
Shopifyは2025年8月6日、第2四半期(4〜6月)の決算を発表しました。売上高は26億8,000万ドルと前年同期比31%増を記録し、流通取引総額(GMV)も31%増の878億ドルに拡大しました。中でも、決済や融資、配送支援などを含むマーチャント・ソリューションが37%増と大きく伸び、売上全体の約4分の3を占めています。利益面でも営業利益が21%増加し、投資評価益を除いたベースでも収益力の拡大が確認されました。
業績概要 :売上31%増、取引サービスが成長を牽引
売上の内訳をみると、Shopifyの基本利用料や有料プラン、アプリなどから構成されるサブスクリプション・ソリューションが6億5,600万ドルとなり、前年同期比で17%増加しました。これは、いわゆる「利用料ベースの固定収益」で、安定的な収益源となっています。
一方で、決済サービス「Shopify Payments」をはじめ、融資や配送支援、越境販売支援といった取引に応じて収益が発生するマーチャント・ソリューションは20億2,400万ドルと37%増加しました。こちらは「取引ベースの変動収益」で、売上全体の約4分の3を占めています。マーチャント・ソリューションの力強い伸びが、今回の成長を大きく押し上げました。
取扱高の指標である流通取引総額(GMV)は878億ドルとなり、前年同期から31%増加しました。また、月額課金の安定収益を示す月間経常収益(MRR)も1億8,500万ドルに達し、9%の増加となりました。
利益面では、営業利益が2億9,100万ドルと前年同期比21%の増加を示しました。純利益はGAAPベースで9億600万ドルとなり、株式投資の評価益が寄与しました。一方、こうした投資損益を除いたNon-GAAPベースでも純利益は4億5,500万ドルに達し、32%の増益となっています。フリーキャッシュフローは4億2,200万ドルで、売上に対する比率は16%でした。
成長ドライバーと見通し:欧州が突出、次期も高成長を見込む
地域別では、北米とアジア太平洋での拡大に加え、欧州が為替調整後で42%増と突出しました。グローバル全体で成長が広がる中でも欧州が強い牽引役となった点が特徴的です。
経営陣も長期的な視点を強調しており、「数年前の大胆な投資が成果につながった。数字が良くてもイノベーションは止めない」とし、さらに「規模を問わずマーチャントの採用が進み、その成功が当社の成果に直結している」と述べました。
次期(2025年7-9月期)の見通しについては、売上高が前年比20%台後半、粗利益が20%台前半の成長を見込んでいます。営業費用率は38〜39%を想定し、フリーキャッシュフローマージンは10%台中盤から後半を維持する計画です。成長と収益性の両立を意識したガイダンスとなっています。
まとめ:取引収益が中心に、本業の収益力も拡大
今回の決算では、売上とGMVがともに30%超の成長を記録し、取引に連動するマーチャント・ソリューションが全体を牽引しました。
地域別では欧州が際立った成長を示し、北米やアジア太平洋も含めてグローバルに拡大が進んでいます。利益面では投資評価益を含むGAAPベースで大幅な増益となったほか、Non-GAAPベースでも32%の増益を確保しており、本業の収益力が着実に拡大している点も注目されます。
今後は取引関連サービスを中心に収益基盤をさらに強化しつつ、投資と収益性のバランスをどのように保っていくかが焦点となり、グローバル市場における競争力の持続が試される局面に入っています。
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