Repro調査:スマホ新法施行前にアプリ外決済に高い関心、80%以上が理解に自信

Webとアプリの収益最大化を支援するマーケティングソリューションを提供するRepro株式会社は、2025年10月31日~11月4日にかけて、アプリ事業者220名を対象とした「スマホ新法とアプリ外決済・課金についての事業者調査」を実施しました。この調査では、スマホ新法への認識度や、アプリ外決済が収益に与える影響などについて調査が行われています。

調査実施の背景

2025年12月18日に「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(スマホ新法)」が全面施行されます。国内のスマートフォン保有率は90.5%(「令和7年版 情報通信白書」総務省)に達しており、国民生活に欠かせないインフラとなっています。このスマホ新法の施行は、消費者、事業者双方に大きな影響を与えることが予想されています。

この法律の主な目的は、巨大企業による市場支配を防ぎ、公正で自由な競争を促進することです。アプリ事業者にとっては、スマホ新法で義務付けられる「アプリ外決済への直接誘導」や「第三者アプリストア」の解禁が、事業に大きな影響を与えると考えられています。

今回の調査は、アプリ事業者のスマホ新法への認知度を測定するとともに、特にアプリ外決済に関するプラットフォーマーの手数料改定が、アプリ事業者の収益や事業戦略にどの程度のインパクトを与えるかを予測するために実施されたものです。

主なポイント

  1. 80%以上がスマホ新法への理解に自信あり。圧倒的に高いアプリ事業者からの注目度
  2. アプリ外決済と第三者アプリストアの解禁がアプリ事業者の主な注目点
  3. アプリ外決済比率は50%前後が一般的か。金額ベースでの依存度は非常に高い
  4. アプリ外決済を採用している最も大きな理由は「手数料を回避できるから」が40%で最多
  5. 90%以上が将来的にアプリ外決済を採用する予定がある

調査結果抜粋

スマホ新法がもたらす影響への理解度

「スマホ新法」がアプリビジネスに与える影響についてどの程度理解しているかを調査したところ、「完全に理解できている」が39.1%、「ほとんど理解できている」が44.5%となりました。これにより、80%以上の人がスマホ新法がもたらす影響への理解度に一定以上の自信を持っていることが明らかになっています。

また、「ほとんど理解できていない」「施行されること自体を知らない」という回答の合計はわずか2.3%にとどまり、スマホ新法の施行がアプリ事業者から非常に高い注目を集めていることがわかります。

スマホ新法の理解度調査結果グラフ

スマホ新法の施行に当たって注目している影響

スマホ新法の施行によって引き起こされるアプリビジネスの変化について、「最も注目しているもの」を質問したところ、「第三者アプリストアの解禁」が33.9%で最多となりました。続いて「アプリ外決済への直接誘導の解禁」が29.8%と僅差で2位となっています。この結果から、この2点がアプリ事業者にとって特に重要な関心事であることがわかります。

スマホ新法で注目している影響のグラフ

売上に占めるアプリ外決済の比率

アプリへの課金方法として「アプリ内決済とアプリ外決済の併用」をしていると回答した115名に対して、売上に占めるアプリ外決済の比率を調査しました。結果として浮き彫りになったのは、アプリ外決済の売上貢献度の高さです。「30%以上、50%未満」という回答が33%で最も多く、次いで「50%以上、70%未満」が30.4%となっています。

この調査の回答者が携わっているアプリカテゴリやビジネスモデルによる偏りはあるものの、売上に占めるアプリ外決済比率は50%前後にあると考えられます。つまり、アプリ事業者にとってアプリ外決済は売上の半分を左右する重要な要素であることが明らかになりました。

売上に占めるアプリ外決済の比率グラフ

アプリ外決済を採用している理由

アプリへの課金方法として「アプリ内決済とアプリ外決済の併用」をしていると回答した115名に対して、アプリ外決済を採用している理由を聞いたところ、「最も大きな理由」として明確に回答数が多かったのは「Apple、Googleが設定している手数料を回避できるから」で40%を占めています。この結果から、スマホ新法施行後の手数料率が、アプリの課金方法の行方を大きく左右することが予想されます。

