
Recustomer株式会社が、株式会社ミライスピーカーにおいて、顧客体験向上と返品業務の効率化を目指した「Recustomer 返品・キャンセル」システムが導入されたことを発表しました。ミライスピーカー社が提供する「60日間返金保証」に伴って増加していた返品関連業務の負荷が大幅に削減され、同時に進捗通知やデータ活用によって顧客満足度の向上にも貢献していることが明らかになりました。
この記事の目次
導入背景
株式会社ミライスピーカーは、独自技術である曲面サウンドを採用し、「聞こえ」に課題を抱える方々に新たな価値を提供することで、特にシニア層を中心に急速に支持を拡大してきました。
同社では、顧客一人ひとりの聴こえの状況や生活環境が異なることを考慮し、実際の生活環境で安心して製品を試せるよう「60日間返金保証」を実施しています。この顧客中心のアプローチは好評を博していますが、課題も生じていたとのことです。
2022年には製品認知度の向上に伴いEC売上が急成長し、これに比例して返品手続きの対応時間も増加。スタッフは対応に追われ、顧客に寄り添った質の高いサポートを提供するための時間確保が困難になっていたそうです。
さらに、当初の返品申請プロセスは十分に体系化されておらず、返品の進捗状況が顧客からも社内からも見えにくい状況だったとのこと。そのため「返品商品は到着しているか」「返金はいつ行われるのか」といった問い合わせが多く、顧客体験の面でも改善が必要となっていました。
こうした状況を解決するため、ミライスピーカー社は以下の条件を満たすシステムを探していたそうです:
- 注文情報と連動して返金保証の対象者だけが申請できる仕組み
- 返品条件を自動で判定し誤申請を防止できる機能
- 人件費と比較して導入効果が明確なシステム
特に返金保証を伴う家電製品特有の運用に対応できる基盤として、同社はRecustomerの採用を決定したとのことです。
導入後の効果
Recustomer導入後、ミライスピーカー社では以下の効果が確認されているようです。
1. 返品条件の自動判定による確認工数の大幅削減
Recustomerが注文データと連動し、返品保証の対象者かどうかを自動判定する機能により、以前は1件あたり5分以上かかっていた確認作業のうち、3〜4分が削減され、約80%もの作業工数削減を実現したとのことです。これにより担当者は実務処理に集中できるようになり、心理的負担も大幅に軽減されているそうです。
2. シニア層にも配慮した直感的なUIで電話問い合わせ増加を防止
ユーザーの多くがシニア層であることから、システム導入時には懸念もあったそうですが、RecustomerのUIは直感的でわかりやすく設計されており、ほとんどのお客様が問題なく申請を完了できているとのこと。システム導入による電話問い合わせの増加もなく、スムーズにデジタル対応へ移行することができたようです。
3. 返品ステータスの自動通知による顧客不安の解消とCX向上
返品商品の着荷や返金処理の完了に合わせて自動通知が送られるため、お客様が状況をリアルタイムで確認できるようになり、安心感が大幅に向上したということです。従来多く寄せられていた「返金はいつされるのか」といった問い合わせも減少し、カスタマーサポートの品質改善にもつながっているとのことです。
4. 返品理由データの分析と商品改善への活用
Recustomerで収集された返品理由のデータを分析したところ、「顧客の好みに合わせた使い方の案内」が満足度を高める重要な要素であることが判明したそうです。この知見をもとに、製品に使い方チラシを同梱したり、Q&Aを拡充するなどの施策を実施し、結果として返品率の低減にも貢献しているとのことです。
5. 柔軟な返金保証運用によるマーケティング施策への迅速対応
キャンペーンに応じて返金保証期間を柔軟に設定できる機能と、購入日に基づいて自動で判定される仕組みにより、従来課題だった保証期間の管理がスムーズに運用できるようになったそうです。これによりマーケティング施策への迅速な対応が可能になっているとのことです。
今後の展望
ミライスピーカー社では、返品された商品を整備・クリーニングを行い「公式整備済みリユース品」として再循環させる取り組みを積極的に推進しているそうです。今後は倉庫システムとの連携を強化し、返品受付から再商品化までの一連のプロセスをさらに効率化していく方針とのことです。
またカスタマーサポート部門では、申請画面の文言改善など、顧客が迷わないUI/UXの継続的な強化に取り組み、より安心して利用できる購入後の顧客体験の向上を目指しているようです。
同社は返品を単なる「ネガティブな作業」ではなく、「顧客への誠意を示す機会」や「購入のハードルを下げる重要な施策」と積極的に位置づけ、今後もRecustomerを基盤としてカスタマーエクスペリエンスの向上と事業成長を加速していくとのことです。
購入後体験プラットフォーム「Recustomer」について
Recustomerは、購入後の体験向上と顧客接点創造を実現する購入体験プラットフォームです。主に以下の3つのサービスを提供しています:
- 注文を追跡してお届け予定日を通知する「Recustomer 配送追跡」
- 返品・交換・注文キャンセル業務を自動化する「Recustomer 返品・キャンセル」
- お試し購入を可能にする「Recustomerお試し購入」
特別な購入後体験を提供することで、ユーザー体験の向上を実現し、EC事業者の売上向上を支援することを目指しているとのことです。
Recustomer株式会社の概要
会社名:Recustomer株式会社
代表取締役:柴田 康弘、辻野 翔大
事業内容:購入後体験プラットフォーム「Recustomer」開発・運営
設立:2017年3月
所在地:東京都中央区銀座5丁目14−1 銀座クイント 8F
まとめ
今回のミライスピーカー社での導入事例は、特にシニア層向け製品を扱う企業における購入後の顧客体験向上と業務効率化の両立を示す好例といえるでしょう。返品対応の自動化とデータ活用による顧客満足度向上の成功事例として、今後も多くの企業に参考にされることが予想されます。
Recustomerのような購入後体験に特化したプラットフォームの活用は、ECビジネスが拡大する現在において、単なる業務効率化だけでなく、顧客との信頼関係構築や長期的なブランド価値向上にも貢献する重要な要素となっています。特に返品保証のような顧客に安心感を提供するサービスを効率的に運用することで、初期購入のハードルを下げると同時に、顧客満足度を高める効果が期待できます。
さらに、返品データの分析によって得られた顧客インサイトを製品改良やサービス向上に活かすというアプローチは、単なる返品処理の効率化を超えた戦略的な価値を生み出しています。ミライスピーカー社のケースでは、返品理由の分析から「使い方の案内」の重要性が明らかになり、それを改善することで返品率の低減にまでつながったことは特筆すべき成果といえるでしょう。
このようにデジタルツールを活用して顧客体験を向上させながら業務効率化も実現する取り組みは、今後ますます重要性を増していくと考えられます。特に高齢者向けサービスにおいては、デジタル対応と丁寧なサポートの両立が求められる中、今回の事例は多くの企業にとって参考になる好事例といえるでしょう。
出典元:Recustomer株式会社 プレスリリース












