間に対する本音は「手が止まることがもったいない」「他作業に集中しにくい」となっています
- 生成AIのアウトプットを"そのまま使える"人は少数派で、約9割が何らかの修正を実施しています
- 修正理由の上位は「意図とのズレ」「AI特有の不自然さ」「情報不足」となっています
- 業務効率化につながるなら、年間10万から100万円の投資を検討する層が最も多くなっています
1作業あたりのやり取りは「2から5回」が約7割
「1作業あたり、生成AIとのやり取り(指示や修正依頼)の往復回数は平均何回か」という質問に対して、次のような回答結果が得られました。
- 1位:「2から3回」(42.3%)
- 2位:「4から5回」(31.9%)
- 3位:「10回以上」(11.4%)
「2から5回」と回答した方が全体の7割以上を占めており、多くの方々が満足できるアウトプットを得るために複数回の試行錯誤を繰り返している実態が浮き彫りになりました。
最初のプロンプト(指示)のみでは意図が十分に伝達されず、追加の指示や修正依頼といった「コミュニケーションコスト」が頻繁に発生し、本来削減できるはずの時間が失われている可能性が示唆されています。
次に、生成AIが回答を生成する間の待機時間について、トータルでどの程度になるのかが調査されました。
「1日の業務時間のうち、生成AIのアウトプットを待っている合計時間は平均してどれくらいか」という質問では、約6割が「5から10分未満」(32.1%)または「10から30分未満」(32.2%)と回答しています。
1回あたりの生成時間は短く感じられても、1日単位で積み重ねると、数十分程度の待機時間が発生しているケースが多いことが分かります。
さらに、これを月間や年間といったスパンで換算すると、数時間から十数時間に及ぶ可能性もあり、決して無視できないコストになると考えられます。
待機時間は「他業務」で埋めるが、3人に1人が「何もせず待っている」

「生成AIのアウトプットを待っている間、どのように過ごしているか」という質問に対しては、以下のような回答結果となりました。
- 1位:「他の業務タスク(資料作成など)を進めている」(61.5%)
- 2位:「何もせず待っている」(31.7%)
- 3位:「メールやチャットを確認している」(30.1%)
多くの方々が待っている間に他の業務タスクを進め、時間を有効に活用しようと努めている一方で、約3人に1人が「何もせず待っている」と回答しました。
短時間であっても、日々積み重ねると一定のロスになり、こうした待機時間の使い方次第でも、業務効率に差異が生まれている可能性があります。
また、「生成AIのアウトプットを待っている時間について、主にどのように感じているか」という質問では、「手が止まっているのがもったいない」(20.5%)、「他の作業に集中しづらい」(16.0%)という回答が得られました。
肯定的な意見よりも、「もったいない」「他の作業に集中しづらい」といった不満を感じる回答が多く見受けられました。生成AIの活用が進む中で、待機時間が新たなストレス要因になっている可能性も示唆されています。
生成AIのアウトプット、9割以上が修正を実施

「生成AIのアウトプットをどの程度修正しているか」という質問では、以下のような回答結果になりました。
- 「部分的に修正する」(56.8%)
- 「半分以上は修正する」(29.5%)
- 「ほぼ作り直すレベルで修正する」(6.4%)
「部分的に修正する」と回答した方が約6割に上り、「半分以上を修正する」を含めると、9割以上が何らかの手直しを行っていることが明らかになりました。
AIはあくまで「素材」を提供してくれる存在であり、最終的な仕上げや品質チェックは人間により行われている実態が浮き彫りになっています。
さらに、「生成AIのアウトプットに修正が発生する理由」について尋ねたところ、次のような結果が得られました。
- 1位:「内容が意図とずれている」(48.4%)
- 2位:「生成AI特有の不自然さ(機械的・定型的な表現など)がある」(41.6%)
- 3位:「情報が不足している/漏れている」(36.1%)
約半数が「意図とのズレ」を挙げており、指示した背景やニュアンスが十分に反映されていないことへの不満がうかがえます。
「AI特有の不自然さ」を理由に挙げる方も多く、機械的な表現を人間らしい自然なトーンに書き直す作業に、一定の時間が割かれている可能性もあります。
さらに、「情報が不足している/漏れている」と回答した方も約4割に上り、求めるアウトプットを得るためには、多くの方がプロンプトやコンテキストの設計スキルが不足している可能性があります。
生成AI活用に「10から100万円」を投資したい層が最多

最後に、「生成AIを使いこなすことで業務効率が上がるとした場合、活用に年間どの程度の予算を投じたいと思うか」という質問では、以下のような回答結果になりました。
- 1位:「10万から100万円未満」(23.2%)
- 2位:「10万円未満」(21.1%)
- 3位:「100万から500万円未満」(19.2%)
一定の費用をかけてでも業務効率化を進めたいと考える層が多い一方で、まずは小規模に導入し、効果を見極めながら活用を進めたいという慎重な姿勢も見受けられました。
また、「100万から500万円未満」と回答した方も一定数おり、生成AIを単なる補助ツールではなく、業務改革を推進するための戦略的な投資として捉えている企業や担当者も一定数存在しているようです。
調査のまとめ
今回の調査では、生成AIの活用が進む一方で、実務上は複数の修正が発生している実態が明らかになりました。
1作業あたりのやり取りは複数回に及び、多くのケースで修正が前提となっていることから、生成AIは一度の指示で完結させることが難しい状況にあるようです。初回のアウトプットをそのまま採用できるケースは限定的で、調整を重ねながら仕上げている実態がうかがえます。
また、1回ごとの待機時間は短時間でも、1日単位で見ると一定の時間を占めていました。アウトプットの待機時間を他業務に充てる層がいる一方で、何もせず待機しているケースや、集中しづらさを感じる声もあり、効率化の効果は、生成AIを業務の中でどのように活用するかによって大きく左右されているようです。
さらに、約9割が生成AIのアウトプットに修正を加えており、修正理由として、意図とのズレや不自然な表現、情報不足などが上位に挙がりました。最終的な品質担保は依然として人の判断と編集力に委ねられており、生成AIは完成品をそのまま出すツールというより、修正前提の"たたき台"を作る補助として活用している方が多いと考えられます。
一方で、生成AIを効果的に活用し、業務効率の向上が見込めるのであれば、一定規模の予算を投じたいと考える方も多く見受けられました。小規模から慎重に導入を進める層がいる一方で、戦略的な投資を行い、本格的な活用を目指す層も存在するようです。
生成AIは確実に業務へ浸透しつつありますが、成果を最大化するには運用面の工夫が不可欠です。やり取りの回数を減らすことや、待機時間を有効活用する仕組みづくり、修正負担を軽減する工夫が、今後の生産性向上の鍵になると考えられます。
出典元:サンクスラボキャリア株式会社












