購入前に慎重に調べる商品、1位は「家電」 高額商品や健康関連商品は入念にリサーチ - マイスタースタジオ調査

株式会社マイスタースタジオ(本社:大阪府大阪市北区、代表取締役:妹尾優)は、全国の男女509人を対象とした「慎重に調べてから購入するものに関する意識調査」の結果を発表しました。

現代社会では様々な情報が氾濫する中で、消費者は「どの情報を信頼するか」を見極めながら購買判断を行っています。誤った情報に基づいて購入すると、金銭的損失や後悔につながる可能性があるためです。

今回、口コミ探索サービス「みん評」を運営する株式会社マイスタースタジオは、消費者が購入前に慎重に調査する商品やサービスについて全国規模の調査を実施しました。

【調査概要】

調査対象:全国の男女

調査期間:2025年4月12日~16日

調査機関:同社調査

調査方法:インターネットによる任意回答

有効回答数:509人(女性336人/男性173人)

回答者の年代:10代 1.0%/20代 18.5%/30代 36.9%/40代 22.6%/50代 16.7%/60代以上 4.3%

【調査結果サマリー】

・購入前に慎重に調べる商品・サービスは「高額なもの」

・慎重に調べてから購入した商品・サービス1位は「家電」

・慎重に調べたいときに使う情報源は「口コミ」

・信頼できる情報源の条件は「実体験に基づいている」

購入前に慎重に調べる商品・サービスは「高額なもの」

調査対象者509名に「購入前に慎重に調べる商品・サービスの特徴」について質問したところ、最も多かった回答は「高額なもの(47.9%)」で、約半数の支持を集めました。

2位は「健康に関わるもの(11.4%)」、3位は「口に入れるもの(9.4%)」という結果になりました。

購入した際の損失が大きいものについては、消費者が特に入念に調査する傾向が見られます。高額商品を購入して失敗すると、経済的損失が大きくなるためです。

また「健康関連商品」「肌に触れる製品」「食品・サプリメント」など、身体的リスクを伴う商品についても、健康への影響を考慮して慎重になる傾向が明らかになりました。日常生活に大きな影響を与える「頻繁に使用する製品」や「長期間使用する製品」も上位にランクインしています。

<1位 高額なもの>

・高額なものは失敗したくないし、簡単に変えが効くものでもないので、しっかり下調べをします(20代 女性)

・いくら評判のいい商品でも必ずしも自分のニーズと合致しているとは限りません。また簡単に支出できる金額でない場合は、買ってから後悔したくないからです(40代 男性)

・目的に合った商品でなかった場合に、気軽に買い換えられないから(50代 女性)

大型家具や家電などの高額商品については、「失敗したくない」という心理的プレッシャーが強く働きます。価格が高いほど、新たに購入したり買い替えたりするハードルも高くなるためです。

簡単に買い替えができない価格帯の商品については、購入後の後悔を避けるため「費用対効果」や「目的適合性」を徹底的に調査する消費者が多いことがわかりました。後悔リスクを軽減するための情報収集が重視される傾向が顕著に表れています。

<2位 健康に関わるもの>

・体に関わるので、安全性を確認したい(20代 男性)

・「効果がない」「お金が無駄になった」ならまだいいが、健康被害が出ることは絶対に避けたいから(30代 女性)

・健康に関するものは副作用などがあると怖いので、自分に合っていそうかどうかよく調べます(50代 女性)

医療サービスや薬品など、健康に関連する商品・サービスにおいては、健康被害が発生した場合の影響が深刻である点が指摘されています。取り返しのつかない健康問題を引き起こす可能性もあるため、「安全性」と「信頼性」を重視する回答者が多く見られました。

単に効果がないというリスクよりも、健康への悪影響に対する不安が大きいことが浮き彫りになっています。

<3位 口に入れるもの>

・過去に失敗した経験があるため(30代 男性)

・体に関わることなので、安全性をしっかりと確認して購入したい(30代 女性)

・体に取り入れるものですし、副作用が気になりますので調べてから購入します(50代 男性)

サプリメントなど体内に摂取する商品については、身体の内部に直接影響を与えるため、安全性を重視する消費者が多いことがわかりました。健康被害や副作用のリスクを回避するためです。近年、サプリメントや健康食品による深刻な健康被害が報道されたこともあり、警戒心が高まっていると考えられます。

「オーガニック食品を取り入れたい」といったポジティブな理由で調査する回答者も見られましたが、少数派でした。

<4位 肌に触れるもの>

・せっかく買ったのに合わなくて、後悔した経験があるから(30代 女性)

・敏感肌で、合わないものをつけると大変なので(40代 女性)

・顔や肌に直接触れるものは、自分の肌に合わなかったり、匂いがきつかったりすると困る。そのためよく調べてから購入します(60代以上 男性)

具体的には「化粧品」「バス用品」「衣類」「寝具」などが挙げられています。皮膚に直接接触する製品は、個人の肌質や好みによって満足度が大きく異なる特性があります。

特に敏感肌の自覚がある消費者は、肌に直接触れる製品に対して慎重な姿勢を示す傾向が明らかになりました。肌に合わない製品を使用すると、肌トラブルを引き起こす可能性があるためです。

