Pinterestがビジュアルファーストの世界向けに新広告ソリューションを発表 - 画像検索こそが未来のショッピングと位置づけ

Pinterest社は年次グローバル広告サミット「Pinterest Presents™」において、ビジュアルファーストの世界に向けた新たな広告ソリューションを発表しました。同社は画像検索が未来のショッピング体験の中心になると考えており、ブランドがよりスマートにユーザーの購買意欲を引き出し、ユーザーが強い気持ちでインスピレーションを行動に移せるようにする新機能を提供します。

同社は、従来の検索エンジンやAIチャットボットが言葉に依存していたのに対し、ショッピングは本質的に視覚によってインスパイアされるものだと捉えています。多くの場合、消費者が「これが欲しい」と感じるのは、商品を実際に目にしたときであり、言葉による説明を通じてではありません。

この視覚重視のアプローチがZ世代に特に支持されており、Z世代の39%が最初に検索する場所としてPinterestを選んでいることが報告されています(1)。

Pinterest社の新しいトップ検索アドで広告検索をビジュアル化

Pinterest社のユーザーは画像検索から購買活動を始めることが多く、全クリックの45%が検索結果の上位10件以内で行われているというデータがあります(2)。また、人気検索ワードの96%はブランド名を指定しない一般的な検索であり(3)、これはユーザーが新しい商品の発見と購入に非常に積極的であることを示しています。

このような高い購買意欲を持つユーザー層をブランドが効果的に獲得できるよう、同社は「トップ検索アド」のベータ版の提供を開始しました。このサービスは、広告が利用可能なすべての市場で展開されており、検索結果と関連するピンの上位10件以内に広告を直接表示することができます。これにより、ブランドはショッピングジャーニーの最も早い段階で、競合他社に先んじて自社商品を表示させることが可能になります。さらに、広告主のカタログはブランド専用の広告ユニットに目立つように配置されます。

Pinterest社が実施したテストでは、トップ検索アドの平均クリックスルー率(CTR)は一般的なキャンペーンと比較して29%高く、さらに新規ユーザーからクリックを獲得する可能性が32%高いという結果が得られています(4)(5)。

この機能を先行して試用したWayfair社は、通常のキャンペーンと比較して、わずか2週間でCTRが237%増加するという著しい成果を達成しました(6)。

ローカル在庫広告でパフォーマンスが向上

視覚的なインスピレーションに加えて、実際の購買体験における利便性も消費者にとって重要な要素です。多くのユーザーは自分の近くで何が購入できるかを知りたいと考えています。Pinterest社が新たに導入した「ローカル在庫広告」により、小売業者は店舗周辺にいるショッピングユーザー(7)に対して、実際に在庫のあるアイテムとその価格をリアルタイムで表示できるようになりました。

カナダで初めてこのフォーマットをテストしたCanadian Tire Company社は、ショッピング戦略にローカル在庫広告を統合したことにより、通常のショッピングキャンペーンと比べて48%効率的に購買意欲の高いユーザーにリーチし、実店舗への来店率を16.5%向上させることに成功しました(8)。

メディアネットワークのパワーをPinterestアドマネージャーに活用

現在の広告市場では、ブランドがメディアネットワークのファーストパーティデータをデジタルキャンペーンに効果的に統合したいというニーズが高まっています。しかし、ツールやワークフローの断片化によって、このような統合が困難になっていることが課題でした。

この問題に対応するため、Pinterest社はアドマネージャーに新しいセルフサービスツールを搭載しました。「Pinterestメディアネットワークコネクト」を利用することで、メディアネットワーク企業は自社が保有するファーストパーティオーディエンス情報、商品カタログ、コンバージョンデータなどを広告パートナーと安全かつ効果的に共有できるようになります。

また、広告主側のメリットとしては、キャンペーンを一元的に作成・管理できるだけでなく、コントロールと透明性を維持しながら、Pinterest Performance+をはじめとするPinterestの幅広い広告ソリューションを活用することが可能になります。

Pinterest社はすでに米国のKroger Precision MarketingやInstacart Adsなどの主要メディアネットワークパートナーと協力関係を構築しており、今後さらにサービスの拡大を予定しています。

Kroger Precision MarketingのシニアバイスプレジデントであるChristine Foster氏はこの新機能について次のようにコメントしています。「マーケターは、消費文化の変化に合わせて迅速に対応する必要があります。この新機能により、広告主は意思決定とコントロールを加速させ、小売業者が持つ購入ベースのオーディエンスをターゲティングできるようになります。」

Pinterest社が提供する広告ソリューションの詳細および今回のPinterest Presentsで発表された内容のセッション動画については、Pinterest Businessブログで確認することができます。

画像検索を中心としたショッピング体験の進化は、従来のテキストベースの検索から視覚的なインスピレーションを重視する方向へと消費者行動が変化していることを示しています。Pinterest社の新しい広告ソリューションは、そうした変化に対応し、ブランドと消費者の双方にとって価値のある体験を提供することを目指しています。

ビジュアルファーストの時代において、Pinterest社はショッピング体験を革新し続けることで、独自のポジションを確立しようとしています。今回発表された新機能は、同社の戦略的な取り組みの一環として、今後の展開が注目されます。

1出典:Adobe、「Pinterest is emerging as a go-to search engine」(2025 年 4 月)

2出典:比較検討、コンバージョン、カタログ販売キャンペーンにおける検索と関連するピンの Pinterest アド(グローバル、2025 年 5 月 1 日~ 2025 年 5 月 31 日)

3 出典:Pinterest 内部データ(米国、2023 年 6 月)

4 出典:支出額と目的が類似した、Pinterest のトップ検索キャンペーンと通常のキャンペーンの比較、N = 64 件のキャンペーン(米国、カナダ、ドイツ、ブラジル、オーストラリア、イタリア、2025 年 6 月 11 日~ 2025 年 6 月 30 日)。これは、成果が保証されるものではありません。

5 出典:支出額と目的が類似した、Pinterest のトップ検索キャンペーンと通常のキャンペーンの比較、N = 26 件のキャンペーン(米国、カナダ、ドイツ、ブラジル、オーストラリア、イタリア、2025 年 6 月 11 日~ 2025 年 6 月 30 日)。「新規」ユーザーとは過去 90 日間に、ブランドの広告を閲覧していないか、ブランドの広告にエンゲージしていないユーザーを指します。これは、成果が保証されるものではありません。

6 出展:Wayfair 内部指標。トップ検索スイートキャンペーンと通常のショッピングキャンペーンの比較(米国、2025 年 6 月 16 日~ 2025 年 6 月 30 日)。テスト期間中、トップ検索アドの支出は BAU キャンペーンの支出の 1% 未満でした。

7 出展:IP アドレスから判断したおおよその位置に基づきます。

8 出展:Pinterest & Canadian Tire Spring 2025 - 5 月~ 6 月のショッピングキャンペーンの Foursquare フットトラフィック増加の結果(14 日間のアトリビューションウィンドウ)

出典元: ピンタレスト・ジャパン合同会社 プレスリリース

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