
ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」は、アプリ内で商品の販売から購入までが完結するEC機能「TikTok Shop」を、2024年6月30日(月)より日本国内で提供開始することを発表しました。この新機能により、ユーザーはお気に入りのコンテンツを視聴しながら、その場で商品を購入できる新しいショッピング体験が実現します。
日本では現在、毎月数千万人のユーザーがTikTokを利用し、クリエイターが配信するエンターテインメント動画や役立つコンテンツなど、幅広いジャンルの動画を楽しんでいます。今回提供が始まる「TikTok Shop」は、ユーザーが自分に合った魅力的なコンテンツをTikTok上で発見し、そのまま購入できるサービスです。TikTokによると、ショッピング動画やLIVE配信を通じて気になるアイテムに出会い、アプリを離れることなくその場で購入できる新しい購買体験を「ディスカバリーEコマース」と位置づけているとのことです。
現在日本のTikTokでは、「TikTok売れ」といったコミュニティ主導のトレンドを通じて、ユーザーが自分のお気に入り商品を発見・共有することが一般的になっています。このような流れの中で、多くのブランドやビジネスがTikTokコミュニティとの接点を持つことで成功を収めてきたようです。
TikTok Shopでは、ショッピング機能を搭載した動画やLIVE配信を「おすすめ」フィードに表示することにより、ブランド、セラー、クリエイターがTikTokアプリ内のショッピング対応コンテンツを通じて直接販売できるようになります。これにより、ブランドやクリエイターはユーザーの関心に基づいた高いエンゲージメントを持つ顧客とのつながりを構築でき、「コミュニティ」「創造性」「コマース」の力を一体化させた、シームレスなショッピング体験を提供することが可能になるとTikTokは説明しています。
この記事の目次
TikTok Shopが提供する「ディスカバリーEコマース」の主な機能
・ショッピング動画およびショッピングLIVE配信
「おすすめ」フィードに表示される動画やLIVE配信で商品タグ付けが行われた商品を、その場で直接購入することができるようになり、エンターテインメントと購買行動が自然に結びつきます。企業やブランドは、ショッピング動画を通じて商品の特徴をデモンストレーションして魅力をアピールできるほか、LIVE配信では商品紹介をしながらユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取り、質問に答えることができます。
・商品ショーケース機能
各ブランドのプロフィールページでは、商品一覧の閲覧やレビューの確認に加え、商品を直接購入することが可能になります。企業は自社ブランドの世界観に合わせた商品コレクションを自由に構成・掲載できる特徴があります。
・ショップタブ
新設される「ショップ」タブでは、企業の商品を一覧表示できるだけでなく、ユーザーは検索機能を活用して商品やプロモーションを簡単に見つけ出し、購入することができます。注文管理やおすすめ商品の表示なども、このタブ内で一括して行えるようになります。
・アフィリエイトプログラム
クリエイターとセラーをつなぐ成果報酬型のプロモーション機会を提供します。クリエイターはショート動画やLIVE配信を通じて商品を紹介することで報酬を得ることができ、セラー側は自社ブランドに最適なアフィリエイトプランを選択して、効果的な商品訴求を実現できます。
・TikTok Shop広告
TikTok Shopの広告ソリューションを活用することで、セラーは自社商品の認知拡大および購買促進を図ることができます。ユーザーはTikTok上で商品の発見から購入までをシームレスに完結させることが可能です。
・安全な決済体制
TikTok Shopは、信頼性の高い外部決済プラットフォームと連携し、迅速かつ安全な決済体験を実現します。
※TikTok Shopの各機能は段階的にローンチされる予定です。「ショップタブ」はローンチから数カ月後に導入される予定で、TikTok Shop広告は2025年7月中に利用可能になる予定とのことです。
安心・安全なショッピング体験のための取り組み
TikTok Shopでは、商品の発見から購入に至るまで、コミュニティの皆さまが安心して買い物を楽しめる安全な環境づくりに注力していると発表しています。商品レビュー機能や報告機能、簡便な返品・返金手続きなど、様々な機能を通じて、スムーズで信頼性の高いショッピング体験を提供することを目指しているようです。
