株式会社電通デジタルは、株式会社電通と共同で開発した広告コピー生成ツール「AICO2（アイコ ツー／AI Copy Writer 2）」に、新たにボディコピーの自動生成機能を実装したことを発表しました。これにより、従来のキャッチコピー生成だけでなく、ブランドの世界観やストーリーを丁寧に言語化したボディコピーの生成も可能になり、広告全体の訴求力を高めることが期待されています。
電通のコピーライターの思考プロセスをAIに学習させたコピー生成ツール
「AICO2」は、電通のコピーライターが長年培ってきた思考プロセスを人工知能（AI）に学習させた広告コピー生成ツールです。これまでは、キャッチコピーの自動生成に特化し、短く印象的な言葉で多くのブランド・商品の魅力を伝えることに貢献してきました。
今回の機能追加では、電通のコピーライターが培った「琴線に触れるコピー」を生み出す思考プロセス（創造的思考モデル）に、Fine-Tuningを施したGPT-4.1モデルを実装することで、ブランドの世界観や文脈を描き出す独自の表現力が求められるボディコピーの生成を可能にしています。
この新機能によって、「AICO2」が得意とする「心に響くコピー」の生成において、キャッチコピーだけでは伝えきれない意図や背景、ブランドの世界観やストーリーを丁寧に言語化し、商品の価値や魅力を深く伝えるボディコピーの生成も実現しています。
広告表現の質と量の両立を実現
今回の機能追加により、対象商品やサービスの価値、共感を生むストーリー性のあるメッセージ生成が可能になりました。これによって、広告表現の質と量の両立を実現しながら、広告全体における「共感を生む言葉づくり」の領域を広げ、ブランドと生活者の関係構築においてより深いコミュニケーションを可能にします。
キャッチコピーの生成では、思考プロセスから導出されたエッセンスを再編集して短く凝縮された表現として提示します。一方、ボディコピーの生成では、思考プロセスそのものをストーリーや文脈に応じて魅力的な文章として再構成します。
電通デジタルと電通は、今後も「人間の知」と「AIの知」を掛け合わせ、高品質な広告制作を支援することで、企業の事業成長と社会の持続的な発展に貢献していくとしています。
AICO2の開発背景
「AICO2」は、電通コピーライターが長年培ってきた思考プロセスを学習したAI広告コピー生成ツールとして2024年8月5日に電通から発表されました。このツールの開発背景には、広告制作における創造性とAI技術の融合を目指す電通グループの取り組みがあります。
Fine-Tuningとは、ある教師データ（入力データとそれに対応する正解ラベルがセットになったデータ）セットを使って事前学習した訓練済みモデルの一部もしくは全体を、別の教師データセットを使って再トレーニングすることを指します。今回のAICO2では、このFine-Tuningを活用してGPT-4.1モデル（OpenAI社が2025年4月に公開した最新の大規模言語モデル）を実装しています。
電通デジタルについて
電通デジタルは、国内最大規模の総合デジタルファームです。「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」をパーパスに、生活者に寄り添うクリエイティビティとテクノロジーを統合的に活用することで、あらゆるトランスフォーメーションを実現しています。
クライアント企業の事業成長パートナーとして、共に新たな価値を創造することで、経済そして社会の「変革と成長」を目指しています。
このようなAI技術と人間の専門知識を組み合わせた取り組みは、今後ますます広告・マーケティング業界に革新をもたらすことが期待されています。AIがクリエイティブな表現を支援し、より効率的かつ魅力的な広告制作を可能にする一方で、人間のクリエイターが持つ感性や経験を活かした協働が、これからの業界の方向性を示しているといえるでしょう。
「AICO2」のボディコピー生成機能は、単に文章を生成するだけでなく、ブランドの世界観や商品の価値を深く理解し、消費者の心に響くストーリーを紡ぎ出す能力を持っています。これにより、広告コミュニケーションの質を高め、ブランドと消費者の間により深い関係性を構築することが可能になるでしょう。
電通デジタルと電通は、今後もAI技術の進化と人間の創造性を融合させながら、広告業界に新たな価値を創出し続けることが期待されています。AIと人間が協働するこの取り組みは、広告業界だけでなく、様々な創造的分野における未来の可能性を示唆しているといえるでしょう。
出典元：株式会社電通デジタル プレスリリース
