【調査】SaaS業界で働く20-30代が選ぶビジネス用語ランキング、1位は「KPI」 - 業界特有の文化も浮き彫りに

株式会社エムエム総研が運営するSaaSセールス特化型転職エージェント『マーキャリNEXT CAREER』は、異業種から転職してSaaS業界で働く20~30代の営業職の方を対象に、「SaaS業界でよく聞くビジネス用語」に関する調査を実施しました。「セールス、マーケティングのデジタルシフト」を支援するマーケティングカンパニー、株式会社エムエム総研(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役CEO:萩原 張広)による今回の調査結果をお伝えします。

調査の背景

「コミット?スコープ?…何それ?」

SaaS業界には、様々なビジネス用語が飛び交っており、異業種から転職した方にとっては、その業界特有の用語に戸惑う場面も多いことでしょう。会話のスピード感についていけなかったり、意味を調べてもなかなか理解できなかったりと、慣れるまでは思わず場違いな使い方をしてしまうこともあるかもしれません。

異業種からSaaS業界に転職した方は、こうした"ビジネス用語"をどのようにして習得していったのでしょうか。今回の調査では、そんな疑問に答えるべく、SaaS業界特有のビジネス用語事情が探られています。

調査結果サマリー

・「SaaS業界でよく使われているビジネス用語」TOP3は「KPI」「アジェンダ」「フィードバック」

・「ついプライベートで使ってしまったことのあるビジネス用語」TOP3は「フィードバック」「KPI」「アジェンダ」

・ビジネス用語を通じて「業界人らしさの演出」や「スピードや効率を象徴するツール」としての役割を果たしていることが明らかに

調査概要

「SaaS業界でよく聞くビジネス用語」に関する調査

【調査期間】2025年6月4日(水)~2025年6月6日(金)

【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査

【調査人数】1,026人

【調査対象】調査回答時に異業種から転職してSaaS業界で働く20~30代の営業職と回答したモニター

【調査元】株式会社エムエム総研

【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

SaaS業界でよく使われるビジネス用語は「KPI」

まずはじめに、『日常業務で使用頻度の高いビジネス用語ランキング』を見てみましょう。

1位:KPI(37.0%)

2位:アジェンダ(34.3%)

3位:フィードバック(27.9%)

4位:オンボーディング(26.5%)

5位:スキーム(23.2%)

1位:KPI(重要業績評価指標)

目標の達成度を測るための定量的な指標です。ビジネスの進捗管理に不可欠で、プロジェクトやチームごとに異なるKPIが設定されます。特に、SaaS企業のマーケティング・セールス領域では役割によって部署を細分化している体制の企業も多く、KPIマネジメントが重要視されているため、よく使われる傾向にあるようです。

使用例:「このプロジェクトのKPIは月間アクティブユーザー数(MAU)10%増です」など

2位:アジェンダ(Agenda)

会議や打ち合わせの「議題」や「進行予定表」を意味します。会議をスムーズに進めるため、事前に共有されることが一般的です。セミナーやウェビナーでも使われることが多く、特にSaaS企業ではリード獲得のためにウェビナー開催を積極的に行う傾向があるため、なじみのある用語になっているのかもしれません。

使用例:「本日の会議のアジェンダは、新規顧客対応フローの見直しと来月のプロモーション施策の検討です」など

3位:フィードバック(Feedback)

意見や感想、評価を返すことを指します。業務の改善やスキルアップに重要な役割を果たします。SaaS企業が提供するプロダクトは作って終わりではなく、作ってから常にバージョンアップや改良が重ねられます。そのため、フィードバックを特に大切にする文化があることが、この結果からも見て取れます。

使用例:「この新機能に関するユーザーからのフィードバックを収集しています」など

上位に挙がった用語は、いずれも会議体やマネジメント、チーム運営の中核に関わる言葉です。このように振り返ってみると、SaaSで働く方々がどうしてこれらのビジネス用語をよく使うのかも理解できます。

