調査:ふるさと納税が「生活防衛」と「幸福投資」の新ツールに進化 - 年収500万円を境に二極化する返礼品選び

個人のキャリアとライフデザインを支援する株式会社CAREER FOCUS(本社:東京都新宿区、代表取締役:東田 尚起)は、全国の20代~60代の男女400名を対象に「年収別ふるさと納税に関する実態調査」を実施したことを発表しました。調査結果から、ふるさと納税が単なる節税対策ではなく、物価高騰と将来不安に対する「生活防衛」と、人生の幸福度を高めるための「戦略的幸福投資」という、個人の価値観を反映した"ライフデザイン"のツールへと進化している実態が明らかになっています。

「量」か「質」か。年収500万円の壁が分ける、返礼品選びの現実

年収別ふるさと納税返礼品選択傾向グラフ

今回の調査では、世帯年収によって返礼品に求める価値が明確に二極化する「ふるさと納税格差」が確認されました。年収500万円未満の層では、実に72%が「量やコストパフォーマンスを重視する」と回答しています。この層では大容量の肉や日用品といった、日々の生活に直結する選択が大多数を占める結果となっています。

一方で、年収1,000万円以上の層では68%が「質や付加価値を重視する」と回答。その土地ならではの希少な食材や体験型ギフトなど、非日常的な特別感を求める傾向が顕著に見られました。この境界線は、ふるさと納税の目的そのものの違いを示唆しているようです。

主流は「体験」、しかし水面下では「防衛」へ。高年収層の"備蓄米"に隠された深層心理

調査によると、年収1,000万円以上の層で最も選ばれた返礼品は「旅行・宿泊券」(55%)となり、贅沢な体験を求める傾向は依然として主流であることがわかりました。しかしその一方で、これまでには見られなかった、彼らの深層心理を映し出す極めて象徴的な選択肢として「米」(15%)が浮かび上がってきています。

これは、経済的な余裕があってもなお、将来への漠然とした不安から、万が一に備える「防衛的消費」に走るという、富裕層の新たな価値観の"芽生え"を捉えたものと言えるでしょう。物価高騰や社会不安が続く中で、基本的な生活必需品を確保しておきたいという心理が、高所得層にも広がりつつあることを示しています。

中間層は「日常」より「非日常」へ。 "たった一度の思い出"への戦略的・幸福投資

株式会社CAREER FOCUSの調査では、年収400万円台の回答者の中で、約15%が限られた寄付上限額のほぼ全てを「ホテルの宿泊券」のような単一の体験型返礼品に投じる「幸福への一点投資」というべき行動が見られました。この背景には、日々の節約や我慢の先に、人生を豊かにする「最高の体験」を求める強い意志があるようです。

その願いは、以下の声に集約されています。

「温泉旅館の宿泊券を選びたい。毎年結婚記念日に夫婦で旅行に行くのが恒例なので、ふるさと納税を利用して少し贅沢な宿に泊まるのが夢です」(40代・年収500万円台)

日々の糧となる食料品よりも、夫婦の絆という無形資産を育む「記念日旅行」。ふるさと納税は、人生における幸福の優先順位を可視化する装置となっていることがこの調査から明らかになっています。中間所得層にとって、限られた予算の中で最大の満足を得るための戦略的な選択が行われているのです。

物価高が奪った"ささやかな贅沢"。全世帯共通の願いは「少し高級な日常」

年収アップ時の希望返礼品グラフ

「もし年収があと100万円高かったら?」という問いに対し、全回答者の68%が「少し高級な食材や調味料」と回答しました。「旅行」(45%)や「高級家電」(31%)を抑え、多くの人々が、物価高で手を伸ばせなくなった「ささやかな贅沢」を取り戻したいと強く願っていることが数字で明らかになっています。

「少し高級な調味料」「気兼ねなく食べたいイクラ」「大粒の栗」。これらは生活に彩りを与え、心を豊かにする「文化的な生活」の象徴であり、多くの人が「生きるための消費」から「より良く生きるための消費」への移行を渇望している姿がうかがえます。物価高騰により、以前なら手が届いた小さな贅沢が遠のいている現状が浮き彫りになりました。

株式会社CAREER FOCUS 代表取締役 東田尚起氏:コメント

「今回の調査は、ふるさと納税というレンズを通して、現代日本人の『キャリア観』や『ライフデザイン』のリアルを映し出していると感じています。先行きの見えない時代に、人々が何を守り、何を価値あるものとして投資するのか。その選択は、まさに人生のポートフォリオそのものです。私たちCAREER FOCUSは、こうした人々の価値観の変化を深く理解し、一人ひとりが自分らしいキャリアと人生をデザインできるよう、これからも支援を続けてまいります。」と東田代表は述べています。

調査概要

調査名称:ふるさと納税に関する実態調査

調査対象:ふるさと納税を利用したことがある男女400名

調査方法:インターネット調査

調査期間:2025年9月1日~9月10日

調査地域:全国

会社概要

会社名:株式会社CAREER FOCUS
代表取締役:東田 尚起
本社所在地:東京都新宿区東五軒町1-9
事業内容:転職支援事業、採用支援事業

出典元:株式会社CAREER FOCUS プレスリリース

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