マーケティング現場でのAI活用実態調査:約3割の企業がすでに導入、課題は「セキュリティ」と「知識不足」

ソフトウェアとプロフェッショナル人材の力でマーケティングの民主化を目指すノバセル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:田部正樹)は、全国の事業会社でマーケティング業務に従事する会社員500名を対象に、「マーケティング業務における課題と、AI活用に関する実態調査」を実施したことを発表しました。調査期間は2025年6月20日から6月24日までとなっています。

人材不足が深刻化する現代社会において、限られたリソースで成果を上げるためにAIの活用は不可欠となっています。しかし、AI技術は日々進化しており、新しい情報や機能が次々と登場する中で、どのような選択肢が最善であるか見えづらくなっているのが現状です。今回の調査は、マーケティングの現場で働く方々が抱える課題やAI活用の実態、AI技術への関心があるものの導入に至らない理由、AIへの期待などを把握することを目的として実施されました。

調査概要

実施日 2025年6月20日~24日

調査方法  第三者機関インターネット調査(ノバセル調べ)

回答者属性 マーケティング業務に従事する全国の会社員500名

調査結果サマリー

調査結果の概要

現在、マーケティング業務において時間がかかっているのは、企業規模やマーケティング予算によらず、「戦略策定・立案」「データ分析」「効果測定・レポート作成」であることが明らかになりました。

AIをすでに活用している企業の割合は31.8%にとどまっていますが、AIの導入検討は40.8%を占めており、AIへの関心の高さがうかがえます。AIツールの主な用途としては「商品や広告のテキスト作成(51.0%)」が最も多く挙げられています。今後AIを活用して強化したい領域については「分析・インサイト抽出」(43.6%)が最も多く、2位は「レポート作成」となっています。

また、AI導入の障壁としては「セキュリティや情報漏洩への不安感」、「知識不足・業務とAIの接点が見えていない」といった、セキュリティリスクや組織的要因、既存業務とのつながりを挙げる人が約半数に上りました。どのようなAIサービスがあれば利用してみたいかという質問に対しては、「レポート自動作成・可視化サービス」が71.0%と1位となっています。一方で、「時間がかかっているマーケティング業務」として1位だった「戦略立案」の支援に対してAIを活用することへの関心は、回答の下位となりました。

このように、AIに任せたい領域として「効果測定・レポート業務・データ分析」などを挙げる人が上位である一方、最も時間を要している「戦略立案」に関しては、AIに任せない傾向が高い現状が明らかになりました。

調査結果詳細について

1.マーケティング業務にAIを導入している企業は約3割(31.8%)

AIをすでに導入している企業の割合は、全体の約3割となっています。導入検討と合わせると72.6%となり、全体的にAIに関しては前向きな回答が多い結果となりました。

また、年間売上1,000億円以上の規模の企業においては、導入済みあるいは導入を検討中と回答する割合が32.8%で、売上1,000億円未満の企業に比べて高い傾向が見られています。

2.時間がかかっているマーケティング業務は「戦略策定」「データ分析」「効果測定」が上位

現在のマーケティング業務で、特に時間がかかっている業務は「戦略策定・立案」が36.8%、「データ分析」が31.0%、「効果測定・レポート作成」が28.2%となっています。「クリエイティブ制作」も26.6%と高い割合を示しています。

3.現在AIを活用している/検討中のマーケティング業務は「商品や広告のテキスト作成」(51.0%)「データ分析」(47.9%)、「市場調査・リサーチ」(47.7%)など

現在の実務において、どのようなマーケティング業務にAIを活用しているかを質問したところ、「商品や広告のテキスト作成」(51.0%)「データ分析」(47.9%)、「市場調査・競合リサーチ」(47.7%)などの作業が上位となりました。

4.現状のAI活用に関して課題を感じている点は「セキュリティ、情報漏洩」(39.9%)「社内リテラシー不足」(39.4%)を挙げる人が多い

AIを導入している企業のマーケティング担当者に、現状のAI活用に関する課題を聞いたところ、「セキュリティ、情報漏洩」(39.9%)「社内リテラシー不足」(39.4%)、「精度の低さ」(38.3%)、「カスタマイズ性の不足」(28.7%)が回答上位に挙がりました。

