
株式会社infonerv(本社:東京都千代田区、代表取締役:江田研人)は、同社が提供する自動発注AI「α-発注」において、将来の在庫数を計画的に増減させることができる「在庫レベル計画機能(仕入先単位)」を新たに提供開始したことが明らかになりました。この機能により、小売・卸・メーカー・製造などの事業者は、仕入先ごとに繁忙期・閑散期の在庫方針を事前に設定し、その内容を推奨発注量に自動反映させることが可能になります。
この記事の目次
背景:勘と経験に頼った「なんとなくの在庫増やし」からの脱却
年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの大型連休、あるいはキャンペーン・販促イベントの前後では、一時的に在庫を増やす必要があります。一方で、イベント終了後には在庫を素早く絞り込み、在庫回転率とキャッシュフローを確保することが重要となります。
しかし現場では、「とりあえず安全に多めに発注しておく」「去年の感覚を頼りにざっくり積み増しする」といった判断に頼らざるを得ないケースも多く存在します。そのため、在庫の積み増しタイミングや量が曖昧になったり、仕入先ごとの特性や条件が十分に反映されないといった課題が生じていました。
今回提供開始された「在庫レベル計画機能(仕入先単位)」は、こうした課題に対応するもので、在庫の増減方針を「安全在庫レベル」で指定し、事前に計画・自動反映できるようにすることで、勘と経験頼みの判断からの脱却を支援する機能となっています。
新機能「在庫レベル計画機能(仕入先単位)」の詳細
「在庫レベル計画機能」は、将来の安全在庫レベルの増減を計画しておくための機能です。「α-発注」の推奨発注量を計算する際に、「安全在庫増加日数」というパラメータを用いて、1日あたりの予測販売数に何日分かを上乗せ(あるいは減算)することで、持つべき在庫数量をコントロールすることができます。
本機能は、倉庫全体での一括設定だけでなく、仕入先単位でも利用することが可能となっており、各仕入先に対して個別の在庫レベル計画を適用できるようになっています。
主な活用シーン
- 大型連休・長期休暇前後の在庫積み増し・絞り込み
年末年始やゴールデンウィーク、お盆など、通常よりも需要が増える期間に向けて在庫を段階的に積み増しし、終了後は計画的に在庫を減らす運用が可能になります。 - 毎月の在庫方針("月初多め・月末少なめ"など)の自動反映
「月初は多め、月末は少なめ」といった月次の在庫方針を、日別パターンとして毎月自動で繰り返し反映できます。 - 仕入先ごとの特性に応じた在庫戦略
リードタイムが長い仕入先、欠品リスクを極力避けたい仕入先、在庫圧縮を優先したい仕入先など、それぞれの事情に応じて在庫レベルをコントロールできます。 - 在庫圧縮・棚卸し前の計画的な在庫削減
安全在庫増加日数にマイナス値を設定することで、在庫をあえて減らしていきたい期間のコントロールにも対応します。
この機能により、季節変動や特殊な販売イベントに対応した在庫調整を、より計画的かつ効率的に行うことができるようになります。勘や経験に頼った曖昧な在庫調整から脱却し、データに基づいた正確な在庫管理が可能になるのです。
今後の展開
株式会社infonervは、適切な発注リストを自動で生成するという主要機能に加え、より細かい「いつ・どの仕入先で・どのような意図で」在庫を持つかを自由に設定できるようにすることで、より高度な在庫戦略立案を支援していくとのことです。
同社は今後も、「α-発注」のアルゴリズムやUI/UXのアップデートを通じて、小売・卸・メーカー・製造各社の在庫最適化と業務省力化に貢献していく方針です。
在庫管理の最適化は、多くの企業にとって重要な課題であり、こうしたAIを活用した自動化ツールの進化は、ビジネスの効率化とコスト削減に大きく寄与することが期待されます。特に、人手不足や働き方改革が進む中で、業務の自動化と効率化は多くの企業にとって重要な経営課題となっているため、このようなサービスの重要性は今後さらに高まっていくでしょう。
「α-発注」サービス概要
「α-発注」は、小売・卸・商社・メーカー・製造向けの自動発注AIです。このサービスを利用して発注リストを作成することで、過剰発注や在庫切れによる売り逃しなどを効率よく削減することが可能です。
2021年5月からサービスの提供を開始しており、化粧品、日用家庭雑貨、加工食品、機械、アパレルなど幅広いジャンルで導入が進んでいます。
在庫管理はビジネスにおいて非常に重要な要素であり、過剰在庫は資金繰りの悪化やスペースの無駄遣いにつながる一方、在庫不足は機会損失を招きます。「α-発注」は、こうした課題をAIの力で解決し、最適な発注量を自動で算出することで、企業の在庫管理を効率化しています。
今回の新機能の追加により、さらに細かい在庫計画が可能になり、ユーザー企業の在庫管理の質が向上することが期待されます。季節変動や特別なイベントなど、通常とは異なる状況下での在庫管理をより正確に行えるようになることで、ビジネスの安定性と収益性の向上に貢献するでしょう。
サービスサイト:https://a-orders.com/
株式会社infonerv 会社概要
株式会社infonervは、アカデミアの最先端で活躍するメンバーを中心にして創業されたAI企業です。東京大学で特任准教授を務める現役の研究者を中心に優秀な人材が集まり、在庫を抱える事業者の課題を解決するデータソリューションを提供しています。
学術的な知見と実務的なニーズを組み合わせ、高度なAIアルゴリズムを活用したソリューションを開発している点が特徴です。在庫管理という多くの企業が抱える普遍的な課題に対して、科学的なアプローチで解決策を提供していることから、幅広い業界での採用が進んでいます。
名称 : 株式会社infonerv
代表者 : 代表取締役 江田 研人
所在地 : 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2丁目10−4 4階
設立 : 2021年4月1日
事業内容 : AI SaaS事業
同社は比較的新しい企業ながら、高度な技術力と実用性の高いソリューションで、急速に顧客基盤を拡大しています。創業から約3年で、多様な業界のクライアントに対してサービスを提供しており、今後も技術革新と顧客ニーズに応じたサービス拡充が期待されています。
企業が扱う商品の多様化や市場の変化が加速する現代において、データドリブンな在庫管理の重要性はますます高まっており、株式会社infonervのようなAI特化型企業の役割はより重要になっていくでしょう。特に、サプライチェーンの複雑化やグローバル化が進む中、予測精度の高い在庫管理システムへのニーズは今後も拡大していくものと考えられます。
出典元:株式会社infonerv プレスリリース