<5位 頻繁に使うもの>

・いつも使うものだから、いいものを選びたい(30代 女性)

・使い勝手がよくないと、無駄な買い物になるから(40代 女性)

・基本的に毎日使うものは、少しでも気になることがあると生活に支障が出ると思うから(50代 男性)

日常的に使用する製品については、「使いやすさ」「快適性」などが重要視されることがわかりました。毎日使う製品に不満点や不便な要素があると、小さな不満でも蓄積されてストレスになるためです。結果として使用頻度が低下し、無駄な出費になる可能性も指摘されています。

逆に、日常使用する製品が「お気に入り」や「自慢できるもの」である場合、生活の質が向上すると考えられています。スマートフォンや日用品など、日常生活と密接に関わる製品については、入念な調査を行う傾向が見られました。

<6位 長期間使うもの>

・すぐに買い替えるものではないので慎重に選びたい(30代 女性)

・壊れてほしくない(40代 女性)

・長く使うので不便さを感じたくない(50代 男性)

家具・家電・住宅・自動車などが具体例として挙げられています。長期使用を前提とした製品は、高額である場合が多く、容易に買い替えることが難しい特徴があります。

不満があるまま長期間使い続けると、ストレスが蓄積する可能性があるため、使用感や快適性を慎重に検討する消費者が多い結果となりました。

また、設計耐用年数まで問題なく使用できるよう、耐久性に注目して調査する回答者も見られました。

<7位 子どもが使うもの>

・子どもの安全や思い出に関わることは、絶対に失敗したくないから(30代 女性)

・よく調べずに買って事故が起こったり、自分の子どもが怪我をしたりすると、後悔するから(30代 女性)

・子どもに合ったものを選びたい(40代 女性)

子供向け製品を購入する際、親は「安全性」や「発達への影響」を特に重視することがわかりました。親として子供を守る責任感から、事故やトラブルを回避したいという意識が強く表れています。

おもちゃの場合は頑丈さと安全性が重視され、離乳食などの食品では安全性、衣類では肌触りの良さや素材を重視するなど、製品カテゴリによって異なる点に注意が払われていることも明らかになりました。

慎重に調べてから購入した商品・サービス1位は「家電」

実際に慎重に調査してから購入した商品・サービスについて尋ねたところ、最も多かった回答は「家電(32.0%)」でした。

2位「化粧品(18.7%)」、3位「サプリメント(13.4%)」、4位「パソコン(10.6%)」と続き、これらは10%を超える支持を集めています。

前述の「購入前に慎重に調べる商品・サービスの特徴」で上位だった特性に合致する製品・サービスがランクインしていることがわかります。具体的には「価格の高さ」「身体への影響」「使用頻度・期間の長さ」などの要素です。

例えば、家電・パソコン・家具・自動車・スマートフォンなどは、高額で使用頻度が高く、長期使用が前提となる製品です。一方、化粧品・サプリメント・食品は、肌に塗布したり体内に摂取したりするものであり、安全性や相性に対する不安が大きいことがうかがえます。

慎重に調べたいときに使う情報源は「口コミ」

慎重に商品を調査する際に利用する情報源としては「口コミ(61.7%)」が圧倒的に多く、全体の6割以上を占める結果となりました。2位は「SNS(31.4%)」で、3割以上の回答者が選択しています。

商品・サービスの調査において、「リアルな場よりもネット」「公式情報よりも一般ユーザーの声」を重視する傾向が明らかになりました。特にネット上での調査では、口コミやSNSなど「実際の使用者による体験談」を重視する消費者が多いことがわかります。

口コミを調査する場としては、「ECサイトのレビュー欄」や「商品専門の口コミサイト」が挙げられています。

信頼できる情報源の条件は「実体験に基づいている」

「信頼できる情報源の条件は何か」という問いに対しては、「実体験に基づいている(29.9%)」という回答が最も多く寄せられました。

2位「情報提供者に信頼性がある(22.0%)」、3位「偏った意見ではない(21.8%)」と続いています。

インターネット上の口コミや商品情報に対して、多くの消費者が一定の懐疑心を持っていることがうかがえます。情報の信頼性を判断するために、「実体験の有無」や「発信者の属性」を重視する傾向があります。

<1位 実体験に基づいている>

・実際体験した人が書いているものなのか(20代 女性)

・実際に使用したことによる感想や体験談(50代 男性)

調査結果から、「実際に商品・サービスを利用した人による体験談」が最も信頼されていることが明らかになりました。消費者は、実体験に基づく口コミやレビューを通じて、「実際の使用感」や「満足度」を知ることができると考えています。

企業が発信する情報や広告は整形された情報であり、企業視点で作成されることが少なくありません。一方、実体験による口コミは生活者の視点から書かれており、「自分と近い立場からの情報」であるため、共感しやすく信頼性が高いと評価される傾向があります。