5.AIを推進する上での弊害は「人的要因」「知識不足・業務とAIの接点が見えていない」など

マーケティング業務にAIツールをまだ導入していないと回答した方に、その理由やAI活用を推進するうえで最も課題・弊害となることを質問したところ、人的・組織的な要因として「AIに詳しい人材が社内にいない・組織としてAI導入の優先度が低い・経営層、上司の理解がない」という回答が29.2%でトップとなりました。また、知識・理解の不足として「何ができるのか、どこに使えるのかわからない・業務とAIの接点がみえていない・成功事例がないためイメージしにくい」(20.4%)との回答も見られました。

6.「AIによるレポート自動生成・可視化サービス」を利用したい人は7割

AI技術が活かせるマーケティング業務を事例として挙げ、どのAIサービス利用に関心があるかを聞いたところ、「レポート自動生成・可視化」(71.0%)、「自社の課題に合わせてカスタマイズされたAIマーケティングツール」(66.0%)、「AIを活用したクリエイティブ制作・改善提案サービス」(59.0%)、「BPOとAIのセット提供によるマーケティングの外注と効率化」(55.0%)「戦略立案支援にAIを活用したコンサルティングサービス」(54.0%)「インハウス化支援を含むAI広告運用基盤によるレポート自動生成・可視化サービス」(50.8%)という結果になりました。

7.今後AIで強化したい領域は「分析・インサイト抽出」(43.6%)

「AIを活用して、マーケティング業務のどの領域を強化したいですか?(MA)」の質問には、「分析・インサイト抽出」(43.6%)が1位となり、2位には「レポート作成」(34.8%)が続きました。時間のかかっているマーケティング業務のランキング1位の「戦略策定・立案」は、AIで強化したい業務としては4位となりました。AI活用を求める領域は作業ベースの実務であり、戦略に関してはAIに任せないで、人が携わっている現状がうかがえます。

8.AI活用を推進する上で今最も必要だと感じている支援は、導入サポートとデータ整備、基盤構築サポート

「貴社でAI活用を推進する上で今最も必要だと感じている支援はなんですか?」という質問に対しては、「最適なツール選定や導入支援に関するサポート」(27.4%)を挙げた人が最も多く、AIに詳しい専門家による支援が求められていることがわかりました。続いて「データ整備・基盤構築サポート」(18.4%)「具体的成功事例やユースケースの提供」(18.0%)となり、既存業務とのつながりや導入にあたって具体的な事例の提供が有効であることが示されています。

会社の売上規模別に見ると、1000億円以上の売上の会社では「教育・トレーニングの提供」と「具体的成功事例やユースケースの提供」が多く、10億~100億円未満、100億~1000億円未満の会社では、共通して「経営層・上層部への説明支援」が求められる結果となりました。

ノバセル株式会社について

ノバセル株式会社はこのたび、「AIエージェンシー」として新たな歩みをスタートしました。

企業のマーケティングを取り巻く環境は、人口減少、人材確保の難化、複雑化する消費者行動など、かつてない課題に直面しています。一方で、AI活用の重要性は高まりつつあるものの、組織への定着や経営層の関与が進んでいないのが現状です。

同社は、広告運用の豊富な実績とノウハウをもとに、「AIクリエイティブ」「AI戦略」「AI業務設計」の領域で、マーケティングの効率化・高度化を支援していきます。属人的な作業をAIと仕組みによって代替し、担当者が本来注力すべき創造や戦略に集中できる環境を実現することが、同社の目指す"マーケティングの民主化"となっています。テレビCMの効果測定やメディア施策の可視化を通じて蓄積してきた知見を活かし、AIを活用したコスト削減・生産性向上・業務負担軽減を実現していくということです。

ノバセル株式会社は、AI技術とマーケティング専門人材の知見を融合した「AIエージェンシー」として、AIを活用し、戦略立案からクリエイティブ制作、効果分析まで、マーケティング活動を一貫して支援しています。事業会社発の視点でマーケティングの無駄を省き、本質的な価値創造に集中できる体制づくりを実現し、企業の成長を力強く後押ししていくとのことです。

ノバセル株式会社 会社概要

社名:ノバセル株式会社
所在地:東京都港区麻布台一丁目3番1号 麻布台ヒルズ 森JPタワー 19階
代表取締役社長: 田部 正樹
事業内容:マーケティングプラットフォーム 「ノバセル」の運営
設立年月日:2022年2月1日

出典元:ノバセル株式会社 プレスリリース

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