アプリ外決済を採用している理由のグラフ

将来的なアプリ外決済の採用予定

アプリ外決済を未採用であると回答した105名に対して、将来的なアプリ外決済採用の予定を調査した結果、実に94.3%が「採用する予定がある」と回答しています(「採用する予定があり、具体的に検討している」「採用する予定はあるが、具体的な検討はしていない」の合算)。この結果から、アプリ外決済の採用はアプリ事業者にとって現実的かつ重要な事業戦略となっていることがわかります。

将来的なアプリ外決済の採用予定グラフ

まとめ

今回の調査は、スマホ新法に対するアプリ事業者の関心度、注目度の高さを明らかにするとともに、アプリ外決済の事業貢献度、影響度の高さを浮き彫りにしています。事業者ごとに事情は異なりますが、アプリ事業者全体を俯瞰すると、売上の約50%前後をアプリ外決済が占めており、アプリ外決済への取り組み方が収益に大きな影響を与えていることがわかります。

現在(2025年12月11日時点)、日本国内ではアプリ外決済に対して、AppleやGoogleから手数料を求められることはありません。スマホ新法の施行によって「アプリ外決済への直接誘導」が解禁され、手数料ゼロが維持されるならば、アプリ外決済の利用を促進することで、売上、収益ともに大幅に増大する可能性があります。

一方でグローバルでは、アプリ外決済について新たな手数料の仕組みを導入する動きが進められています。もし日本にも同様の仕組みが導入された場合、アプリ外決済にも手数料がかかるようになり、収益にマイナス影響が出る可能性があります。スマホ新法の施行後には手数料体系の大幅な改変が実施されることも予想されるため、アプリ事業者は複数のパターンを想定して、収益構成のシミュレーションを行っておくことが重要です。

調査概要

  • 調査名:スマホ新法とアプリ外決済・課金についての事業者調査
  • 調査期間:2025年10月31日~2025年11月4日
  • 調査方法:インターネットアンケート調査
  • 調査対象:以下の条件に該当する220名
    • アプリの年間売上規模が5億円以上である
    • 回答時の役職が「モバイルアプリ全体の事業責任者」「モバイルアプリのプロダクトマネージャー」「モバイルアプリの集客および運用担当者(アプリの収益に対して業務責任を負っている)」のいずれかである
    • アプリへの課金方法が「アプリ内決済とアプリ外決済の併用」「アプリ内決済(Apple、Googleの公式決済システムを利用する方法)のみ」「わからない」のいずれかである
    • アプリの収益形態が「都度課金型(アプリ内アイテムやコンテンツをユーザーが都度購入する形態)」「サブスクリプション型(アプリ内のサービスやコンテンツ利用権をユーザーが期間単位で購入する形態)」「有料買い切り型(アプリのインストールが有料である形態)」のいずれか、または上記と「広告収益型」の組み合わせである

Repro株式会社について

Repro株式会社は、"テクノロジーの力"と"人の力"を掛け合わせ、人とサービスの間に存在する課題を解決するマーケティングソリューションカンパニーです。Web、アプリの顧客一人ひとりに対し、最適なタイミング、内容、チャネルでのコミュニケーションを可能にするCE(カスタマーエンゲージメント)プラットフォーム「Repro」、専門のプロフェッショナルチームによる収益最大化サービス、タグを入れたその日からかんたん・すぐにWebサイトの表示スピードを高速化する「Repro Booster」を提供しています。

会社情報:
社名:Repro株式会社
所在地:東京都渋谷区代々木1-36-4 全理連ビル4F
代表者:代表取締役 平田 祐介
設立:2014年4月
事業内容:Webとアプリの収益最大化を支援するマーケティングツールの開発・提供

出典元:Repro株式会社 プレスリリース

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