Azure OpenAI Serviceが7.5%でトップシェア獲得 エンタープライズAIプラットフォーム選定実態調査をRagate株式会社が実施

Ragate株式会社は、2025年12月に情報システム部門・DX推進室に所属するビジネスパーソン505名を対象に「エンタープライズAIプラットフォーム選定実態調査」を実施しました。

この調査により、Azure OpenAI Serviceが7.5%で最も高いシェアを獲得し、Amazon Bedrockが6.7%、Google Vertex AIが4.6%という実態が明らかになっています。Microsoft環境との統合性を武器とするAzure OpenAIは、既存資産を保有する企業を中心に普及が進んでいるとのことです。一方で、マルチモデル戦略を採るAmazon Bedrockが6.7%と急速に成長しており、企業におけるAI基盤構築の選択肢が多様化している状況が顕著に表れています。さらに、セキュリティへの懸念が42.2%で最も大きな課題となっており、消費者向けサービス(ChatGPT: 46.3%)からエンタープライズプラットフォームへの移行が加速していることも明らかになりました。

調査実施の背景について

生成AIの業務活用が本格的に進む中、多くの企業が「ChatGPTを直接利用する」段階から「自社専用のAI基盤を構築する」フェーズへと移行しています。しかしながら、情報漏洩やセキュリティリスクへの懸念から、消費者向けサービスのまま全社展開を進めることに躊躇する企業が増加している状況です。

その解決策として注目を集めているのが、エンタープライズ向けAIプラットフォームです。データ非学習保証、日本リージョン対応、プライベートエンドポイントといった、企業が求めるセキュリティ要件を満たしながら、既存のクラウド環境と統合してAIを活用できる環境を実現します。

ただし、Azure OpenAI、Amazon Bedrock、Google Vertex AIなど選択肢が増加する中、どのプラットフォームを選ぶべきかという新たな課題が生まれています。既存クラウド環境、利用したいモデル、ユースケースなど、それぞれの企業が抱える要件は異なり、最適なプラットフォーム選定には明確な判断基準が必要となります。

同社では、エンタープライズAIプラットフォームの利用実態を定量的に明らかにし、企業の選定を支援するため、情報システム部門・DX推進室所属で決裁権・選定権を持つ505名を対象に調査を実施しました。

調査結果のハイライト

Azure OpenAI 7.5%がトップ:Microsoft環境との統合が最大の強み

エンタープライズAIプラットフォームの利用状況は以下のように分布しています。

Azure OpenAI Service 7.5% - Microsoft 365連携
Amazon Bedrock 6.7% - マルチモデル戦略
Google Vertex AI 4.6% - Gemini統合

Azure OpenAI Serviceが7.5%(約13社に1社)で最も高いシェアを獲得しています。Microsoft 365との完全統合、Azure Active Directory(Entra ID)による認証統合、Power Platformとの連携などの強みにより、既存のMicrosoft環境を持つ企業を中心に浸透していることが明らかになりました。

Azure OpenAI Serviceの主な選定理由として、以下の点が挙げられます。

Microsoft環境との統合では、Copilot for Microsoft 365とのシームレスな連携、既存のAzureアカウントで利用開始が可能となっています。

エンタープライズセキュリティにおいては、データの学習利用オプトアウト保証、日本リージョン(東日本・西日本)での運用、VNet統合によるプライベートアクセスが提供されています。

既存投資の活用に関しては、Azure利用実績がある企業は追加契約なしで利用開始でき、既存のセキュリティポリシーをそのまま適用できます。

Amazon Bedrock 6.7%:マルチモデル戦略とサーバーレス親和性で差別化

Amazon Bedrockは利用率6.7%

Amazon Bedrockは利用率6.7%ながら、マルチモデル戦略とAWSエコシステムとの統合という独自の強みで急速に注目を集めています。

Amazon Bedrockの3つの強みについて

マルチモデルアクセスでは、Claude 3.5 Sonnet、Meta Llama 3.1、Amazon Titanなど複数ベンダーのモデルを統一APIで利用可能で、ベンダーロックインの回避が実現できます。

