流通小売業・メーカー向けDX支援などを行う株式会社アドインテが、ウエルシアホールディングス株式会社のリテールメディア領域において、ユーザーのプライバシーを保護しながら安全な環境でデータ分析が可能な「データクリーンルーム(DCR)」を構築したことが発表されました。このシステムにより、広告主は自社データとウエルシアの保有データをセキュアな環境で連携し、高精度な顧客分析や効果的な広告配信が実現できるようになります。

データクリーンルーム概念図

拡大するリテールメディア市場とデータクリーンルームの重要性

小売企業が保有する購買データ(1st Party Data)を活用するリテールメディアの市場は現在、拡大を続けています。さらに注目されているのが、小売企業の購買データと広告主の保有データをセキュアな環境で連携させる「データクリーンルーム(DCR)」です。このDCRは、プライバシーに配慮しながら多様なデータを統合・分析できる仕組みとして、国内外で高い関心を集めています。

今回構築されたウエルシアの「データクリーンルーム(DCR)」により、広告主企業は自社が持つデータとウエルシアが持つ購買データをセキュアな環境で突合することが可能になります。これにより、高度な顧客分析や精度の高い広告配信を実現できるようになります。また、ブランドメーカーだけでなく、ノンエンデミック広告(非関連広告)においても、オンラインとオフラインを組み合わせた高度な分析や、自社データの効果的な活用促進に利用できる点が特徴です。

データクリーンルームの活用イメージ

データクリーンルームの活用イメージ図

ウエルシアの「DCR」が実現する3つの価値

ウエルシアの「DCR」は、プライバシー保護を最優先しながら、ユーザーインサイトを深く理解し、メーカー広告や販促をはじめとする広告主との共創を加速させるためのデータ基盤として位置づけられています。このデータクリーンルームは、以下の3つの価値を提供します。

顧客インサイトの深化と新たな価値創造の促進

ウエルシアグループが保有する購買データと広告主が保有するデータを、個人を特定できないセキュアな環境で分析することで、顧客の潜在的なニーズや価値観を深く洞察することが可能になります。これにより、従来のマーケティング手法では捉えきれなかったインサイトを抽出し、新たな商品開発やサービス向上に貢献することを目指しています。また、顧客一人ひとりのライフスタイルに寄り添った、より価値のある情報提供や体験価値の向上も実現できるようになります。

広告効果の精密な可視化と投資対効果の最適化

各種マーケティング施策が顧客の購買行動にどのような影響を与えたかを、客観的かつ定量的に可視化することで、広告投資の効果を正確に測定し、ROI(投資対効果)の最大化に貢献します。ウエルシアが保有するデータと広告主が保有するデータを掛け合わせることにより、オンライン・オフラインを横断した購買行動の分析など、より精緻なマーケティング戦略の立案をサポートすることが可能になります。

次世代リテールメディアプラットフォームとしての展望

アドインテ社は、今回のウエルシアの「DCR」構築を、単なるデータ分析基盤にとどまらない「次世代リテールメディアプラットフォーム」の核として位置づけています。将来的なシナジー創出を見据え、ウエルシアが保有する圧倒的な規模のデータ基盤を、他社との連携も視野に入れた拡張性の高いDCRとして発展させていく計画です。

今後の展望と取り組み

アドインテ社とウエルシアは今後、さらなる広告メニューの充実とサービスの強化を図るために継続的に協力し、ユーザー体験向上を目的としたリテールメディア開発など、サービス強化を進めていく方針です。

また、ブランドメーカーのマーケティング活動においても、1st Party Dataを活用した精度の高い広告配信の実現を目指していくとのことです。これにより、より効果的なマーケティング施策の展開が可能になり、ブランドメーカーと小売業の双方にとって価値あるデータ活用の仕組みを提供していくことが期待されています。

リテールメディア市場の拡大とともに、プライバシー保護と高度なデータ活用を両立させる「データクリーンルーム」の重要性は今後さらに高まっていくと考えられます。アドインテ社とウエルシアの取り組みは、この分野における先進的な事例として注目されています。

株式会社アドインテについて

会社名 : 株式会社アドインテ
設立  : 2009年4月
代表者 : 代表取締役 十河慎治
事業内容: 流通小売DX支援/リテールメディア開発・運用/O2O・OMOマーケティング

株式会社アドインテは、IoTとAIを活用した流通小売業・メーカー向けDX支援、リテールメディア開発、運用を行う企業です。京都市に本社を置き、2009年の設立以来、小売業界のデジタルトランスフォーメーションを支援してきました。ウエルシアホールディングスとの協業によるデータクリーンルームの構築は、同社の事業領域におけるさらなる発展を示す取り組みとなっています。

データクリーンルームの構築により、小売業とメーカーの協業がより深化し、消費者にとってより価値のある体験を提供することが可能になります。また、プライバシー保護の観点からも安全なデータ活用の仕組みとして、今後のリテールマーケティングの発展に貢献することが期待されています。

出典元: 株式会社アドインテ プレスリリース

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