
株式会社ネオマーケティング(本社:東京都渋谷区)が、2025年5月14日(水)から15日(木)の2日間にわたり、全国の20歳以上の男女を対象に「健康」をテーマとしたインターネットリサーチを実施したことが分かりました。健康志向が高まる現代社会において、生活者の健康課題や情報収集方法、購買決定の基準などを多角的に調査した結果が発表されています。
<調査の背景>
コロナ禍以降、健康志向の高まりはさらに加速し、食品・飲料からサプリメント、日用品まで「からだへの投資」を掲げる商品が市場にあふれています。しかし、実際に生活者がどのような健康課題を抱え、どのように情報を集め、何を基準に商品を選んでいるのかについては、業界側が完全に把握できていない部分も多いようです。
そこで今回の調査では、20歳以上の男女を対象に健康意識や具体的な行動、情報源とその信頼度、将来への投資意向などを多面的に分析しています。性別・年代別の違いに加え、健康実感層と不健康実感層の比較を通じて、生活者を動かす要因を探っているとのことです。
【調査概要】
調査方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式
調査対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:1,000名
調査実施日:2025年5月14日(水)〜2025年5月15日(木)
◆「健康に関する調査」の主な結果
◆健康食品選択時の重視点:「価格」が全体の56.5%でトップ、20代は「ブランド認知度」も重視
健康食品を選ぶ際に最も重視される要素は「価格」で全体の56.5%を占めています。しかし、20代に限ると「価格」重視は31.3%と他の年代に比べて顕著に低く、代わりに「ブランドの認知度」を重視する傾向が28.4%と相対的に高いことが特徴的です。「メーカーの信頼性(企業の社会的責任等)」は20.9%と控えめであることから、20代は自分が接するSNSや信頼するインフルエンサー経由で話題になっている商品であれば、価格が高くても試してみる姿勢があると考えられます。
◆健康投資への意向:53.0%が前向きで、20代が58.0%と最も積極的
全体の53.0%が健康への投資に前向き(「投資したいと思う」「どちらかというと投資したいと思う」の合計)と回答しており、健康への資金投入が一般的になりつつあることがわかります。年代別では20代が58.0%で最も高く、将来のリターンを見据えて早い段階から健康基盤を構築しようとする意識が特に強く表れています。
まず、回答者自身の健康状態についての認識を聞いた結果を見てみましょう。
この記事の目次
- 1 ■自身の健康状態(n= 1,000)
- 2 ■健康維持のための情報をどのように収集しているか(n= 1,000)
- 3 ■健康対策として普段取っている行動(n= 1,000)
- 4 ■健康食品を摂取する目的(n= 195)
- 5 ■摂取する健康食品の購入頻度(n= 496)
- 6 ■現在購入している健康食品(n= 496)
- 7 ■健康食品を購入する場所(n= 496)
- 8 ■健康食品を選ぶ際に重視する要素(n= 496)
- 9 ■健康食品を購入する際、あると安心する情報(n= 496)
- 10 ■健康食品を購入する際に、最も信頼している情報源(n= 496)
- 11 ■健康食品のプロモーション活動で効果的だと思う方法(n= 1,000)
- 12 ■自身が思う「健康な状態」(n= 1,000)
- 13 ■今後健康維持に向け投資したいと思うか(n= 1,000)
■自身の健康状態(n= 1,000)
調査全体では「健康実感あり」(「とても健康」「どちらかというと健康」の合計)が66.9%と優勢となっています。
年代別に見ると、20代では「とても健康」が21.0%で年代別最多である一方、「とても不健康」も11.8%(年代別最多)となり、自己評価が両極化する傾向が見られました。これは仕事や生活リズムが不安定な年代であるため、体調の良し悪しがはっきりと分かれやすいと考えられます。
健康への不安が最も強いのは40代で、「どちらかというと不健康」が30.7%と年代別で最も高くなっています。加齢による変化を自覚し始める一方で、健康への対策が追いついていない状況がうかがえます。
一方、60代は「とても健康」の割合は9.1%と年代別最低ながら、「どちらかというと健康」が65.0%に達し、合計74.1%が健康に対してポジティブな評価をしています。これは健康の基準を下げたというよりも、規則正しい生活リズムが定着し、体調管理のノウハウが蓄積された結果と考えられます。
続いて、健康維持のための情報収集方法について調査しました。上位10項目を以下のグラフで示しています。
■健康維持のための情報をどのように収集しているか(n= 1,000)

