70代以上シニア層の8割以上が実店舗を利用、オンライン通販も7割近くが活用―物流サービスへの満足度と改善ニーズ調査

高齢者の消費行動は近年ますます多様化しており、従来型の実店舗だけでなく、ネット通販など複数の購買チャネルを効果的に使い分けるシニア層が増加しています。しかし、特に70代以上の高齢者が実際にどのような購入方法を好んでいるのか、また物流・配送サービスに対してどのような評価や要望を持っているのかについて、具体的なデータを把握している企業はまだ多くないのが現状です。

この度、株式会社ecloreが運営する物流倉庫マッチングサイト「一括.jp」が実施した70歳以上の男女100人を対象とした最新アンケート調査(2025年7月16日実施)の結果が公開されました。本記事では、その調査結果をもとに、シニア層特有の購買チャネルの利用状況や物流サービスへの評価、今後期待する改善点などについて詳しくご紹介します。

この調査から明らかになった具体的なニーズや課題は、シニア市場をターゲットとする企業の皆様が効果的なサービス設計やマーケティング戦略を構築する際の参考情報として活用していただけるものです。客観的な視点からシニア市場の現状を把握し、今後の施策立案にお役立ていただければと思います。

調査内容の概要

・調査1: 過去3ヶ月間で商品の購入に利用したチャネルは?

・調査2: 利用している物流・配送サービスの満足度

・調査3: 物流・配送サービスが改善されるとしたら、特に改善してほしいことは?

・まとめ:ネットもリアルも"上手に活用"するシニア世代の特徴

調査結果1:過去3か月間で商品の購入に利用したチャネルを教えてください。

※複数回答可

  • 最も多かったのは「実店舗(ショッピングモール・百貨店・スーパーなど)」で、82.0%(82人)が利用していました。やはり日常の買い物や生活必需品の購入は、実際に商品を手に取れる安心感や利便性が支持されていると考えられます。
  • 次いで「オンライン通販(Amazon、楽天などECモール)」が68.0%(68人)と高い利用率となっています。多くの人がネットショッピングを併用しており、商品数の多さや自宅で注文できる手軽さが広く受け入れられていることがうかがえます。
  • 「公式オンラインショップ」は15.0%(15人)、「フリマ・オークションアプリ(メルカリなど)」は10.0%(10人)と、ECモールほどの利用には至っていません。限定商品や個人間取引など、特定の目的やニーズで使われていることが推察されます。
  • そのほか、「宅配食品サービス」は9.0%(9人)、「テレビ・カタログ通販」は4.0%(4人)、「その他」は1.0%(1人)となっています。

調査結果2:現在あなたが利用している物流・配送サービスについて、どの程度満足していますか?

物流・配送サービスの満足度調査結果グラフ
  • 最も多かったのは「やや満足している」で、39.0%(39人)となりました。多くの人が配送・物流サービスに対して一定の満足感を持っていることがうかがえます。
  • 次いで「普通」と答えた人が35.0%(35人)でした。特別な不満も満足もなく、標準的なサービスと受け止めている利用者が多いことが分かります。
  • 「非常に満足している」と回答した人は22.0%(22人)でした。全体の約2割が配送サービスに対して高く評価している点は、サービス品質の高さが一部で評価されている証拠といえるでしょう。
  • 一方で、「やや不満を感じている」は1.0%(1人)とごく少数にとどまりました。大多数の利用者が配送サービスに大きな不満を持たず利用している実態がうかがえます。

調査結果3:もし物流・配送サービスが今より改善されるとしたら、特に改善してほしいことは何ですか

※複数回答可(注1)

物流・配送サービスの改善要望調査結果グラフ

(注1) 本設問は複数選択式ですが、選択肢は2つまでに制限しています。これにより、特に改善してほしいと感じていることをより明確に把握できるようにしています。

  • 最も多かったのは「送料を安く(または無料に)してほしい」で、全体の51.0%(51人)を占めました。多くの利用者が送料などコスト面に強い関心を持っており、今後のサービス改善でも最も求められていることが分かります。
  • 次いで「特に改善してほしいことはない」が34.0%(34人)となりました。現状の物流・配送サービスに満足している人も多く、大きな不満がないことがうかがえます。
  • そのほか、「エコ配達(簡易包装やCO2削減)に力を入れてほしい」が19.0%(19人)、「置き配や受け取り方法の選択肢を増やしてほしい」が15.0%(15人)、「配送スピードをもっと速くしてほしい」が10.0%(10人)と続きました。配送品質や環境対応、利便性についても一定のニーズがある一方、「誤配や配送ミスをなくしてほしい」と回答した人は1.0%(1人)とごくわずかでした。

まとめ:ネットもリアルも"上手に活用"するシニア世代の特徴

  • 今回のアンケート結果から明らかになったのは、70代以上のシニア世代が実店舗とオンライン通販の両方を積極的に活用している実態です。
  • 特に日常的な買い物には依然として実店舗の存在感が大きい一方、ネット通販の利用率も非常に高く、多様なチャネルを柔軟に使い分けている様子がうかがえます。
  • 物流・配送サービスについても、大半の回答者が「普通」または「満足」と感じており、サービス品質に対する評価は総じて高いことが分かりました。
  • 今後の改善点としては「送料の低減」を望む声が過半数を超え、次いで「環境に配慮したエコ対応」や「受け取り方法の多様化」へのニーズも一定数存在することが明らかになりました。
  • シニア世代の消費・物流行動は一様ではなく、高齢であっても新しいサービスを積極的に取り入れる姿勢が見られます。今後は価格面での負担軽減、利便性の向上、環境への配慮など、複数の視点からのサービス改善が、シニア層のさらなる満足度向上につながると考えられます。

調査概要

調査日: 2025年7月16日

調査対象地域: 全国

調査機関: Freeasy

調査方法: オンラインアンケート調査

調査対象・人数: 70~99歳の男女100人

出典元: 株式会社eclore プレスリリース

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