株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:佐野 傑)が、第4回となる「サステナブルカスタマー調査」を実施したことを発表しました。この調査は、持続可能な社会の実現に向けて注目されている「サーキュラーエコノミー」を推進する顧客層である「サステナブルカスタマー」の特徴を明らかにすることを目的としています。
調査は2段階で実施されました。事前調査では全国の15~79歳の1万人を対象に、2025年10月9日から10月17日にかけて実施されました。商品の継続購入状況と資源のリサイクル活動・回収活動への参加状況により、生活者を4つのカスタマータイプに分類しています。その後の本調査では、4種類のカスタマーを性別・世代別に均等に割り付けた1200人を対象に、2025年10月15日から10月17日に実施され、生活者のサーキュラーエコノミーに対する認知度や実施経験、購買行動での意識などについて詳しく調査されました。
この記事の目次
サステナブルカスタマーの定義と特徴
今回の調査において同社が「サステナブルカスタマー」と定義しているのは、事前調査で「継続購入ブランド(飲料、食品、化粧品など10カテゴリ)が5つ以上あり」かつ「リサイクル活動・回収活動参加製品が1つ以上ある」という、継続購入性とリサイクル活動・回収活動への参加意識の両方が高い生活者です。

このサステナブルカスタマーという顧客層は、企業のサステナビリティ活動に共感を示し、継続的に資源のリサイクル活動・回収活動に参加する傾向があります。また、価格が高くなったとしても環境に配慮した商品を購入する傾向が、他のカスタマー層と比較して顕著に高いという特徴を持っています。
調査から得られた主要なファインディングス
サステナブルカスタマーの割合は約2割で横ばい
サステナブルカスタマーは全体の19.8%を占めており、2024年10月に実施された前回調査の19.5%からほぼ横ばいの状況です。世代別に見ると、15~19歳が7.7%、20代が11.5%、30代が13.9%、40代が18.3%、50代が16.1%、60代が14.7%、70代が17.8%となっており、各世代に幅広く存在していることが確認されました。


サーキュラーエコノミーの認知率が大幅に上昇
「サーキュラーエコノミー」の認知率(「内容まで知っている」と「内容は知らないが言葉だけは知っている」の合計)は18.6%となり、2024年10月の前回調査の8.5%から10.1ポイントの大幅な増加を見せました。さらに、「内容まで知っている」と回答した人は5.9%で、前回調査の2.0%から3.9ポイント増加しています。

高価格でも環境配慮商品への購入意向が高い
サステナブルカスタマーのうち「価格が高くてもよいものを選ぶ」層では、普段使用している商品より価格が15%以上高くなる場合でも、「製造メーカーが開発費や時間をかけて開発した地球環境への負荷を抑えられる素材や技術、工法で作成された商品」に買い替えてもよいと考える人が、すべての品目で全体(約3%~約5%)より15ポイント以上高くなっています。特に「家電」「自動車・バイク」「ペット用品」においては約3割(30.1%)に達しています。

環境用語からの行動イメージに差
「リサイクル」という言葉から、その推進のために日常でどのような行動をとればよいかイメージできる人は全体の91.3%、サステナブルカスタマーでは96.0%に達しています。一方、「生物多様性」という言葉から行動をイメージできる人は全体の45.5%、サステナブルカスタマーでは61.7%にとどまります。「サーキュラーエコノミー」については、全体の21.9%、サステナブルカスタマーでは35.3%という結果になりました。

サーキュラーエコノミーにつながる行動の実施状況
サーキュラーエコノミー(循環経済)につながる行動を「買う(再生材でできたモノを買う等)」「使う(リメーク、アップサイクル等)」「分ける(自治体の分別ルールを守る等)」「まわす(リサイクルショップやフリマアプリを使う等)」という4つのアクションに整理して調査したところ、「分ける」を実施したことがある人は60.6%で最も多く、「使う」(46.5%)、「買う」(36.3%)、「まわす」(32.1%)の順で続いています。

調査担当者による解説
第4回サステナブルカスタマー調査では、セグメント構造自体に大きな変化は見られなかった一方で、「サーキュラーエコノミー」を中心とした認知と行動の質的な深化が顕著に表れました。サステナブルカスタマー層が牽引する形で、サーキュラーエコノミーの認知率は18.6%に達し、昨年(2024年10月)から10.1ポイント増加しており、「名前だけ知っている」段階から内容理解が進展し、行動変容のフェーズに移行していると分析されています。
価格に対する意識については、全セグメント共通で「同じ値段なら環境に配慮したものを選ぶ」が最多回答となる中、サステナブルカスタマーは「高価格でも環境に配慮したもの」を選択する志向が強く、「再生プラスチック」を利用した製品であることが購入の後押しになると半数以上が回答しています。
行動面においては、サーキュラーエコノミーにつながる4つの行動(分ける、使う、買う、まわす)のうち、「分ける(分別・回収)」の実施経験が全体の6割超と最も高く、サーキュラーエコノミーの「入り口」として機能していることが確認されています。
実施経験と今後の実践意向の両方において、全項目でサステナブルカスタマーが最高水準を示しており、この層をハブとして循環行動を市場全体へ波及させていける可能性が示されています。総じて、第4回調査では、サステナブルカスタマーが知識(サーキュラーエコノミーなどの概念理解)、態度(価格許容や社会貢献志向)、行動(回収・リユース・再生素材選好)の三面で先行する「循環の実践者」であることが改めて裏づけられました。無関心層の厚みと価格抵抗感という現実を踏まえつつ、この層を中核パートナーとして位置づけることが、サステナビリティ経営における事業性と社会貢献性の両立の鍵になると言えます。
調査概要
事前調査
目的は、商品(飲料、シャンプー・コンディショナー・トリートメント、加工食品、冷凍食品、菓子、スキンケア化粧品、メーキャップ化粧品、衣服、家具・インテリア用品、小物家電などの10カテゴリ)の継続的購入とリサイクル活動・回収活動への参加経験によって生活者を4種類のカスタマーに分け、サステナブルカスタマーという顧客群を特定することです。対象エリアは全国、対象者条件は15~79歳、サンプル数は10000、調査手法はインターネット調査、調査期間は2025年10月9日から10月17日、調査主体は株式会社電通です。
本調査
目的は、生活者のサーキュラーエコノミーに関する認知や実施経験、購買行動における意識などを把握することです。対象エリアは全国、対象者条件は15~79歳、サンプル数は1200(事前調査で分けた4種類のカスタマーを各性別・各世代別に均等割付し、300人ずつ抽出。全体の1200人に対し、人口構成に合わせてウェイトバック集計を実施)、調査手法はインターネット調査、調査期間は2025年10月15日から10月17日、調査主体は株式会社電通です。
※本調査における構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
出典元:株式会社電通












