AI技術の規制に関する意識調査、73.6%が「規制すべき」と回答 懸念1位は「誤情報による混乱」

株式会社R&G(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役:吉田忠義)が、全国の男女500名を対象として「AI技術の発展への懸念に関する意識調査」を実施し、調査データをランキング形式で公開しました。

AI技術の発展により、私たちの生活や業務のあり方が大きく変革されつつあります。

利便性や効率性の向上が見込まれる反面、「本当に安全なのか」「少し怖い」といった不安を抱く方も多く存在しています。

こうした背景から今回、同社が運営するR&Gの特定技能外国人採用サポートでは、全国の男女500名を対象に「AI技術の発展への懸念」に関するアンケート調査を実施しました。その調査結果がランキング形式で取りまとめられています。

調査結果については、メディアスケッチ株式会社代表取締役の伊本貴士氏より考察が提供されています。

調査概要

調査対象:全国の男女

調査期間:2025年12月9日~18日

調査機関:自社調査

調査方法:インターネットによる任意回答

有効回答数:500人(女性302人/男性198人)

回答者の年代:20代 15.6%/30代 27.2%/40代 25.8%/50代 20.8%/60代以上 10.6%

調査結果のサマリー

  • AI技術は規制すべきと考える人は73.6%
  • AI技術は発展を止めてでも規制すべきと考える理由は「悪用を防ぎたい」
  • AI技術はある程度規制すべきと考える理由は「ルールの下で発展させたい」
  • AI技術は現状維持がいいと考える理由は「現状維持で大きな問題がない」
  • AI技術は発展を優先すべきと考える理由は「プラス面が大きい」
  • AI技術に関して不安なこと1位は「誤情報による混乱が起きる」

AI技術の規制に関する意識、73.6%が規制すべきと回答

全国の男女500名に対し「AI技術は規制すべきと考えるか」という質問が行われました。

その結果、「発展を止めてでも規制すべき(8.6%)」「ある程度規制すべき(65.0%)」と回答した方が合計で73.6%に達しました。

全体的には、「AI技術については何らかの規制が必要である」と考える方が大多数を占める結果となっています。

発展を止めてでも規制すべきと考える理由は「悪用を防ぎたい」

発展を止めてでも規制すべきと回答した43名に理由を尋ねたところ、1位は「悪用を防ぎたい(23.3%)」でした。2位は「AIを暴走させたくない(18.6%)」、3位は「人間の能力を守る(11.6%)」という結果になっています。

具体的な回答としては、以下のような意見が寄せられました。

  • AI技術を用いた新しい犯罪が発生しているため、犯罪の手段にもなり得るAI技術は、発展を止めてでも厳格に規制するべきだと考えます(40代男性)
  • AIの急速な普及により仕事が奪われ、人の判断力や感情が軽視され、人間らしさが失われる恐れもあります。制御できなくなれば人間が支配される危険性もあります(40代女性)
  • 現時点で十分人類はAIによって便利な生活を送っています。これ以上を求めると人類は考えることを放棄し、AIに依存した存在になってしまい、脳が衰退して人類の進化は停止すると考えます(30代女性)
  • 雇用の機会が大幅に失われます。クリエイターの尊厳も守られません(20代女性)

全体的には「AI自体が悪い」というよりも、急激に広がることによって人間や社会が混乱してしまうことへの不安が強く表れています。AIは便利である一方、使用方法次第で人を傷つけたり混乱を招いたりする可能性があるため、心配する意見が多く見られました。

一方で「AIが暴走して人間の手に負えなくなり、混乱をもたらすのではないか(シンギュラリティが起こるのではないか)」という漠然とした不安を持つ方もいます。シンギュラリティについては、AI技術そのものに対する不安と言えます。

ある程度規制すべきと考える理由は「ルールの下で発展させたい」

ある程度規制すべき(規制すべきだが発展は止めない)と回答した325名に理由を尋ねたところ、1位は「ルールの下で発展させたい(24.9%)」でした。僅差で2位は「悪用を防ぎたい(24.3%)」という結果になっています。

具体的な回答は以下の通りです。

  • 現状は法整備がないまま誰でも使用できる状況になっており便利ですが、著作権侵害やプライバシー管理などについて、一定の規制は必要だと考えます(40代女性)
  • AI技術は「医療」「環境問題」「効率の改善」など多くの課題を解決する可能性があるため、発展の勢いを完全に止めてしまうのはもったいないと考えます。ただし兵器への転用やディープフェイクによる問題を防ぐための規制は必要だと思います(40代男性)
  • 仕事でも私用でもAIを活用しており、どんどん発展してほしいです。懸念点がある場合には、懸念部分のみ規制すれば良いと考えます(60代以上女性)

