
株式会社アイスタイルは、@cosmeに寄せられるクチコミや店舗の売上データなどの分析から2026年上半期の美容トレンドを予測する「@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測」を発表しました。
この「@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測」は、@cosmeメンバーのクチコミ投稿をベースとした「@cosmeベストコスメアワード」の関連企画です。クチコミデータに加え、フラッグシップショップや@cosme STOREの売上分析、ユーザーアンケートなど複数の情報源から見える生活者の意識変化と、美容プラットフォーマーとしての知見をもとに、今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測する「@cosmeトレンド予測部」が、2026年上半期のトレンドをキーワード化したものとなっています。なお、この発表は「@cosmeベストコスメアワード2025」と同時に行われたということです。
※「@cosmeベストコスメアワード2025」の詳細は同社の公式プレスリリースをご参照ください。
この記事の目次
@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測

キーワード詳細
キーワード①:「美湯~ティタイム」

2025年は気象庁が「観測史上最も暑い夏」と発表し、9月以降も厳しい残暑が続いたそうです。一方で、冬の訪れは急に寒くなるという予測が出されているとのこと。夏の疲労が十分に回復しないまま寒い時期を迎えることで、寒暖差による心身の不調が懸念されています。
ユーザーアンケートによると、「寒暖差のある日は、体の疲労感を感じる」と回答した人が全体の52.6%にのぼり、@cosmeのクチコミでも「肌疲れ」に関する投稿が多く見られているようです。
こうした状況の中、心身を癒す「お風呂時間」の過ごし方に進化が見られているといいます。入浴時間は人それぞれですが、長くても短くても"有意義なお風呂時間"を求める傾向が浮き彫りになっているとのことです。
実際に、@cosmeにおける「入浴剤」カテゴリの登録商品は前年比204%に増加。ユーザーアンケートでも、バスタイムを「ただ洗う時間」ではなく、美容・リラックス・自分をいたわる「有意義な時間」と捉え、そのための投資(時間やアイテム)に価値を感じる人が全体の80.6%に達していることが明らかになっています。

昨年末頃から「風呂キャンセル界隈」のような極端なワードも話題になっているようですが、バスタイムを「ただ洗う時間」ではなく、美容・リラックス・自分をいたわる「有意義な時間」と捉える傾向は、特に若年層でより高く見られているとのこと。この「効率ケア」派と「しっかりケア」派は、一人の人に両方存在しているものであり、忙しい日々を送る生活者にとって、ライフスタイルや気分に合わせて無理なく選択できる「美湯~ティタイム」アイテムが増えることが、多様な「ご自愛」ニーズに応え、インバスケアカテゴリの盛り上がりにつながることが期待されているそうです。

すでにブランド各社からも、「ゆっくりケア」派と「効率ケア」派それぞれのニーズに合った新商品が続々と登場しているということです。「ゆっくりケア」派向けの商品としては、注目の高価格帯シャワーヘッド市場に大手家電メーカーが今秋初参入したほか、洗うスキンケアを謳ったコスメデコルテ「AQ ラディアンス マイルド エッセンス ボディウォッシュ」などがあります。一方、「効率ケア」派には、BCL「サボリーノ/オールインワン美容液シャンプー」や、洗顔キャンセル界隈に向けて開発された手軽なグミ洗顔、資生堂「S 肌グミ」などが発売されています。
2026年上半期は、デジタルの喧騒から離れ、お風呂の時間を「自分と向き合う美容時間」と捉え、「しっかりケア」派も「効率ケア」派も、その日の自分に合った"いたわり方"を選ぶ「ご自愛入浴」が、これからのセルフケアの新定番になることが予測されているようです。



キーワード②:「先どりパーツケア」

各種市場調査によると、エイジングケア市場は今後も拡大傾向にあり、継続的な成長が見込まれているとのことです。@cosmeのクチコミでも「老化」というワードの出現率が前年の1.7倍となるなど、市場の盛り上がりが感じられるようです。
さらにユーザーアンケートで今後の支出意向について調査したところ、全体の81.6%がエイジングケアにかける費用を増やしたいと回答していることが分かりました。
この背景には、大人世代の人口増加に加え、若年層における早期ケアニーズの高まりがあると考えられるようです。上記のユーザーアンケートでは、10~20代の若年層でも「エイジングケアにかける費用を増やしたい」と回答した割合が68.4%にのぼっているとのことです。