なお、TikTok Shop上のすべての商品掲載は、TikTok Shopポリシーおよびコミュニティガイドラインに準拠することが求められています。TikTokでは、テクノロジーと人間によるモデレーション審査を組み合わせることでポリシーの遵守を徹底し、ガイドラインに違反していると判断されるセラーや商品については、削除などの対応措置を講じるとしています。
多様な日本・グローバルブランドの参画状況
TikTok Shopは日本国内において、大企業から中小企業まで幅広い規模の企業をサポートしています。サービス提供開始と同時に、すでに株式会社I-ne、アンカー・ジャパン株式会社、株式会社ウィゴー(WEGO)、株式会社MTG、花王グループのKATE、CAGUUU株式会社、株式会社KINUJO、SHOPLIST株式会社、日清食品株式会社、株式会社丸善ジュンク堂書店、ヤーマン株式会社、株式会社yutori、ユニリーバ・ジャパン、株式会社Yogibo(ヨギボー)、株式会社ラコステジャパン(AIGLE)、株式会社ワイ・ヨットなど、多くの日本およびグローバル企業がTikTok Shopに参画していることが明らかになっています。
TikTokによれば、TikTok Shopは「発見」の力を通じて、今後も日本の各ブランドと連携し、新たなビジネスチャンスの拡大に向けた取り組みを進めていく予定だとのことです。
パートナー連携によるサービス拡充
TikTokプラットフォーム上で拡大を続けるビジネスエコシステムを支援するために、TikTok Shopでは様々なパートナー制度を導入しています。これにより、ビジネスオペレーションの効率化を図りながら、提供サービスおよびサポート体制をさらに強化していくと同社は発表しています。
・TSP(TikTok Shop Partner)
TikTokならではの「ディスカバリーEコマース」を支える重要なパートナーであり、店舗運営・コンテンツ制作・LIVE配信・広告運用などを通じて、ブランドや事業者の成長を包括的にサポートする公式パートナーです。
・コマースプラットフォームパートナー
TikTok Shopは、セラーが既存のコマースプラットフォームと直接連携できるツールを提供しています。例えば、BASE株式会社が運営するネットショップ作成サービス「BASE」に登録しているセラーは、「BASE」が提供する拡張機能を通じてTikTok Shopにおける商品情報や在庫数を直接管理することが可能になります。また、TikTok Shopはその他の主要なコマースプラットフォームとの直接連携やコネクターの提供も行っています。
・マルチチャネルパートナー
オムニチャネルで事業展開を行っているセラー向けに、TikTokは主要なマルチチャネルプラットフォームとの連携を進めています。
・追加アプリおよびサービス
クリエイターおよびセラーは、PayPay(決済サービス)や国内の配送サービスなど、円滑なEC運営をサポートする多様なアプリやサービスを選択・利用することができます。
TikTok Shopでは、今後も各分野のパートナー企業との連携を強化しながら、より多様な商品やサービスをユーザーに提供していく計画です。また、ブランド各社のスムーズなオンボーディングを支援し、TikTok上での新たなショッピング体験の創出を継続的に推進していくと同社は説明しています。
TikTok Shopについて
TikTok Shopとは、TikTokアプリ内で商品の発見から購入までをシームレスに完結できるEC機能です。ショッピング動画やLIVE配信を通じてユーザーはお気に入りのアイテムに出会い、その場で購入することができる新しい購買体験を「ディスカバリーEコマース」と位置づけています。さらに、専用タブでの商品一覧表示やアフィリエイト連携など、セラーとクリエイターの双方を支援する多彩な機能も備えています。
TikTokについて
TikTokは、モバイル向けのショートムービープラットフォームです。そのミッションは、創造性を刺激し、喜びをもたらすことにあります。TikTokのグローバル本社はロサンゼルスとシンガポールに置かれており、ニューヨーク、ロンドン、ダブリン、パリ、ベルリン、ドバイ、ジャカルタ、ソウル、東京など、世界各地にグローバルオフィスを展開しています。
出典元:TikTok Japan