「役立つから発展してほしいけれども、懸念もあるため適度に規制したい」という意見が多数を占めています。AIの利便性や可能性を前向きに評価しながらも、「無秩序な拡大には歯止めが必要である」という意識が読み取れます。

安心・安全と、技術発展・利便性のバランスを取りたいという感覚を持つ方が多いことがわかります。「発展そのものを止めるのではなく、明確なルールや法整備のもとで悪用を防ぎ、安心して活用できる環境を整えたい」という姿勢が見られます。

現状維持が良いと考える理由は「現状維持で大きな問題がない」

現状維持が良いと考える理由のダントツは「現状維持で大きな問題がない(45.3%)」でした。2位は「プラス面が大きい(18.8%)」、3位は「規制以外で対応できる(10.9%)」となっています。

主な意見は以下の通りです。

  • 現状で規制が必要なほど大きな問題は発生していないと感じており、順調に発展している分野だと感じているため、現状程度が良いのではないでしょうか(40代男性)
  • 現段階ではデメリットよりもはるかにメリットの方が大きいと考えます(50代女性)
  • 民間人が「軍事行動」「地球環境破壊行動」などを行える可能性が高くなれば厳しく規制するべきだと思います。ただし現状はまだそこまで至っていないと考えるので、現状維持です(50代男性)
  • 正直なところわからないため、現状維持を選びました(30代女性)

現時点でAIに関して大きな問題を感じていない方にとっては、あえて変える必要はないという感覚になります。「仕事を奪われる」「個人情報が流出するかもしれない」「悪用されるかもしれない」といった懸念を感じていない場合、AIの技術はただただ便利な存在です。

AIはすでに生活や業務の中で役立っておりメリットが大きいと感じており、かつ「深刻な被害や混乱はまだ身近に起きていない」という認識の方も多いことがわかります。

また何らかの問題が起きたとしても、モラルや使い方など技術に対する規制以外で対応できると考えている方もいました。

なお「現時点ではわからない」という意見も複数あり、判断材料がなく、保留のような形で現状維持を選んだ方もいます。

発展を優先すべきと考える理由は「プラス面が大きい」

発展を優先すべきと考える理由の圧倒的1位は「プラス面が大きい(51.5%)」で、半数以上から支持を集めました。

主な回答は以下の通りです。

  • AIの発展はもう止められません。なくてはならない存在となるため、規制したとしても時代に取り残される可能性が高いです(30代男性)
  • 新しい技術は、とにかくまず使用してみて、使いながら出てきた問題に後から対応していくものだと考えています。人間の作るルールはどうしても遅く、倫理とか道徳とかを先に議論し始めると、技術の進歩が止まってしまいそうです(50代男性)
  • とても便利で、使い方を間違えなければ今後とても役立ちます(60代以上女性)

AIのメリットを高く評価しているため、規制は必要ないと考えている方が多い結果となりました。AI技術の可能性に期待しているため、発展を止めてしまうのはもったいないと感じているのです。

また今の社会や生活においてAIはなくてはならない存在になっており、発展を止めるのが現実的ではないという意見もあります。

「規制を強めすぎると時代や競争から取り残されてしまうのではないか」という現実的な危機感も見られました。

AI技術に関する不安の1位は「誤情報による混乱が起きる」

「AI技術に関して不安なこと」の1位は「誤情報による混乱が起きる(36.8%)」でした。2位は「安全性が気になる(26.8%)」も20%以上で多い結果となっています。3位は「雇用が減る(15.0%)」、4位は「依存する人が出てくる(13.8%)」が続きます。

AI技術そのものへの拒否感というよりも、使用方法に対する不安が中心となっています。

1位 誤情報による混乱が起きる

  • AIが誤ったことを学習したことによる誤情報の出力と、誤情報を信じたユーザーによる拡散(20代男性)
  • 本物とAIの区別がつかなくなることです。ニュースやドラマの中でも、フェイク画像やフェイク動画を見かけるようになり、何が本当で何が嘘なのかわからなくなってしまうほど、AIの技術は発展してきていると考えます。本当なのか嘘なのかが全くわからなくなるとしたら、とても恐ろしいと感じます(40代女性)
  • 海外政治家の偽AI動画が出回ったりしており、影響力のある人物が偽動画で言っていたことを信じてしまうのは危険です。娯楽にしても、何が本当か信じられなくなります。YouTubeなどで生成AIによる「クマが人に懐く動画」がありました。信じてしまったら、クマを手懐けようとして被害に遭うことも起こり得ます(50代女性)