実際、2025年10月末時点の@cosmeクチコミランキングの「エイジングケア」カテゴリでは、20代と40代で上位のアイテムラインアップに大きな違いが見られず、さらに1万円を超える高価格帯アイテムが中心となっているようです。
また、エイジングケアの意識はより細部へと向かい、「パーツケア」「スポットケア」への関心が広がっているとのこと。クチコミ上でも「スポットケア」というワードの出現率は前年比2.5倍に増加。さらに、クチコミ表現を分析すると、例えば「鼻」という小さなパーツに対して、「鼻根」「鼻脇」「鼻先」「鼻筋横」など多様な表現が見られるなど、自身の顔のパーツを細分化して捉える傾向が強まっていることがうかがえるとしています。
こうしたパーツを意識するようになったきっかけには3つの背景があると考えられているそうです。1点目は、パーツ関連の化粧品情報の増加、2点目は高機能ミラーの普及や自撮り文化の浸透など、自分や他人の顔のアップを見る機会の増加、3点目は美容医療の知識の広がりにより、細部のパーツに目が行きやすくなったことです。
ユーザーアンケートでも「以前と比べてピンポイントのパーツ悩みが増えたように思う」と答えた人が全体の76.3%にのぼり、パーツに関する悩みを抱える人が多いことがわかるようです。

さらに、筋膜へのアプローチに着目した"ほうれい線"や"フェイスライン"などのスポットケアを行うフェイスポインターも話題になっているとのことです。今後も「エイジングケア」や、その入口となる「パーツケア」「スポットケア」市場は、世代を超えて拡大していくことが期待されています。将来的には、すべての「シワ」を否定するのではなく、特定の部分の「シワ」はあった方がより自然で自分らしいといった細かい選択も生まれる可能性があるということです。




キーワード③:「超キラメロコスメ」

「たまごっち」や90年代の音楽・ファッションなど、ここ数年続く平成リバイバルブームが見られています。最近では平成一桁世代(平成元年から平成9年に生まれた世代)が特に注目されているとのこと。当時を知る世代には懐かしく、若い世代には"新しい"と映るこの流れが、コスメの世界でも新たなトレンドを生み出しているようです。@cosmeのクチコミにおけるワードの出現率でも「平成」は前年比2.2倍に増加しています。
特に注目されているのが、平成の"カワイイ"を象徴する「キラキラ」アイテムだということです。当時流行したキラキラシールやラインストーンのデコレーション文化を思わせるコスメが人気を集めているとのことです。

ユーザーアンケートによると、10~20代の若年層では「メイクやファッションでキラキラしたものを目にするようになった」と回答した割合が46.6%、「取り入れたいと思うようになった」と回答した割合が42.3%と、関心の高まりが見られるそうです。
さらに、2025年10月に実施した@cosme TOKYOでのユーザーインタビューでも、「キラキラ」に対する関心の高まりを感じさせる回答が多く見られたとのことです。

特に注目すべきは、韓国コスメで人気を集めた"ちゅるちゅる"質感の「タンフルリップ」や"キラキラ"と輝くラメを散りばめたリップグロスなどが、ラグジュアリーブランドからも続々と登場していることだといいます。平成を思わせるチューブ型パッケージの復活も特徴となっているそうです。
@cosmeでのリップグロスの商品登録数は2025年10月末時点で前年比約1.3倍に増加し、クチコミ件数も同時点で前年比約1.3倍と増加傾向にあり、注目度の高さがうかがえるとのこと。また、SNSで「宝石系アイシャドウ」と話題のアイテムなど、リップ以外の"キラキラ"コスメにも関心が集まっているようです。
2025年上半期トレンド予測で発表された「じゃら×2チャームコスメ」に続き、世代を超えて愛される"キラキラコスメ"が、新たな平成リバイバルとして、2026年上半期のトレンドを席巻する可能性があるということです。



キーワード④:「夢中美容」

厚労省が2023年に発表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、"睡眠不足を感じる人の割合の悪化"が指摘されるほど、日本の「睡眠課題」は深刻化しているとのことです。また、2025年3月28日に発表された矢野経済研究所の「スリープテック市場に関する調査(2024年)」によれば、国内スリープテック市場の規模は2023年時点で推計95億円となっており、2027年には約1.7倍の160億円にまで拡大が予測されるなど、この分野は急速に成長しているそうです。
近年ではリカバリーウェア市場の伸びが著しく、累計販売数100万枚を突破(2024年12月時点)したウェルネスブランドのTENTIALは今年1月に上場し、美容ブランドのReFaも今秋初参入するなど話題が続いているとのこと。ユーザーアンケートでも、「リカバリーウェアや睡眠アプリなど「睡眠の質」を上げるアイテムに興味がある」と全体の53.5%が回答し、関心の高まりがうかがえるようです。