<2位 情報提供者に信頼性がある>

・公式で出している情報。また情報提供者の口コミ履歴を確認できる場合は、その内容が信頼できるか(20代 女性)

・しっかり専門の人が言っている情報かどうか(30代 女性)

・メーカーやサービス元の公式ホームページ(60代以上 男性)

「情報発信者は誰か」という点も重要な判断材料となっています。信頼できる情報源としては、「信頼性の高い企業やメディア」「自分が信頼するインフルエンサーや知人」「専門家」などが挙げられました。

情報提供者の信頼性を確認するために、口コミ投稿者の過去の投稿履歴をチェックするという回答も見られました。これは「すべての口コミやレビューを無条件に信じることはできない」という慎重な姿勢の表れと考えられます。

<3位 偏った意見ではない>

・良いところと悪いところを書いているブログ(20代 男性)

・どんな製品やサービスもいい情報ばかりではないと思うので、「もっとこうしたらさらにいい」などの課題やデメリットも合わせて、忌憚のない意見が書いてあること(30代 女性)

・専門店の比較記事なら、偏りが少ないこと(50代 女性)

特に「肯定的な意見だけでなく、デメリットや改善点にも言及している情報は信頼性が高い」と考える回答者が多いことがわかりました。ポジティブな内容ばかりの意見は「作為的なレビューではないか」という疑念を生じさせるためです。メリットとデメリットの両方に触れた口コミや記事は、公正な評価として信頼される傾向があります。

単一のレビュー内でバランスが取れていることに加え、「レビュー全体において評価にばらつきがあること」を重視する回答も見られました。

<4位 PRではない>

・インフルエンサーなどのPRが含まれていない情報(20代 女性)

・案件でないこと。「発信を仕事にしていない人」の情報をよく見るようにしています(30代 女性)

・ステマや案件でないことです(40代 男性)

SNSなどでは、インフルエンサーが企業から依頼を受けて広告発信を行う「案件」投稿が増加しています。そのため「広告性の有無」を気にする消費者も多いことがわかりました。

商業的な目的がある場合、本音が隠される可能性があると考えられているためです。PRやステルスマーケティングに対する不信感が強いことが明らかになっています。

ただし「PRであってもその旨を明示し、具体的なレビュー内容があれば信頼できる」「信頼しているインフルエンサーのPRなら参考にする」という意見も見られました。

<5位 記述が具体的>

・具体的な情報があるかどうか(20代 女性)

・状況の記述が詳細で、ありきたりの言葉で書かれていないこと(30代 女性)

・口コミであればどれだけ具体的かつ詳細に書かれているか(50代 男性)

「良かった」「満足」「再購入したい」などの抽象的な評価より、「どのような状況で使用したか」「具体的にどの点に満足・不満があったか」といった詳細な記述がある情報が信頼されやすいことがわかりました。具体性があれば「実際に使用した経験があるのだろう」「捏造されたレビューではないだろう」と判断されやすくなります。

また、具体的な記述があることで、自分の使用シーンや自分との相性を想像しやすくなるという利点もあります。

<6位 口コミが多い>

・口コミが多く記載されているサイト(30代 女性)

・口コミ数が少ないのは、信用していません(40代 男性)

・口コミそのものの数が多いことです(50代 男性)

口コミの数が多いことは、利用者数の多さを示す指標と捉えられています。利用者数が多いと「人気がある」「情報量が豊富」と解釈され、一定の信頼性があると判断される傾向があります。

逆に口コミ数が極端に少ない場合は、「人気がない」「情報が不十分」と見なされる可能性があります。

<7位 写真つきである>

・写真つきの口コミ(20代 男性)

・加工なしの画像でレビューしていること(20代 女性)

・写真がたくさん掲載されている(40代 女性)

写真は「実際に購入・使用した証拠」として説得力を持つことがわかりました。画像加工は技術的には可能ですが、多くの消費者は「写真で虚偽の情報を提供することは少ないだろう」と考える傾向があります。

画像に加えて動画を重視する回答も見られました。「加工していない」「実際の使用シーンや結果」が写っている画像は、信頼性を高める要素として認識されています。

テキストのみでは伝わりにくい情報も、写真によって視覚的に確認できることで安心感につながると考えられます。

まとめ

情報過多の現代において、消費者は「信頼できる発信元からの現実的な情報」を重視する傾向が明らかになりました。ウェブ広告やSNS広告が増加する中で、「広告を装った口コミ」に対する警戒心も高まっていることがわかります。

また、一方的に良い点だけを強調するのではなく、バランスの取れた情報提供を求める声も多く見られました。

こうした調査結果から、企業や情報発信者は口コミを人為的にコントロールするのではなく、誠実で透明性の高い情報提供を心がけることが重要だと言えるでしょう。消費者としては、ステルスマーケティングや虚偽情報に惑わされないよう注意が必要です。

「口コミだけでなく公式情報も確認する」「複数の信頼できる情報源を参照する」などの工夫をすることが推奨されます。

出典元:株式会社マイスタースタジオ

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