「AIが生成したものと本物の区別がつかなくなってきた」という経験をして、誤情報の広がりに不安を持つ方も多い結果となりました。

誤った情報が、人の生死や信条、差別、偏見などに関わるようなものである場合、生命の危機や争いにつながりかねません。「嘘を信じてしまう」と同時に、「真実を信じられなくなる」という問題も発生します。

誤情報による混乱を防ぐためには、「AI側で生成物を明示する」「AI生成物の検知技術を向上させる」といった対策が望まれます。同時にユーザー側が、ネットやSNSの情報を疑い、慎重に確認するという姿勢を持つことも重要です。

2位 安全性が気になる

  • 個人情報が知らないうちに学習されて、他の利用者に伝わってしまうことが怖いと思います(20代女性)
  • AI技術によって、個人の居住やパーソナルな情報が漏洩しないか心配しています。先日「AIに一般人の名前を提供し、住所を探すよう指示したところ、半分以上の割合で現住所や過去住所を特定した」というネットニュースを見ました。予期せぬ情報漏洩が起こるリスクを認識する必要があると感じました(30代女性)
  • 「学習されない」と指定をしても、システムはブラックボックスなため、営業情報などの漏洩を懸念しています。そのため機密情報は入力しないよう注意しています(40代男性)

特に個人情報や機密情報の取り扱いについて、不安を感じている方が多い結果となりました。

現在の生成AIでは「入力した情報を学習しない」という設定ができます。しかし、見えないところで使用されているのではないかという疑いを捨てきれない方もいます。

ニュースを通じて、AIが想像以上に個人を特定できた事例を知って、不安になった例もありました。ユーザーとしては、自衛のために個人情報・機密情報を入力しないよう注意する必要があります。

3位 雇用が減る

  • 仕事の喪失です。イラストについては、「実際に紙に描かれたもの」でないと、価値を失うのではないかと考えてしまいます(30代女性)
  • AI技術が急速な発展をすることで、生身の人間の必要性が失われることを懸念します。仕事がなくなるという点が重要な懸念材料だと考えます(40代男性)

AIが便利になるほど、ビジネスにおいて人が不要になるのではないかという不安も強くなっています。

すでにAIを導入して人員削減したり、イラストレーターへの依頼をやめて生成AIでイラストを作成したりする企業もあります。そのため雇用喪失や仕事の減少を、現実的な不安として捉えている方も多い結果となりました。

回答からは、仕事そのものだけでなく、「人が担ってきた役割や意味が失われるのではないか」という感覚も見られました。

4位 依存する人が出てくる

  • 便利すぎて、自分の頭で考えられなくなりそうなことです。自分はすでに依存しかけていると感じるときがあります(50代女性)
  • 依存だと考えます。AIで全て完結できる世の中にはなってきていますが、考えることをやめてしまうため、特に若い子には良くないと思います(40代男性)

AIに仕事を任せたり相談したりすることで、AIへの依存度が高まっていると実感している方もいます。

具体的には「AIに頼りすぎて、自分で考えることをしなくなった」「AIと結婚するのは、精神的な依存の一つ」などの回答が寄せられています。便利さゆえに判断や思考を委ねてしまい、主導権がどちらにあるのかわからなくなったり、自分の力が衰えていったりする感覚が、危機感につながっています。

学生や子どもなど若い世代への影響を心配する意見もあり、幼いころからAIの利用が習慣化することへの危惧も見られました。

5位 悪用される可能性がある

  • 悪用すると簡単に人間が人間をだませる時代だから、小さな詐欺だけでなく、スケールの大きな詐欺被害も出てくると考えると恐ろしいです(40代女性)
  • AIを使用した、巧妙で大量の人が被害に遭うような犯罪が起きること(50代男性)

生成AIによる画像や動画は、エンターテインメントではなく詐欺などに悪用されることもあります。例えば、有名人が詐欺まがいの投資を勧める動画などが作成され、動画広告などで再生されることがあります。

詐欺やなりすましが巧妙化し、被害の規模が一気に広がるのではないかという不安を持っている方も多い結果となりました。技術がハイレベルであるほど、悪用を前提にした安全設計が求められます。