健康情報の入手経路としては、「インターネット検索(Google等)」が全体の45.8%でトップとなっています。
注目すべき点として、20代でも23.5%が「テレビやラジオの健康番組」を情報源としていることが挙げられます。20代は「SNSの投稿」(16.8%)や「動画(YouTubeなど)」(16.0%)と併用しており、オンラインメディアと従来型メディアをバランスよく活用する"ハイブリッド型"の情報収集が特徴的です。
40代以上になるとテレビへの依存度が高まり、60代では40.1%と年代別で最も高くなっています。
性別による違いでは、「テレビやラジオの健康番組」からの情報収集率は女性の方が男性より約9ポイント高く、また「友人や家族からの情報」も女性は24.1%と男性より10ポイント以上高い結果となり、女性はオフラインでのクチコミ情報に対する感度が高い傾向にあります。

また、健康状態の自己評価結果をもとにした"健康実感別"での分析では、不健康層ほど「医師や専門家からのアドバイス」(25.1%)を重視する傾向が明らかになりました。健康層との差は9.7ポイントあり、不健康層が抱える健康問題の深刻度が反映されていると考えられます。
次に、健康対策として日常的に行っている行動について調査した結果を見てみましょう。上位10項目を以下に示します。
■健康対策として普段取っている行動(n= 1,000)

全体では「健康診断の受診・定期通院」「食事の改善(栄養バランスを意識した食事)」「定期的に体重を測る」がいずれも約30%で並んでいます。
20代~30代では「健康診断の受診・定期通院」の割合が18%台にとどまる一方、「定期的な運動(ジム、ランニング等)」が他の年代よりやや高くなっています。「健康診断の受診・定期通院」は40代から増加し始め、60代では46.7%と最も多い項目となりました。同様に「定期的に体重を測る」も50代から高い割合を維持しており、年齢が上がるにつれて"測定・診察"のニーズが急速に高まる傾向が見られます。
また、「食事の改善(栄養バランスを意識した食事)」「睡眠の質を改善」については、女性の方が男性より10ポイント以上高く、ホルモンバランスや美容との関連性を意識している可能性があります。一方、男性は「定期的な運動(ジム、ランニング等)」がやや優位で、積極的な健康管理志向が特徴となっています。

健康実感別の分析では、健康層は「健康診断の受診・定期通院」「定期的に体重を測る」の実施率が高く、予防的な行動が中心となっています。一方、不健康層は「薬の服用(処方薬や市販薬)」が31.1%と健康層の約2.5倍となっており、"対症療法"的な対応が多いことがわかります。健康に対する認識の違いが、行動の質にも大きな差をもたらしていると言えるでしょう。
健康対策として「健康食品・サプリメントの摂取」と回答した人に対して、その摂取目的について質問しました。上位10項目を以下に示します。
■健康食品を摂取する目的(n= 195)

健康食品を摂取する目的として最も多かったのは「健康維持」で63.1%、次いで「免疫力の向上」が40.5%となりました。
この結果からは、コロナ禍を経験した生活者の意識変化が定着していることがうかがえます。コロナ禍によって「現在の健康維持」よりも「将来の感染リスクに備えた身体づくり」という発想が広まり、体脂肪燃焼や筋力増強といった"積極的な機能改善"よりも、免疫力向上や腸内環境整備、ビタミン補給など"防御的な機能強化"を優先する傾向が強まっています。
こうした変化により、健康食品に求められる価値も短期的な効果よりも「継続しやすさ」「予防効果のエビデンス」「無添加・自然素材」といった"日常的な備え"としての側面が重視されるようになってきていると考えられます。
続いて、健康食品(食品、飲料、サプリメント等)を自ら購入している人に、購入頻度について質問しました。
■摂取する健康食品の購入頻度(n= 496)

