
株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:名倉健司)は、同社独自の「生活者発想」とプラニングノウハウを実装したエージェントAIとの共創を通じて、従業員の体験価値(EX)向上を起点に、顧客発想・接点の統合化・データ連携を通して顧客体験価値(CX)を高め、ブランドの持続的成長を支援するワークプレイス『CX AI STUDIO™』の提供を開始したことを発表しました。
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多くの企業が直面する「顧客体験」における課題
現在、デジタル化やサービスのコモディティ化が進む中で、企業の事業開発、マーケティング、営業、カスタマーサービス部門などの担当者は、顧客体験向上において共通の課題に直面しています。具体的には以下のような問題が挙げられます。
- プロダクトアウト発想から抜け出せず、顧客が本当に求める体験を企画できていない点
- 商品開発、マーケティング、営業などの部門が分断され、一貫性のある顧客アプローチができていない点
- 顧客データを保有しているものの、施策に十分活かしきれていない点
これらの課題は、ブランドと顧客との間に溝を生み出し、事業成長における大きな障壁となる可能性があります。そのため、これらを解決することが企業の持続的な成長において重要となっています。
AIは「ツール」から「チームメイト」へ
『CX AI STUDIO™』は、上記のような顧客体験向上における課題を解決するために開発された、専門スキルを持った"AIチームメイト"と一緒に働くための特別な仕事場"ワークプレイス"です。このサービスでは、エージェントAIとの共創を通じて、従業員の体験価値(EX)向上を起点に、顧客発想・接点の統合化・データ連携を通して顧客体験価値(CX)を高め、ブランドの持続的成長を支援していきます。

『CX AI STUDIO』の主な特長
『CX AI STUDIO™』は、以下の3つの特長で企業の顧客体験向上における課題解決を支援します。
専門知識を持つAIチームメイト群
生活者インサイトの発見から共感ストーリーを描く「発想エージェントAI」や、顧客接点でバーチャル接客などを行う「顧客体験AI」など、企画構想から実行まで各領域に複数の専門家AIを有しています。これにより、幅広い業務プロセスをAIがサポートすることが可能となります。
部門の壁を越える共通のワークプレイス
事業開発、マーケティング、セールス、CS/CRMといった全部門が、共通の顧客像を共有しながら業務を進めることが可能です。このような環境整備により、部門横断で一貫した顧客体験の構築を支援することができます。各部門間のコミュニケーションギャップを解消し、より効果的な顧客アプローチを実現します。
企業の状況に合わせた柔軟なデータ連携
博報堂独自の生活者データに加え、企業が保有する顧客データ(CDP/SFAなど)と連携することができます。これにより、AIがビジネスの文脈をより深く理解し、実践的で精緻なアプローチが可能になります。データに基づいた意思決定と施策立案を強力にサポートする体制が整います。
活用イメージ:AIチームメイトとの「発想会議」から生まれる新しいアイデア

シンプルなUI上で、複数の専門家AIから選択したAIとの対話や会議を通じて頭の中が整理され、アイデアが広がっていく「創発」を体験できます。博報堂独自の「生活者発想」とプラニングノウハウを実装したエージェントAIが思考のナビゲーションを行い、データと事実に基づいてリアリティのあるアウトプットを生成します。
また部門や業務内容、プロジェクトの目的に応じた専門スキルをもったAIチームメイトをデザインし、創造的な「発想会議」の場をつくることも可能です。これにより、個人でもチームとしても、いつでも専門家AIと会議ができる環境を実現します。従業員は必要なときに適切なAIの支援を受けながら、より創造的で効率的な業務遂行が可能になります。

クライアント企業の状況に合わせた支援内容
『CX AI STUDIO™』では、「ヒト(博報堂プロフェッショナル)」と「AI」によるワンチーム体制で、プロジェクトをサポートします。クライアント企業の状況に合わせ、以下2つの支援を行います。
CX構想支援
博報堂のCX構想チームがCX AI STUDIO™を活用し、顧客視点の戦略・企画構想から顧客接点での施策までを支援します。企業が抱える課題に対して、顧客視点からの解決策を提案し、実行まで一貫してサポートします。これにより、より効果的な顧客体験の創出が可能になります。
EXプロセス変革・導入支援
クライアント社内でのCX AI STUDIO™活用を前提とし、EXコンサルチームが業務プロセス変革やAIの導入・定着を支援します。企業の現状の業務フローを分析し、AIの効果的な活用方法を提案することで、従業員の業務効率化と体験価値の向上を実現します。組織全体でのAI活用文化の醸成もサポートしています。
博報堂はこれからも、ヒトとAIの創造力を掛け合わせることで、現場・組織の創造力強化を通じ、ブランドの事業成長を支援する取り組みを進めていくとのことです。『CX AI STUDIO™』を通じて、企業の顧客体験向上に関する課題解決と、それによるブランド価値の向上を強力にバックアップしていく姿勢を示しています。
AIと人間の協働による新しい働き方を実現するこのサービスは、今後のビジネス環境において重要な役割を果たしていくことが期待されます。
出典元: 株式会社博報堂 プレスリリース