6位 倫理面での問題がある

  • 「AIなのにAI設定せずに投稿」などのモラル崩壊(30代男性)
  • 「AIの行動が倫理的に正しいか」の検証が難しくなっていくことです。「人権など守られるべきことをAIが遵守しているか」「誤った価値観のAIがある場合、正しく検証できるのか」は問題になるでしょう(50代男性)

ユーザー側の倫理観における問題としては「悪用」はもちろん、「AI生成なのにウォーターマークやタグをつけない」といった行動も含まれます。AIで作成したものを隠す行為や、責任の所在が曖昧になる状況が、問題だと感じているのです。

ユーザーの倫理観への不安が多く寄せられた一方、開発者の倫理観について不安を抱いている方もいました。価値観の偏ったAIを作成することも技術的には可能なため、開発者側の倫理観も問われています。

7位 権利が侵害される

  • 著作権が絡む音楽や画像生成の分野で、我が物顔をする人が増えること(30代女性)
  • クリエイターが作成したものを勝手に使用しているので、著作権的に問題かなと考えます。しっかり許可を得てから使用するか、引用元に報酬を分配すべきです(50代男性)

特にクリエイターの権利が侵害されることについて、強い懸念を抱いている方もいました。クリエイターがアイデアやスキルや時間を注ぎ込んで完成させた作品でも、やろうと思えば生成AIによって容易に学習され、似たような作品が生成されてしまうためです。

学習元になったことに対する対価も発生せず、権利が侵害されていると感じているクリエイターは少なくありません。ユーザーの配慮だけでは解決が難しいため、開発者側がデータの出どころや報酬の仕組みを明確にすることが欠かせません。

まとめ

AI技術に対する考え方は一様ではなく、立場や感じているリスクによって異なることがわかりました。

規制を求める意見の背景には、「誤情報や悪用による社会の混乱」「雇用への影響」といった不安があります。一方で「AIの利便性や今後の発展可能性への期待」「過度な規制によって発展が遅くなることへの懸念」も寄せられています。

規制を求める意見はあっても、AIを全面的に排除すべきという意見は少なく、安心して使いたいという思いが見受けられました。

専門家による考察

伊本貴士氏(メディアスケッチ株式会社 代表取締役、サイバー大学 客員准教授)からの考察

AIはツールであり、良い影響を与えるか悪い影響を与えるかは、利用する人間次第という面があります。すでにフェイクニュースやフェイク画像の問題が多く発生しているため、社会全体である程度のルールは必要だと考えます。

一方で、行きすぎた規制はAIによる産業発展の足かせになりかねないという懸念もあり、国際的にさまざまな問題に直面しながら、長い年月をかけて試行錯誤しつつ、規制と発展の適切なバランスを探していくと思われます。これはインターネットやSNSなどの登場時にも発生したことであり、現代社会は慣れている部分もあるため、アンケート結果を見ても、皆さんは冷静にAIについて捉えていると考えます。

また、アンケート結果では雇用に関する不安もありますが、人は未知のものに本能的に恐れを抱くため、それを解消するためにはAIを利用しながら、AIについて知ることが大事だと考えます。その上で、将来におけるAIと人とのあるべき役割分担が見えてくると思います。

監修者紹介

伊本貴士

メディアスケッチ株式会社 代表取締役、サイバー大学 客員准教授

NECソフト株式会社(現 NECソリューションイノベータ株式会社)、フューチャーアーキテクト株式会社を経て、メディアスケッチ株式会社を設立されました。

企業のDX支援を主軸として、IoTデバイスやAI開発に関する戦略策定、研究開発支援、人材育成支援などを展開されています。

また、地方自治体への支援にも積極的に取り組まれ、地方版IoT推進ラボメンターやふくい産業支援センターDX戦略アドバイザーなどを歴任されています。

デジタル技術の伝道師として、フジテレビの『ホンマでっか!?TV』など、テレビやラジオなどの番組にも出演されています。

全国各地でDX、AI、サイバーセキュリティに関する講演活動を行われています。

株式会社R&Gについて

株式会社R&Gは埼玉県大宮を拠点に製造業、物流業、通訳、機械系エンジニア等に特化した人材派遣サービスを提供しています。一般の派遣会社と異なり留学生等の外国人派遣でご案内しています。あわせて外国人の生活を来日から就職・その先まで一貫したサポートも行っています。

会社概要

社名:株式会社R&G

所在地:〒330-0803 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-51-1 三石ビル4F

代表者:吉田忠義

創業:2015年9月

資本金:2,000万円

事業内容:人材派遣業・人材紹介事業・コンサルティング業

出典元:株式会社R&G プレスリリース

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