全体では「数ヶ月に1回程度」が最も多く33.5%、次いで「月に1回程度」が29.0%で、この2つを合わせると62.5%に達しています。
男女別では、男性の「週に1回以上」の割合が19.8%と女性(15.4%)を4.4ポイント上回り、より頻繁に購入する傾向が見られました。女性は「数ヶ月に1回程度」が37.5%で最多となり、必要に応じてまとめ買いする傾向が強いようです。
年代別では、40代の「週に1回以上」が25.4%と最も高くなっています。前述のように40代は「どちらかというと不健康」との回答が30.7%と年代別最多でしたが、自身の健康課題に対して様々な健康食品やサプリメントを短期間で試しながら、最適な解決策を模索している可能性があります。
健康食品を自身で購入している人に、現在購入している健康食品の種類について質問しました。上位10項目を以下に示します。
■現在購入している健康食品(n= 496)

全体で最も購入率が高かったのは「ビタミンやミネラルのサプリメント」で41.7%。性別・年代を問わずトップとなっており、栄養の基礎を整えることへの意識の高さがうかがえます。
20代では「スポーツドリンク(アミノ酸入り、エネルギードリンク等)」が31.3%と突出しており、また「プロテインやアミノ酸」も22.4%と年代別最多となるなど、運動と組み合わせた「即効性のある栄養補給」を求める傾向が顕著です。
50代~60代になると「スポーツドリンク」の購入率は10%台まで下がる一方、「脳関連の商品(オメガ3やDHAサプリメント等)」への関心が高まり、加齢に伴うリスクへの対策意識が表れています。
健康食品の購入場所についても調査しました。上位10項目を以下に示します。
■健康食品を購入する場所(n= 496)

全体では「ドラッグストア(薬局)」が52.0%でトップ、次いで「インターネット通販(Amazon、楽天等)」が37.7%となりました。
年代別に見ると、20代は「コンビニエンスストア」の利用率が23.9%と全体平均の約2倍に達しており、利便性を重視する傾向が強いことがわかります。
30代~40代は「ドラッグストア(薬局)」の利用率が60%前後と突出しており、日常的な買い物のついでに健康食品も購入する行動パターンが推測されます。
50代~60代は「公式オンラインショップ」の利用率が18%台まで上昇しており、品質保証やポイント制度などへの期待感がうかがえます。
健康食品を選ぶ際に重視する要素についても調査しました。上位10項目を以下に示します。
■健康食品を選ぶ際に重視する要素(n= 496)

健康食品選択時に最も重視される要素は「価格」で全体の56.5%を占めていますが、20代のみ31.3%と他の年代に比べて顕著に低く、代わりに「ブランドの認知度」が28.4%と相対的に高くなっている点が特徴的です。
「メーカーの信頼性(企業の社会的責任等)」は20.9%と比較的低いことから考えると、20代は自分の交流圏内のSNSや信頼するインフルエンサーから情報を得て、話題になっている商品であれば多少価格が高くても試してみる傾向があるのかもしれません。
一方、60代は「成分の信頼性(天然成分、科学的根拠等)」「メーカーの信頼性(企業の社会的責任等)」がともに44%前後と高く、科学的な裏付けと企業への信頼感を重視する傾向が顕著です。
性別による違いでは、女性は「商品レビューや口コミ」を男性より10.7ポイント高く重視しており、他者の体験に基づく購入判断の傾向が強いことがわかります。
健康食品を購入する際に、どのような情報があると安心するかについても調査しました。
■健康食品を購入する際、あると安心する情報(n= 496)

安心材料として最も求められているのは「商品の詳細情報(成分、効果、使用方法等)」で全体の47.2%、次いで「効果的な使い方・タイミング」が44.0%となりました。
年代別では、30代が全体的に高い数値を示しています。特に「効果的な使い方やタイミング」は60.3%と20代を17ポイント上回り、忙しい生活の中でも効果を最大化したいという意識が強く表れています。
20代は全体的に数値が低めですが、比較的高いのは「効果的な使い方やタイミング」(43.3%)で、基本的な情報収集は自分で行うものの、正しい使用法については明確なガイダンスを求める傾向があるようです。
60代は「商品の詳細情報(成分、効果、使用方法等)」「メーカーの信頼性や企業情報」「アレルギー情報や副作用」を比較的重視しており、リスク回避志向が強く表れる結果となりました。
健康食品を購入する際に最も信頼している情報源についても調査しました。
■健康食品を購入する際に、最も信頼している情報源(n= 496)