こうしたビジネス用語が、気づかぬうちに日常会話にまで浸透していることもあるようです。

気づけばプライベートでも?"便利"なビジネス用語とは

次に、『ついプライベートで使ってしまったことのあるビジネス用語ランキング』をご紹介します。

1位:フィードバック(17.8%)

2位:KPI(14.9%)

3位:アジェンダ(14.5%)

4位:スキーム(11.5%)

5位:オンボーディング(9.8%)

1位:フィードバック(Feedback)

調査対象者からいただいた利用シーン

・旅行などの時に内容の確認や意見を求める際に使っています(30代/男性)

・今の私の意見についてフィードバックして欲しいと友達との相談話で用いた(20代/女性)

相手の言動や成果に対して意見や評価を伝えることを指します。もともとはビジネスシーンで改善や成長を促す目的で多用されますが、相談事や意見交換の場でも使われやすいようです。

2位:KPI(重要業績評価指標)

調査対象者からいただいた利用シーン

・同窓会で「それってKPIどんな感じなの?」と聞いた(30代/男性)

・仕事の話を家庭内でしたとき(30代/男性)

目標の達成度を測定するための定量的な指標のことです。進捗確認などに使われる用語ですが、日常業務で最も使われる項目として上位に挙げられたこともあり、プライベートでも何かの状況を確認したり、伝えたりするときなどに、つい使ってしまう方がいるようです。ビジネス用語の日常生活への浸透を示す興味深い例といえるでしょう。

3位:アジェンダ(Agenda)

調査対象者からいただいた利用シーン

・テレビを見ていて、このアジェンダの書き方がおかしくないかと言ってしまった(20代/女性)

・ある話題を議論したかったとき(30代/男性)

予定や段取りを整理するニュアンスが日常生活にも馴染みやすく、プライベートな会話の中でも使われる場面があるようです。

その他、ビジネス用語をプライベートのどのような状況で使っているか

・【バッファ】夫とのスケジュール管理の時(30代/女性)

・【バッファ】パソコンが重いという人に、負荷を軽くする意味でバッファをかけてと言ってしまった(30代/男性)

・【ペイン】経済状況の説明の際など(30代/男性)

・【スキーム】家事のスキームをどうする? みたいに妻に使ってしまった(30代/男性)

・【スキーム】計画を立てる時(30代/男性)

職場で頻繁に使用する用語ほど、プライベートでも無意識のうちに口から出てしまうようです。日常的に使っている言葉が、思わぬ場面で顔を出すことは誰にでも経験があるのではないでしょうか。

ビジネス用語が"できる感"を生む? SaaS営業が感じた言葉と文化のリアル

「SaaS業界の用語を通じて感じた文化や空気感」について質問したところ、以下の項目が上位に挙げられました。

『横文字が多くて"できる人風"の会話になりがち(29.8%)』

『共通言語で会話が進みやすく、一体感がある(26.5%)』

『スピード重視・効率重視の文化を感じる(18.5%)』

言葉が共通言語としての機能を果たす一方で、その使われ方には無意識に形成される"業界特有の空気感"が漂っているようです。業界外の方にとっては、これらの用語の理解に時間がかかる場合もあるでしょう。

業界特有の言葉は、専門性を高める反面、新規参入者にとっては壁となることもあります。しかし、それを乗り越えることで業界への理解も深まっていくのではないでしょうか。

まとめ:ビジネス用語は定着しても、"使いこなす力"が求められる時代に

今回の調査では、SaaS業界におけるビジネス用語の定着とその文化的役割が浮き彫りとなりました。

『KPI』『アジェンダ』『フィードバック』などの用語は職場内での共通言語として定着し、一部はプライベートにも浸透している実態が明らかになりました。

SaaS業界では横文字の多用が"できる人風"の雰囲気を生み出しているものの、それが共通言語となって一体感や効率の良さにもつながっているという側面もあります。

これからSaaS業界への転職を考えている方にとっては、こうした用語やSaaSビジネスモデル独自の文化があることを事前に知っておくと、入社後の理解や習得の助けになることでしょう。

出典元: 株式会社エムエム総研 プレスリリース

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