スーパーデリバリーのチョコレート事前予約特集、流通額が前年比2.1倍に拡大―フェアトレードやオーガニック商品が人気

株式会社ラクーンコマースが運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」において、2025年8月に開催された「チョコレート事前予約特集」の流通額が前年比2.1倍を記録したことが明らかになりました。高級志向や環境意識の高まりを背景としたプレミアム・オーガニックチョコレートの需要増加に加えて、SNSで注目を集める「ドバイチョコ」や「エンジェルヘアチョコ」といった映えるチョコレート、さらに「推し活チョコ」などの新たなギフト需要も相まって、小売店による早期仕入れの意欲が高まっていることが示される結果となっています。

チョコレート市場の動向

プレミアム・オーガニック市場の成長が続く

昨今、消費者の高級志向や健康志向、そして環境意識の高まりを受けて、プレミアムチョコレートやオーガニックチョコレートの市場が拡大を続けています。H&I Global Research株式会社による産業調査資料では、日本におけるプレミアムチョコレート市場が年間3.8%の安定した成長率で推移しており、今後も成長が見込まれることが予測されています。価格や量よりも品質・素材・製造背景に価値を求める「プレミアム志向」と「エシカル消費」の広がりが、チョコレート市場の成長を推進している要因となっています。

SNSが牽引するトレンドの加速

SNSを介した情報発信のスピードが、チョコレート市場にも大きな影響を及ぼしています。「映える」商品はSNSで拡散されやすく、短期間で人気を獲得する傾向が見られます。インフルエンサーや一般ユーザーによる投稿が消費者の購買意欲を刺激し、トレンド形成から販売拡大までのサイクルを加速させている状況です。2024年に話題となった「ドバイチョコ」は、関連動画の再生数がSNS上で数億回を超えるなど、SNSをきっかけに人気が急激に拡大しました。

エンジェルヘアチョコレート

本年はドバイチョコに続いて、ピシュマニエ(綿菓子のような映えお菓子)を使用した「エンジェルヘアチョコレート」などが注目を集めています。

多様化するギフト需要と「推し活」文化

チョコレートのギフト需要は年々多様化しています。バレンタインにおいては、家族や友人への贈り物、自分へのご褒美チョコに加えて、推しキャラクターやアーティストに捧げる「推し活チョコ」などの新しい需要が拡大しています。推しのぬいぐるみやアクリルスタンドにチョコレートを供えたり、「祭壇」を作成して写真を撮影したりする楽しみ方が若年層を中心に広がっており、SNS上でも多数の投稿が確認されています。株式会社ブックリスタによる調査では、「推しにチョコを贈る人が約半数に迫る(52.7%)」という結果が出ています。

販売動向について

事前予約特集の流通額が大幅に伸長

卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」では、クリスマスやバレンタインなどのイベント需要に向けた「チョコレート事前予約特集」を、2022年から毎年8月に実施しています。特集開始から4年目となる本年は、過去最多となる23社のメーカーが参加しました。その結果、特集期間中の流通額は前年比2.1倍と大きく伸長し、イベントシーズンに向けた小売店の早期仕入れ意欲の高さが確認されました。

フェアトレード商品が上位を独占

今回の特集において特に顕著だったのは、SDGsやエシカル消費への関心の高まりを背景とした、「フェアトレード」や「オーガニック」認証商品の需要です。受注店舗数上位をフェアトレード関連商品が独占し、価格や味だけではなく、生産者の生活向上や環境保護につながるといった商品の背景にあるストーリーが、多くの小売事業者にとって仕入れを判断する際の重要な要素となっていることが明らかになりました。

販売好調の背景にある要因

値上げ不安から確信への転換

2024年の事前予約特集は、チョコレートをはじめとする食品の値上げ時期と重なったため、「値上げ後のチョコレートは売れるのか」という不安から小売店の仕入れ控えが発生しました。しかしながら、秋冬の実売期(即納期)に入ると、チョコレートの売れ行きは例年と比較して大きく変わらないことが判明し、最終的な販売量も2023年以前と大きな差はありませんでした。この結果を受けて、2025年は小売店の間で「この価格でも売れる」という確信が広がり、在庫を確保するために予約段階から発注が活発化したと考えられます。

通年提案できるデザインが支持される

今回の事前予約特集では、クリスマスやバレンタインなどの季節限定パッケージよりも、季節やイベントを問わず年間を通じて提案できるデザインのチョコレートの売れ行きが好調でした。「いつでも、どのようなシーン(年末年始、バレンタイン、ご褒美チョコ、春ギフトなど)でも贈れる」デザインが支持を集めています。短期的なイベント向けの仕入れではなく、長期間にわたって展開できる汎用性の高いデザインが、小売店の仕入れ判断における重要な要素となっていることがわかります。

担当者のコメント

ラクーンコマースのエシカル担当である霜越氏は、「秋冬に堅調に売れるチョコレートは、立ち上げシーズンから在庫を確保しておきたいというニーズが高いため、先行受注が好調の要因となったと考えられます。また、度重なる値上げにより、『高級品』『嗜好品』としてチョコレートを楽しむ傾向もあり、その価格に見合う品質や味わいを求められる傾向があります」とコメントしています。

取り扱い商品の紹介

ピープルツリー

食品から衣類・雑貨まで幅広くオリジナルアイテムを企画開発するフェアトレード専門ブランドです。30年のロングセラーとなるチョコレートは、すべてフェアトレード&オーガニックの原材料を使用しており、乳化剤や代替油脂を使わずにスイスの伝統技法で仕上げられています。豊富なラインナップと目を引くパッケージ、飽きのこない味わいから自家用・ギフトの双方で支持されています。

