楽天ふるさと納税のアカウント運用ノウハウを解説!検索対策やトレンドを意識して寄付額を最大化

ふるさと納税の盛り上がりについて

令和3年7月30日に総務省から発表があった「ふるさと納税に関する現況調査結果の概要」によると、2020年のふるさと納税は6,724億円と昨年比130%以上も増加する形となりました。

201520162017201820192020
寄付額165,291,045284,408,902365,316,704512,706,361487,538,818672,489,555
件数7,260,09312,710,78017,301,58423,223,82623,336,07734,887,898
昨年対比-%172.07%128.45%140.35%95.09%137.94%
総務省データより集計

楽天ふるさと納税について

「楽天ふるさと納税」は2015年7月にサービスが始まった「ふるさと納税ポータルサイト」です。その名のとおり、運営は「楽天グループ株式会社」が行っています。楽天市場のマーケットもあり、2020年ではシェア30%前後と直近で最も成長率の高いポータルサイトとなっています。

掲載自治体についても、スタート当初の43から着々と掲載自治体数を増やしており、スタートから6年が経った現時点(2021年8月27日、以下同)では、掲載している自治体数は1,252まで増加。返礼品数も約24万件もあり、競合である「ふるなび」や「さとふる」を上回り、最王手の「ふるさとチョイス」に次ぐ第2位の規模に成長しています。

自治体を例にとっても、タイガー魔法瓶をもつ門真市(楽天ふるさと納税参入2020年12月)が、導入初月で推定1億円以上(2020年12月の楽天ふるさと納税実績)を持つなど良い事例がたくさん生まれています。

門真市:https://www.rakuten.co.jp/f272230-kadoma/
門真市:https://www.rakuten.co.jp/f272230-kadoma/

※楽天ふるさと納税推定実績 自社調べ

楽天ふるさと納税運用のTIPS

さて本題ですが、楽天ふるさと納税をはじめとしたポータルサイト(マーケットプレイス)の基本的な考え方や運用における考える軸をご紹介していきたいと思います。

  1. PDCAを回す上での基礎となる考え方
  2. ウェブマーケティングの基礎となる考え方
  3. 楽天ふるさと納税(マーケットプレイス)の抑えるべきポイント

PDCAを回す上での基礎となる考え方

PDCAを回す上での基礎となる考え方

まずはウェブマーケティングの基礎となる考え方です。弊社では”3つの可視化”として改善を図っていきます。

1つ目:現状の可視化
2つ目:施策の可視化
3つ目:結果の可視化

現状(外部環境と内部環境)を可視化し把握した上で、施策(方向性や戦略戦術)を明確にし、それを実行した後、結果の可視化(どうだったのか評価)をします。それを元に現状把握を行う、という形でPDCAを回していくことになります。

ウェブマーケティングの基礎となる考え方

まずは現状の可視化と施策の可視化です。ウェブマーケティングと言うと、難しい横文字や概念が出てきて小難しいイメージがありますが、基本的にはすごくシンプルです。

どんな施策であっても、アクセス数(PVやセッション)x転換率(CVR)x単価(購入単価や販売単価)を分解して、売上(ふるさと納税では寄付額)をあげていくことに帰結します。

現状の可視化では、この3つに沿って現状を把握し、どこに改善インパクトがあるのかを把握します。その上で施策を可視化していきます。

ウェブマーケティングの基礎となる考え方1

楽天ふるさと納税を上記のように分解してみると以下のようなイメージです。

ウェブマーケティングの基礎となる考え方2

楽天ふるさと納税(マーケットプレイス)の抑えるべきポイント

アクセス数を高めるには、表示ロジックを理解すること

購入(寄付)経路は大きく分けて2つ

  1. 特集ページといった「楽天市場からの流入」から
  2. 検索キーワードを入れてその結果から調べる「楽天サーチ」から

上記2つを攻略していくことで「寄付金額の最大化」を図ることができます。1については、人気商品を掲載していくので、2から着手することが一般的です。

アクセス数を高めるには、表示ロジックを理解すること

重要キーワードを決定すること

楽天サーチを攻略するためには、重要なキーワードを決定しそこで1位を取ることがポイントです。重要なキーワードの定義は、商品(返礼品)にマッチしているかつ検索数が多いもの、です。