最も信頼されている情報源は「企業の公式ウェブサイト」で全体の18.5%を占めています。20代では9.0%と年代別最低となる一方、40代と60代では20%を超えて最も高くなっています。
性別では、男性は「テレビ番組/テレビCM」への信頼が16.5%と女性より約6ポイント高く、従来型メディアへの信頼感が比較的残っています。女性は「企業の公式ウェブサイト」と「友人・知人・家族のクチコミ」が拮抗しており、「自分で調べる」と「身近な人の意見」を組み合わせて判断する慎重な姿勢が目立ちます。
年代別で注目すべきは20代で、各チャネルへの支持が分散して全体的に低い数値となっている中、「SNS」への信頼が9.0%と全年代で最も高く、「比較・まとめサイト」も10%を超えるなど、スマートフォンを使って多角的に情報を検証する若年層の特徴が浮き彫りになっています。
30代は「友人・知人・家族のクチコミ」(22.2%)と「医師や専門家」(15.9%)を両輪として、一般生活者のリアルな体験とプロフェッショナルの見解をバランスよく活用する傾向が見られます。
年齢が上がるほど情報源は限定的になり、若い世代ほど多様な情報源を活用する傾向があるようです。企業側としては、公式サイトの信頼性を高めると同時に、20代向けにはSNS上で比較・検証しやすい情報設計が求められそうです。
健康食品のプロモーション活動において、どのような方法が効果的だと思うかについても調査しました。上位10項目を以下に示します。
■健康食品のプロモーション活動で効果的だと思う方法(n= 1,000)

全体で最も支持を集めたのは「無料サンプル・試供品」の41.3%で、年齢が上がるほど支持率も上昇し、60代では46.4%と最多となりました。
一方、20代は同項目が28.6%にとどまり、代わりに「動画(YouTube等)」が31.9%と最多で、他の年代を大きく上回っています。日常的にYouTubeやTikTokなどの動画コンテンツで情報収集する習慣が、購買検討にも強く反映されていると考えられます。
また、20代~30代は「広告(テレビ、インターネット、SNS)」の支持率が他の年代よりもやや高く、マスメディアとデジタルメディアの両方から情報を得る傾向が見られます。
性別では、女性の「無料サンプルや試供品の提供」への支持が45.4%と、男性(37.5%)を約8ポイント上回り、実際に試してみる機会をより重視する傾向が顕著です。
最後に、自身にとって「健康な状態」とはどのような状態を指すのか質問しました。上位10項目を以下に示します。
■自身が思う「健康な状態」(n= 1,000)

全体で最も多かった回答は「精神的に安定している」(37.7%)と「日常生活を支障なく送れる」(36.7%)で、身体的な要素よりも「心の安定」と「日常生活の円滑さ」を重視する傾向が見られます。
性別では、女性はほぼ全ての項目で男性を8~15ポイント上回っており、特に「体調が安定しており、毎日元気に過ごせる」「心身のストレスが少なく、リラックスしている」「睡眠が十分で、心身ともにリフレッシュしている」では15ポイント以上の差がありました。ホルモンバランスの変動などで体調や気分の変化を実感しやすい女性の方が、「心身の安定」を健康の条件として強く意識する傾向があると考えられます。
年代別では、ほぼ全ての項目において20代が最低値、60代が最高値という傾向が見られました。若年層は「健康であることは当たり前」と捉える傾向があり、具体的なイメージがまだ薄いのかもしれません。一方、シニア層は経験的に健康の大切さを実感しており、健康の多面的な要素を認識していると推察されます。

健康実感別の分析では、不健康実感層の方が「病気や不調に悩まされることが少ない」「心身のストレスが少なく、リラックスしている」などの項目をより強く挙げており、現在不足している要素を「理想の健康像」として投影している様子がうかがえます。
今後、健康維持のためにお金を投資する意向についても質問しました。
■今後健康維持に向け投資したいと思うか(n= 1,000)

全体で「投資したいと思う」「どちらかというと投資したいと思う」を合わせると53.0%と過半数に達し、健康への資金投入が一般的になりつつあることがわかります。
年代別では20代が58.0%と最も高く、将来のリターンを見据えて早い段階から健康基盤を構築しようとする意識が特に強く表れています。
60代も54.0%と高い数値を示していますが、「どちらかというと投資したいと思う」が46.7%と全体の半数近くを占め、少額から安全に始めたいという慎重な姿勢が見られます。
30代~50代は51.3~48.9%と横ばいで、家計の負担や時間的制約が投資意欲を抑制している可能性があります。
出典元: 株式会社ネオマーケティング