新商品:ミニチョコ2種アソート

大きめのひとくちサイズで楽しめるミニチョコ2種アソートが新登場しました。どなたにも好まれる「ミルク&ヘーゼルナッツ」とフルーツフレーバーの「オレンジ&ラズベリー」の2種が用意されています。ラズベリーはミニサイズに合わせて粉状に加工され、より香り立ちが印象的になっています。通常のフェアトレード&オーガニック板チョコとは異なる専用レシピを採用しており、お砂糖には有機粗糖を使用、マダガスカル産の有機バニラをほんのり効かせ、小さなサイズでも華やかな味わいを実現しています。

ミニチョコ1ミニチョコ2

新商品:缶チョコがリニューアル

人気の缶チョコが新たな形とイラストで登場しました。粗糖を使ったシンプルなミルクチョコと、カリカリのカラメルがアクセントのミルクチョコの2種入りです。缶型を正方形に変更し、ギフトらしく華やかでやさしい雰囲気のパッケージデザインへ一新されています。

缶チョコ

第3世界ショップ(プレス・オールターナティブ)

オーガニックやフェアトレードなど、世界のこだわりの食品と手仕事雑貨を扱うエシカルブランドです。貧困とそれによりもたらされる世界の諸問題を仕事創りで解決しようと、1986年に日本で初めてフェアトレード事業を開始しました。できる限りシンプルな原材料で、素材本来の味を活かした商品作りが特徴です。白砂糖や乳化剤を使わず、スイスの伝統製法で長時間練り上げた極上の口どけと香りのチョコレートは、日常用からギフトまで幅広く支持されています。

新商品:Artisanシリーズ オレンジビターチョコレート

Artisanシリーズから、オレンジビターチョコレートが新登場しました。第3世界ショップの定番フレーバーが、Artisanシリーズとして初めて登場したものです。カカオ分65%のビターチョコレートに、オレンジの爽やかな香りを合わせた人気フレーバーとなっています。オレンジの皮から低温圧搾法で抽出した精油を使用し、自然で芳醇な香りを実現しています。スイスの伝統製法「コンチング」により、カカオのえぐみを抑え、なめらかな口どけと豊かなアロマを実現しています。

オレンジビターチョコレート

リニューアル:ラムレーズンチョコレート

レーズンチョコを、ラムがほのかに香る大人向けフレーバーへリニューアルしました。従来のレーズンチョコを大人向けに刷新したもので、お客様アンケートでも要望の多かった「ラムレーズン」のフレーバーを採用しています。香料は使用せず、ラム酒のみで香り付けした自然な風味が特長です。ほのかに香るラムレーズンと、カカオの風味豊かなビターチョコレートの相性が楽しめます。

ラムレーズンチョコレート

購入店舗の活用事例

美容室・リラクゼーションでの活用

来店体験の一部としてフェアトレードチョコレートブランド「People Tree」の商品を活用している事例があります。導入当初は施術後の粗品として提供していましたが、価格高騰を受けて現在は店頭での通常販売へと切り替えられています。粗品時代に味を気に入った顧客が継続購入するケースも多く、施術中にサービスドリンクとともに楽しまれることもあるといいます。滞在時間のある業態において、施術中にも食べやすく、味の満足度が高いチョコレートが、来店体験の一部として活用されています。

工務店・マルシェ出店での活用

工務店を営む事業者では、商工会議所主催のマルシェ出店をきっかけに、フェアトレードチョコレートブランド「People Tree」の取り扱いを開始した事例があります。本業とは異なる切り口で来場者との接点をつくれる商材として活用しており、購入者は40代から80代までと幅広い層に支持されています。特にクリスマスやバレンタインなどのイベント前後にはリピート需要が高まる傾向があるといいます。価格帯やサイズ感を調整しやすく、ギフトとしても扱いやすいと好評で固定ファンもついているとのことです。地域イベントや対面販売と相性の良い商材であることがうかがえます。

文具店での活用

イタリアのチョコレートブランド「ポルコバッチョ」の商品を取り扱っている文具店の事例もあります。店内に置きやすいパッケージ性や、原材料がシンプルで添加物を使用していない点に惹かれ、導入を決めたといいます。レジ横に陳列したところ、文具と一緒に購入されるケースが多く、あわせ買いにもつながっています。購入者は30~40代を中心に、自家用としてのリピーターが一定数存在するほか、飲食店関係者が店舗提供用として購入するケースも見られるとのことです。イベント時期に左右されにくく、通年で提案できる点から、非飲食業態でも導入しやすい食品商材として機能しています。

スーパーデリバリーについて

スーパーデリバリーは、メーカーと小売店やサービス業などの事業者が取引する卸・仕入れサイトです。商品掲載数は200万点を超えています。メーカーにとっては、地域を超えた49万店舗への販路拡大ツールとして効果を発揮し、小売店にとっては3,200社を超える出展企業とインターネットを通して取引でき、仕入先を大幅に拡大することが可能です。またコストや手間、リスク等を解消し効率的な取引を実現しています。第1回日本サービス大賞にて地方創生大臣賞を受賞しています(数字は全て2025年10月末時点)。

会社概要

株式会社ラクーンコマース
代表者:代表取締役社長 和久井 岳
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目14番14号
設立:2018年11月
資本金:300,000千円

出典元:株式会社ラクーンコマース プレスリリース

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