シニア層のネットスーパー利用に関する詳細な調査結果

シニア層向けマーケティングプラットフォームを運営するコスモヘルス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 小塚 崇史)は、シニア世代の『ネットスーパー』利用に関する調査結果を発表しました。今回のレポートでは、シニア層を対象にネットスーパーに対する意識や実態を調査し、従来の購買スタイルとの新たな選択肢の間に存在する課題や可能性を明らかにしています。

調査トピック

買い物の頻度は生活のリズムの一部

買い物の頻度に関する質問では、92%のシニアが「ほぼ毎日」(19.5%)や「週1〜2回」(41.6%)、「週3〜4回」(36.3%)といった定期的な買い物パターンであることがわかりました。この結果から、新鮮な食品を頻繁に購入したいという意向や、自家用車を使うシニアが多いという生活スタイルが伺えます。

約90%がネットスーパー未経験

ネットスーパーを利用したことがあると回答したのは僅か13.3%で、残りの86.7%が「ない」と答えています。この結果は、シニア層におけるネットスーパーの導入促進において初回利用の障壁を下げる取り組みが必要であることを示唆しています。

過半数が興味を示さない現実と潜在的な可能性

ネットスーパーに対して「あまり興味がない」と回答したのは58.4%ですが、「興味はあるが不安もある」という潜在層は34.5%に達しました。現状では関心が薄いものの、適切なコミュニケーションによる意識変化が期待され、不安解消と利便性の向上が普及策の鍵となるでしょう。

1:普段の買い物の手段を教えてください

(複数回答可)(有効回答者数:339名)

「自家用車」(87.0%)が最も高い割合で、「徒歩」(16.5%)や「自転車」(9.4%)と比較して大差があります。「公共交通機関」(バス・電車など)の利用はわずか2.9%であり、シニアの買い物行動が自家用車に強く依存している状況が明らかになりました。

2:週に何回くらいスーパーに買い物に行きますか

(有効回答者数:339名)

「週1〜2回」(41.6%)が最も多く、「週3〜4回」(36.3%)や「ほぼ毎日」(19.5%)が続き、これらの選択肢で約97%を占めています。「週1〜2回」と回答した層は計画的な買い物をしている可能性が高いと考えられます。一方、「週3〜4回」と「ほぼ毎日」と回答したシニアは、新鮮な製品をこまめに購入したい傾向があると推測されます。

3:買い物で困難に感じていることはありますか

(複数回答可)(有効回答者数:339名)

「特に困っていない」との回答が54.3%と過半数を占めました。しかし、「重い荷物を運ぶことが大変」(28.9%)や「店までの距離がある」(14.7%)、「天候や気温の影響を受ける」(13.9%)などの物理的な課題も見受けられました。

4:現在利用しているサービスを教えてください

 (複数回答可)(有効回答者数:339名)

「特に利用していない」とする回答が圧倒的に多く75.8%に達しました。「野菜・食品の宅配サービス」(16.5%)や「移動販売」(3.2%)、「宅食サービス」(2.1%)が続いています。食材配送や移動販売の利用率の低さから、シニア層において宅配系サービスの浸透が進んでいないことが示されています。

6:ネットスーパーを利用したことがありますか

(有効回答者数:339名)

「ない」との回答が86.7%を占め、実際に利用したことがあると答えたのはわずか13.3%でした。これにより、シニア層のネットスーパー利用経験が極めて限定的であることが浮き彫りになっています。

8:ネットスーパーを利用しない理由や不安に思っていることはあります

 (複数回答可)(有効回答者数:294名)

「実物を手に取って選べない」という不安が56.8%で最も高く、続いて「商品の鮮度が心配」(30.6%)や「配達時間に自宅に居られるか不安」(30.3%)、「インターネットの操作が難しそう」(29.9%)、「手数料や送料が高いのではないか」(28.6%)と続いています。これらの商品品質に対する不安や利用の制約、操作の難しさ、手数料についての懸念が複合的に影響している状況が伺えます。

10:ネットスーパーを選ぶ上で重視するポイントは何ですか

(複数回答可)(有効回答者数:339名)

「価格」(51.0%)や「信頼できる品質」(47.5%)が重要視され、また「安い配達料・手数料」(35.7%)や「豊富な品揃え」(31.9%)、「柔軟な配達時間」(28.3%)も重視されています。価格と品質の両立が求められており、コストパフォーマンスに対する意識が強い結果が顕著に現れています。

11:今後ネットスーパーに興味がありますか?

(有効回答者数:339名)

「あまり興味がない」が58.4%と高く、現時点での関心の低さが課題です。「興味はあるが不安もある」という潜在層は34.5%となっており、適切なアプローチによる意識変化の可能性を秘めています。「すでに利用している」や「ぜひ使ってみたい」という積極的な層は僅か7.1%であり、少数派に留まっています。

総評

調査から浮かび上がったシニア層の特徴は、「従来の買い物スタイルへの強い愛着」と「デジタルへの移行に対する慎重さ」であると言えます。「週1〜2回」(41.6%)と「週3〜4回」(36.3%)の定期的な店舗訪問が主流であることが確認されました。

ネットスーパーの利用経験が「ない」との回答が86.7%を占め、定期配送サービスへの登録も「特にない」としたのが72.3%であり、宅配型サービスへのシフトが進んでいないことが示されています。普及の妨げとなる最大の要因は「実物を手に取って選べない」ということであり(56.8%)、続いて「商品の鮮度が心配」であること(30.6%)も見受けられます。このように品質への強い重視が伺えます。

また、「興味はあるが不安もある」との声が34.5%に達している一方で、「あまり興味がない」は58.4%に達し、認知向上と不安解消の必要性が浮き彫りになっています。特に「米や飲料などの重いもの」(20.1%)や「後払い」に対するニーズは強く、これらは配送の利便性と安心できる決済手段を求める具体的な要求を示しています。これらの要素は、ネットスーパー普及の突破口となる可能性を含んでいます。

今後の普及拡大には、品質保証の可視化や操作の簡易性向上、多様な決済手段の提供、そして実体験を通じた安心感の創出が重要であると考えられます。従来の買い物スタイルを尊重しつつ、シニア層特有のニーズを丁寧に捉えたアプローチが求められるでしょう。

出典元:コスモヘルス株式会社 プレスリリース

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