Claudeへの独占的アクセスでは、Anthropic Claudeの最新モデルに早期アクセスでき、日本語性能に優れたClaude 3.5 Sonnetが利用可能です。

AWSエコシステムとの統合では、Lambda、SageMaker、S3等との連携、既存のIAMポリシーをそのまま適用でき、サーバーレスアーキテクチャでのコスト最適化が可能です。

AWSを主要クラウドとして利用する企業や、複数のLLMモデルを使い分けたい企業に選ばれており、特にサーバーレスアーキテクチャとの親和性の高さが評価されています。

既存クラウド環境が選定の最重要基準:セキュリティ懸念42.2%でエンタープライズ移行加速

調査では42.2%が「情報漏洩・セキュリティリスク」を課題として認識しており、エンタープライズプラットフォームへの移行を促進する最大の要因となっています。

プラットフォーム選定のポイントとしては、以下が挙げられます。

① Azure環境が中心の場合 → Azure OpenAI Service
Microsoft 365との連携が容易で、既存のAzureアカウントで利用開始可能です。

② AWS環境が中心の場合 → Amazon Bedrock
Lambda、SageMaker等との連携が容易で、マルチモデル戦略により柔軟なAI活用が実現できます。

③ GCP環境が中心の場合 → Vertex AI
Google Workspaceとの統合、Gemini 1.5 Proの100万トークン超長文コンテキストが魅力です。

プラットフォーム選定において最も重要な基準は既存クラウド環境との親和性であることが判明しました。既存のIAMポリシー、セキュリティ設定、ネットワーク構成をそのまま活用できることで、導入コストと運用負荷を最小化できるためです。

また、3プラットフォームともデータ非学習保証、プライベートエンドポイント、監査ログ、暗号化、日本リージョン対応といった基本的なセキュリティ機能を標準で提供しており、消費者向けサービスとの明確な差別化要因となっています。

同社の考察と今後の展望について

調査結果から、エンタープライズAIプラットフォーム市場はまだ浸透の初期段階(合計約18.8%)にありながら、セキュリティ要件の厳格化とともに急速な成長期に突入していることが明らかになりました。

Azure OpenAI Serviceの7.5%という数字は、Microsoft 365環境を持つ企業においては既に「約13社に1社」が活用している水準であり、エンタープライズAI基盤の定番としての地位を確立しつつあるとのことです。一方、Amazon Bedrockの6.7%という利用率は、マルチモデル戦略という新しい選択肢を企業に提供し、単一ベンダーへの依存を回避したい企業層を獲得しています。

今後、生成AI活用は消費者向けサービスからエンタープライズプラットフォームへ明確にシフトしていくと予測されます。セキュリティ懸念が42.2%に達している事実は、企業がAI活用を試験段階から本格展開段階に移行する際、エンタープライズプラットフォームが必須要件となることを示しています。

選定の最重要基準は既存クラウド環境との親和性であり、新たなプラットフォームを導入する際、既存環境との統合コストや運用負荷を最小化することが、迅速な展開と継続的な運用を実現する鍵となります。Azure環境ならAzure OpenAI、AWS環境ならBedrock、GCP環境ならVertex AIという選択が合理的であり、既存のクラウド投資とセキュリティポリシーを最大限活用できるかが成功要因となります。

同社では、AWS Service Delivery Program認定パートナーとして、Amazon Bedrockを活用したエンタープライズAI基盤の構築を支援しており、今後もエンタープライズAIプラットフォームの普及と企業のAI基盤構築を支援していくとしています。

企業情報

企業名 Ragate(ラーゲイト)株式会社
代表取締役 益子 竜与志
設立 2017年5月25日
資本金 21,000,000円

出典元: Ragate株式会社 プレスリリース

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