表示順位によるクリック率の違いですが、「1位は、2位の2倍クリック率が良い」と考えています。3位以下であればさらにアクセス数が少なくなるため、順位はかなり重要な要素となります。

1ふるさと納税11ふるさと納税 おせち21ふるさと納税 サクランボ
2ふるさと納税 定期便12ふるさと納税 肉22ふるさと納税 牛肉
3ふるさと納税 訳あり13ふるさと納税 ハンバーグ23ふるさと納税 ステーキ
4ふるさと納税 うなぎ14ふるさと納税 星野リゾート24ふるさと納税 馬刺し
5ふるさと納税 米15ふるさと納税 桃25ふるさと納税 ホタテ
6ふるさと納税 ビール16ふるさと納税 牛たん26ふるさと納税 リンゴ
7ふるさと納税 シャインマスカット17ふるさと納税 うに27ふるさと納税 マンゴー
8ふるさと納税 カニ18ふるさと納税 みかん28ふるさと納税 メロン
9ふるさと納税 いくら19ふるさと納税 トイレットペーパー29ふるさと納税 明太子
10ふるさと納税 無洗米20ふるさと納税 イチゴ30ふるさと納税 豚肉
表:年間検索数のトップ30キーワード
  • 順位を徹底的に見ていくこと

タイトルの変更やサムネイル画像の変更・ページ改善をしながら、キーワード経由の掲載順位を定点観測することで、担当者の感想ではなく、実態として「効果があった」「なかった」を知ることができます。

楽天ふるさと納税といったマーケットプレイスでのウェブマーケティングはシェア取り合戦です。限られたアクセス数をいかに自分のアカウントに呼び込めるかが勝負になるので、明確に”効果のある施策をスピード早く運用できるチーム”が勝つゲームになります。

図:商品別検索キーワード順位のシステム(弊社システム)
図:商品別検索キーワード順位のシステム(弊社システム)
  • 年間トレンドを意識した運用

楽天ふるさと納税をはじめ楽天市場では、オンラインモールと呼ばれるように数多の商品が陳列されたオンライン上の百貨店ですが、お客様もある程度目的と購買意欲を持ってやってきます。当然年間のトレンドがあるので、そこを押さえた運用が非常に重要です。

簡単に検索キーワード別の年間需要を表にしてみました。順位は推定によるものなので、あくまで参考程度に活用していただければです。

年間トレンドを意識した運用1
年間トレンドを意識した運用2
年間トレンドを意識した運用3

年間で需要の変わらない「定期便」や「米」、「うなぎ」に対して、「いちご」といったフルーツや「おせち」のように旬があるものは当然ユーザー側の検索量も変化します。

年間の計画を立てながら返礼品管理を行なっていく体制が必要になります。(ここが非常に難しいことは理解しつつも。)

最後に、ふるさと納税で寄付額を集めるには?

これまでテクニック論としての「寄付額を最大化するための運用ノウハウ」についてお話ししてきました。しかしテクニック論だけではなかなか継続的な価値(利益)は見込めません。お客さんに選んでもらうためには「地域の魅力を発信しながら価値を高めていく運営」が何より重要です。商品(返礼品)とコミュニケーション(ページ作りやサムネイル画像、タイトル作り)を両方磨き上げてお客さんに喜んでもらえる運用を心がけましょう。

ウェブマーケティングはプロに委託しながらも、魅力発信は自治体の皆さんとチームを組みながら切磋琢磨していくチームが全国各地に出来上がっていくことを願っています。

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