@cosmeのユーザーアンケートではさらに、「睡眠・眠りの質を意識するようになった」と全体の73.6%が回答しているとのこと。また、同じく全体の57.2%が「睡眠不足による肌の不調やトラブルを感じることがある」、44.1%が「睡眠をコンセプトにした化粧品に興味がある(スキンケア・リップケア・ヘアケア等)」と回答しており、睡眠と美容を関連付けた関心も高まっていることが明らかになっています。
ブランド各社からも、睡眠と美容の関係に着目したスキンケア商品や、身体の内側から睡眠の質を向上する機能性表示食品が続々と発売されており、「睡眠時間をいかにうまく活用するか」に着目した美容効果を追求する消費は、今後さらに多様化していくと予測されているそうです。

※出典:(株)⽮野経済研究所「スリープテック市場に関する調査(2024年)」(2025年3⽉28⽇発表)
注︓スリープテックに関連する寝具・家電等の製品(寝具はICT機能を含むもののみを対象とし、⼀般的な寝具は含まない)とし、主な製品には、スマートフォンアプリ、リストバンドや指輪型デバイス、ヘッドセット、寝具センサーなどがある。なお、市場規模はスリープテック関連製品のサービス・システムの利⽤料、およびアプリ使⽤料を対象として算出した。


キーワード⑤:「肌守り市場拡大中」

CICAやレチノールなど特定の肌悩みに応える「成分買い」が話題となる一方で、意外にも「敏感肌向けアイテム」に再び注目が集まっているとのことです。@cosmeのクチコミでは「敏感肌」(前年比1.1倍)、「ゆらぎ肌」(前年比1.1倍)といったワードに加え、肌の状態を表す「治安」(前年比1.2倍)、肌が敏感な状態になりやすいとされる「薄肌」(前年比2.6倍)といったワードの出現率が増加傾向にあるそうです。
ユーザーアンケートでも、「敏感肌でも安心・使える」というコンセプトや表記に惹かれると全体の37.1%が回答。さらに、全体の63.0%が「肌の治安を守る、揺らがない肌になりたいという意識がより高まった」と回答していることが明らかになっています。また、「あなたのお顔の敏感程度」を調査したところ、敏感肌を自認していない生活者のうち48%が「とても敏感」または「やや敏感」であると回答しており、注目すべき結果となっているとのことです。

この背景には、3つの理由があると考えられているようです。1つ目は、花粉や寒暖差といった外部環境の厳しさによる肌の不調だということです。2つ目は、レチノールなど効果が高い反面、刺激も伴う「攻め」の成分を試した結果、自身の肌の繊細さに気づく人が増えていることだといいます。ユーザーアンケートでは「流行りのレチノール製品を使用した際に、肌表面が荒れたり痛みがあったため」など、成分ブームをきっかけに自分の肌が敏感であることに気づいた例が見られたということです。
3つ目は、美容医療の普及だとのこと。「美容医療後にいつもより赤みが強く出る」「皮膚科で肌が薄いと言われた」といった声が聞かれているそうです。また、美容医療などを通じて専門家との距離が縮まったことも影響していると考えられているようです。
肌悩みを改善したいという「攻め」の姿勢を維持しながらも、肌の土台を守るために日常使いの化粧水や乳液は「守り」の敏感肌向けアイテムを選ぶという、「攻めと守り」を両立させる"お守り的スキンケア"が、これからの賢い選択として支持を広げていくことが予測されているとのことです。

アンケート調査概要
調査名: 化粧品に関するアンケート
調査方法:アンケート方式(WEB)
調査対象:@cosmeプロデュースメンバー/女性/15~69歳
有効回答数:5,786人
調査元:株式会社アイスタイル
調査実施日:2025年10月28日(火)~10月30日(木)
クチコミ分析概要
分析名: @cosmeに投稿されたクチコミ(テキスト)
分析方法:テキストマイニング
分析対象:2024年11月1日~2025年9月30日に購入品として投稿されたクチコミ(比較対象として前年同期)
調査元:株式会社アイスタイル
出典元: 株式会社アイスタイル プレスリリース












